(203)?面白いように仕事が進む?知的生産術「三種の神器」?
(203)?面白いように仕事が進む?知的生産術「三種の神器」?
その「三種の神器」は、(1)フォトリーディング、(2)親指シフト、(3)マインドマップ、だということで、その解説があります。
これらは、知的生産にとって、そんなに強力な武器なんでしょうか?
(1)のフォトリーディングは、「写真を見る時のように文字が頭の中に入ってくる読書法」だそうです。速読法の一種のようです。
チマタにはいろんな速読法が喧伝されていますが、そのうちのほとんどは使えません。
写真(画像イメージ)のように頭に入れるという話がありますが、アラビア文字とかタイの文字のような、知らない外国語で書いてある文章は、イメージで捉えようとしても頭に入らないことは誰にでもわかります。
最低限、自分が習得した言語でなければ、単語の意味さえ捉えられませんから、いくら画像イメージのように捉えるといってもムリです。言語は、一文字一文字のデジタル情報として脳に蓄えることになりますから「(画像)イメージとして」というのは、無理な話です。
実は、本を読むというのは、自分の知識ベースと照合しながらの作業です。ですから、自分の知識がある領域の本は速く読めますし、自分の知識が薄い領域の本は速読できません。
多くの本を読んで、自分の知識ベースを広げておけばおくほど、速いスピードで本を読むことができます。立花隆さんの速読なんかはそういう域に達しているんだろうと思います。
(2)「親指シフト」についても、誤解されているようです。「20年近く前のワープロ早打ち選手権の上位入賞者のほとんどが親指シフト利用者だった」と書いてありますが、書いている人は、どういう選手権だったか、たぶんご存じない。
当時のワープロ利用法というのは、「人間スキャン」なんです。つまり、手書きなり印刷された原稿を、ワープロに入力していくコンテストなんです。ですから、日本語の1文字1文字をワープロのキーの1つづつに置き換えるという親指シフトは、その「作業」がしやすかったんです。
今では、そういう「清書機」としての使い方をすることは、ほとんどなくなりました。だから親指シフトもすたれてしまったんです。(訂正)富士通がワープロ製造販売をやめてから、使う人が次第に少なくなりました。今は、ローマ字入力のほうがずっと現実的だと思います。
このことを、指を多用するプロのピアニストに直接聞いてみたら、よいシフト方法ではないと言っていました。キーボードのシフトに親指を使うと、小指を使うのと違って、手全体がの動きが制限されてしうために、各指の独立性が損なわれてしまうのだそうです。
(3)「マインドマップ」は面白いですね。「膨大な情報を頭の中でうまく関連づけて、あとで引き出しやすくしながら格納するためのツール」と説明されています。
ただ、人に見せられるように書くには、下書きも必要でしょうし、何回も書き直すことが必要でしょう。そういうことでは、それに費やした時間と得る利益の比率を考えて、評価する必要があるだろうと思います。

プロのピアニストさんによる話は興味深いところですね。
解決法は少なくとも3つあって、そのうちひとつは、既にNICOLA(いわゆる親指シフト)をお使いの方から提示されているような方法になるのだろうと思います。
この点が確かならば、「親指を使う回数を減らせば、より無理がなくなる」のかもしれず、古くは「TRON配列」が、最近では「小梅配列」などが、この方向での改善を行っていたりするようです。
二つ目の方法としては、逆転の発想で「親指が他指の動作範囲を制限してしまうのならば、動きやすい範囲の中に使用頻度の高いカナを突っ込んでしまえ!」という方法も、採用することは可能だ……ということになりそうです。
この考え方はあまりに乱暴すぎる(実用配列を製作するために長期の開発期間を要する)らしく、今のところは「飛鳥カナ配列」( http://jp.youtube.com/watch?v=vicgZ6nIYx0 )があるのみ……という状況のようです。
3つ目の方法としては、そもそも「親指以外の指をシフト用に使えばいいじゃん」というもので、この方向性では「下駄配列」( http://www.nicovideo.jp/watch/sm2422094 )のような例があります。
ちなみに、NICOLA(親指シフト)については、もともと清書用途ではなくて「オフィスで文章を一から創作・推敲すること」を目的として作られています。
親指シフトができた当時、いわゆる「人間スキャン」用途としては、漢字直接入力法が先行で実用化されていたのですが、富士通の設計グループでは「コピー打鍵ではなく、創作打鍵に利用できなければダメだ」と考えたらしく、親指シフトという機能を含む「日本語電子タイプライタOASYS」を設計されたようです。
もともとコピー打鍵用に最適化した設計を行ってはいないOASYSを、「人間スキャン」用途に転用した方々は、あえてOASYSに多数の単語登録をしてみたりするなど工夫して、本来の用途とは異なる方向で利用した……というのが実際のところなので、「清書用途にしか使えないから親指シフトは廃れた」という説明は、なんとなく的を射ていないように思いました。
#この説明方法では、「JISかなではなくQwertyローマ字入力」が現在流行している理由を説明できない、ということも気になりますし。
それと、記事204番の話を絡めて……私も、「一人の個人が【習熟】した入力法同士」での速度比較については、精々2割程度の差しか現れないだろうと思っています。
私はJISかな3年・Qwertyローマ字10年(うちAZIKが若干)・親指シフト4ヶ月・飛鳥カナ配列2年……とやってきましたが、感覚的には「個人的には飛鳥が打ちやすくて、対Qwertyローマ字比で2割増速」ぐらいかな、と。
打鍵数の差は、丸々増速のために使われたりはせずに、運指速度的に余裕がある分だけが増速のために使われて、残りは全て「打鍵数が減った分だけ楽に感じる」という、体感として現れるように考えています。
勝間さん自身の「著書」では、「親指シフト使え」ではなくて、「使いやすい方法を探して使え」というふうに言及しています( http://d.hatena.ne.jp/keyword/%bf%c6%bb%d8%a5%b7%a5%d5%a5%c8 )が、今回取り上げていらした「記事」には、そのあたりが書かれていなかったようで、勝間さんにしては珍しい?ケースだなぁ……と思いました。
投稿 かえで(yfi) | 2008年2月24日 (日) 19時58分
かえで(yfi) さん、コメントをありがとうございました。
>親指シフトができた当時、いわゆる「人間スキャン」用途としては、漢字直接入力法が先行で実用化されていたのですが、
そうでした。2ストローク入力などがありました。
>「清書用途にしか使えないから親指シフトは廃れた」という説明は、なんとなく的を射ていないように思いました。
そのとおりです。本文を修正します。
>私はJISかな3年・Qwertyローマ字10年(うちAZIKが若干)・親指シフト4ヶ月・飛鳥カナ配列2年……とやってきましたが、
すごいです。そういう方は初めて聞きました。
そういう経験でしたら、客観的にいろんなことが言えますね。説得力があります。
>残りは全て「打鍵数が減った分だけ楽に感じる」という、体感として現れるように考えています。
なるほど。そういうものですか。参考になりました。
ありがとうございました。
投稿 BlueSky | 2008年2月24日 (日) 21時33分
かえで(yfi) さん、「飛鳥カナ配列」のビデオも面白かったです。
私にとって、ローマ字入力で一番の問題点は、長音記号「-」の入力です。打鍵の頻度がかなり多いにもかかわらず、打鍵しにくい位置にあります。
200LXのfep100では、NORIさんは、[q]を長音記号[-]にあてていて、非常に打ちやすくなっています。
ただ、私は、日本語入力の問題点として、入力方法のことだけではなく、変換辞書の問題が大きいと考えています。
そのことについて、(150)「ユーザー辞書に登録している単語のこと」で言及しています。
今回、親指シフト関連で、昔のコンテストの打鍵数をみたら、チャンピオンは1分間に1500くらい打鍵するんですね。私自身は、自分が高速で打鍵できると思っているのですが、せいぜい300(50words)くらいです。そういうことでは、1500ストロークというのはカミワザです。
まぁ、チャンピオンというのは、どこの世界でも人間離れしているものですが。
投稿 BlueSky | 2008年2月24日 (日) 22時23分
こんにちは、再び失礼します。
ローマ字入力の長音記号、たしかに打ちづらいですね。文章全体から見た頻度はそうでもないのですが、カタカナ語を打つときに限ると使用頻度は洒落にならないほど高いですから、特定のシーンでとても気になるという、厄介な代物だと思います。
私はAZIKを使っていたときに「:」で「ー」を打てることにだいぶ助けられました。
それと、勝間さんが言及された「1.7倍問題(?)」について、最近ふと思い出したことがあります。
http://d.hatena.ne.jp/maple_magician/20070504/1178215602#c
上記で勝間さんからコメントをいただいているのですが、勝間さんは「4種の入力法を試して」親指シフトに決めた、と書かれています。
実は私もかつて、似たことを経験しています。
一番最初に買ったPanasonicのワープロ専用機では、入力法として「JISかな・新JISかな・50音かな・Qwertyローマ字」が選択可能でしたが、これをそれぞれ短期間(1日ずつ程度)試していって、最終的にはJISかなを選びました。
当時の選択理由としては「キートップに刻印がある中で、楽なほうを選んだ」という感じだったように記憶しています。
今と同じぐらい、入力法についての情報があれば、たぶん当時であっても「(慣れた後の快適性がJISかなよりも高い)新JISかな」を選んだだろうなぁ……と思うのですが、いずれにせよ【そう長くはない期間で入力法を選択した】とすると、練習初期における入力法同士の速度差はほとんど、入力法同士の効率差とイコールであるように感じられるので、「慣れた後の感触よりも、速度の差を大きく感じる」はずです。
勝間さんが書かれたコメントや、勝間さんが「いろいろなものを買っては試す」と著書で述べられていることなどからすると、「一つ一つの入力法を長期間使ってみて決めた」というよりは、「一つ一つの入力法を短期間使ってみて決めた」と解釈するほうが近いように思います。
そうすると、勝間さんが「1.7倍の差を感じた」というのは、「当時の打鍵評価で得た主観であり、勝間さんにとっては真実」ということなのかもしれません。
このあたりが次の本で言及されるのかどうかはわからないものの、「1.7倍の謎」については、きちんとその背景が明らかにされることを願いたいところです。
投稿 かえで(yfi) | 2008年3月 9日 (日) 01時36分
かえでさん、コメントをありがとうございました。
>勝間さんが「1.7倍の差を感じた」というのは、「当時の打鍵評価で得た主観であり、勝間さんにとっては真実」ということなのかもしれません。
そうですね。
たぶん、入力時間を測定してみるなどのことをしたのだと思います。
私個人の問題としてとらえると、(英文タイプの時代からカウントすれば)ローマ字入力を40年くらい続けていますので、いまになって親指シフトを取り入れても、かえって効率が悪くなるだけだと思っています。
単純な興味としては、「1.7倍」というのが、どのような根拠なのか知りたいとは思います。
もし、シフト方式での打鍵カウントを、[shiftキー]+「文字キー」を1打としているなら、カウント間違いだと考えます。私のカウントでは2打になります。
そして、[shiftキー]も1打と数えると、ローマ字入力との打件数も、「打鍵数」じたいは、あまり変わらないだろうと思います。
いずれにしても、その人、その人、にあった入力を採用するのがイチバンだと思います。
投稿 BlueSky | 2008年3月 9日 (日) 08時53分