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2010年9月 1日 (水)

(483)岩波「図書」のインチキ「徒然草」

(483)岩波「図書」のインチキ「徒然草」

Img_2486私は、よく、出版社のPR雑誌をもらってくることを、以前にお話ししました。(写真は2月号)

(472)「知的生産の技術」の梅棹忠夫先生が亡くなりました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-44c1.html

つい先日、「ご自由にお持ちください」のコーナーに、古い「図書」(2010年3月号)があったのでもらって来ました。この号は読み逃していたようです)

その「図書」3月号に、「大木康」という方が、「『史記』を読む仲間」というタイトルの文章を書いています。

Img_2492 この方は、中国文学の専門家のようで、読書の中心は中国明代の文学だそうです。

私は、根っからの理科系ですので、文化系の能力のある方はたいしたものだとあこがれます。

中国の古典文学も日本の古典文学も、高校での授業以来、自分の興味があるものしか読みません。読解の能力も、残念ながら高校生以来伸びていないと思います。

そんな低レベルの私ですが、「ん? これはなんだ?」「おかしいぞ」と思ったので、ちょっと書いておきます。

「『史記』を読む仲間」の最初のほうの段落に、「真の古典」とサブタイトルをつけて、
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『徒然草』の「机に向いてまだ見ぬ世の人を友とするぞこよなう心ひかるるわざなれ」とはまことに古今の至言である
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と書いています。

「えっ?」「徒然草の時代の文だとしたら、この文章おかしいぞ?」

もし、古文なら、
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机に向ひてまだ見ぬ世の人を友とするぞこよなう心ひかるるわざなれ
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と書くはずだ。

じつは、私の200LXのSDカードには、二種類の『徒然草』ファイルを入れてあります。気が向いたときに読むためです。

ひとつは、「青空文庫」からダウンロードした「徒然草」、もうひとつは、「University of Virginia Library」からダウンロードした「徒然草」です。ちなみに後者のほうが読みやすいです。

いまはパソコンに向かっているので、グーグル検索で最初に出てくる「『徒然草』 私的研究」を読んでみました。http://www.geocities.jp/rikwhi/nyumon/az/turezure_zen.html

すると、「第十三段」に
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 ひとり灯のもとに文をひろげて、見ぬ世の人を友とするこそ、こよなう慰むわざなる。
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という文があります。この「第十三段」が「大木康」さんの引用元のようです。

原文と「図書」に書いてある文を比べると、ぜんぜん違います。

(1)「机に向かいて」(大木)と「文をひろげて」(原文)では状況が違います。
(2)「心ひかるる」(大木)と「慰むる」(原文)もニュアンスが違います。

原文のほうは、読んでしっくりくる日本語ですが、「図書」のほうは、平坦な日本語です。たった一文なのに文としての「かおり」がありません。

岩波書店の「図書」の編集者は、こんな変な日本語を見逃しちゃうんでしょうかね? 日本語がちゃんと読めないんでしょうか?

岩波書店が発行している雑誌なのに、高校以来古文を勉強していないような私に、バカにされるほどの低レベルであることは知りませんでした。

「図書」ってもっとハイブロウな小冊子だと思っていたのに、この一件でがっかりしてしまいました。

「大木康]」先生の「中国文学」も、はたしてどの程度のレベルなんででしょうかね?

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コメント

>岩波書店の「図書」の編集者は、こんな変な日本語を見逃しちゃうんでしょうかね? 日本語がちゃんと読めないんでしょうか?

 遅レスですが、このケースに関しては二つほどいえることがあります。編集者が教授という肩書きを妄信しているケースと、編集者に校正素養が全く無いので気がつかないケース。まあ、そもそも執筆者に問題がなければこんな(以下略)。

tamaka さま、コメントをありがとうございました。
ウィーンに遊びに行っていたので、お礼が遅れました。

たぶん、
>教授という肩書きを妄信
というところだろうと思います。

>そもそも執筆者に問題がなければ
まったくそのとおりですね。

Bluesky

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