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2017年10月16日 (月)

(716) 200LXのsolverで個人事業での手取り額の計算をしてみた。

(716) 200LXのsolverで個人事業での手取り額の計算をしてみた。
 
Kojin 今回は、個人事業(フリーランスなど)を運営していて、所得税と住民税と最終的な手取り額(可処分所得)がいくらになるかを計算する solve r式を作った話をします。(自分のための計算式なので正確性は保障しません)
 
というのは、個人事業から法人成りした場合、可処分所得(手取り額)がどのように変化するかを検討しようと思ったためです。
 
個人事業から法人成りした場合は、自分自身に「役員給与」を支払います。給与生活者は給与所得控除を利用できますから、そのぶんが節税になって可処分所得を増やすことができます。
また、個人事業で家族に支払う給与である「専従者給与」は、実際上は上限がありますけれど、法人成りして家族を「役員」にして支払う「役員給与」にはとくに上限がありません。法人成りすると、そのようなやり方で所得分散して、さらに節税をすすめることが可能です。
 
さらに別のやり方もあるでしょう。事業本体は個人事業のままにしておいて、家族が別に法人を設立して一部の業務を請け負うようにします。そして家族がその法人から役員給与を受け取るようにする方法です。
この場合も「専従者給与」ではなく「役員給与」を受け取りますから、「専従者給与」よりも多くの給与を受け取ることが可能です。このやり方だと、ファミリーとしての事業を拡大することができますし、法人設立によって経費の自由度も大きくなります。
 
ここまでの話を整理すると、A. 個人事業(フリーランスなど)で家族に専従者給与を払う、B. 個人事業から法人成りして、自分自身と家族がともに役員給与を受け取る、C. 本体は個人事業のままで、家族が法人を作って役員給与を受けとる、という3種類の形式が考えられるということです。
 
A.とC.は本体が個人事業ですので、経営者は給与所得控除は受けられません。今回の solver 式で、この場合の手取り額を計算したいと考えたのです。
一方、B.とC.では法人から役員給与を受けますので、給与所得控除を含んだ計算式が必要です。この式のことは、「(663)200LXのsolverで、年収から手取り額を概算する」でお話したことがあります。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/663200lxsolver-.html
 
話が税金のことですから、顧問の税理士さんに相談すればよいようなものですが、税理士さんは几帳面な性格の人が多いです。また、1年間の稼ぎと経費から正確な納税ができるように計算する仕事ですから、将来の節税のために請負のための法人を設立するなどということや、大ざっぱなお金の流れのことなどは、なかなか相談しにくいものです。
 
そのため、どのような法人を設立するか、どのような業務を請け負いするか、請負費用はいくらぐらいにするか、家族内のだれを役員にするか、その役員給与をいくらにするか、などのスキームは自分(家族)で考える必要があります。
 
また、基本的なスキームは考えることができたとしても、それによってどれくらいの節税になるかは、いろいろシミュレーションしてみる必要があります。また、最終的な(ファミリーとしての)可処分所得がいくらくらいになるかということも、計算してみる必要があります。
 
シミュレーションしてみるには、計算の正確性よりも計算式の使い勝手のほうが重要です。そういうことで、今回のsolver式は、ほんとの意味では正確ではないのですが、シミュレーションするのに使い勝手が良いように作りました。「FAMILY.zip」をダウンロード
 
(663)でお話した solver 式は、おもに給与所得控除のことを考えて作りました。それ以外の控除は、基礎控除の38万円とその他の控除10万円と設定しておきました。社会保険料も概算しました。
 
Vacant今回の個人事業者の solver 式では、給与所得控除の計算は式に入れる必要がありません。そのかわり、各種の経費(A,B,X,Y)の金額を式に取り込むようにしました。(事業税と復興税は計算に入れてありません)
 
この式で、経費Aと経費Bには、支払い給与、消耗品費、専従者給与などの実際に支出する金額を入力します。
経費Xと経費Yには、青色申告控除や基礎控除などの実際には支出されない控除金額を入力します。
(このsolver式での単位はすべて万円単位で計算します)
 
今回のsolver式の使い方は、(663)(664)でのsolver式とほぼ同じですが、いちおう簡単にお話ししておきます。
・今回の式(eqnファイル)を、200LXのc:あるいはa:ドライブの適当な場所に置いておきます。
・[+-×÷]のキーを押してSolverを起動します。(ほかの機能が立ち上がる場合はsolverに移動します)
・[menu]→[file]→[open]と押していって、今回の family.eqn のファイルを読み込みます。
・今回使う式は「個人事業」の式です。ここにカーソルを置いて[enter]を押すことで、上記の図のような入力画面になります。
・すでに数字が入力されているようなら、[menu]→[Clear]→[Data]と押していくことで、上の方の図のように、数字が入力されていない状態にします。(ついでに[Stack]もクリアしましょう)
 
・「経費A」「経費B」は(上に書いたように)実際に支出する経費を入力します。「経費X」「経費Y」には控除を入力します。
・売り上げ金額([F3])などを入力してから、最後に[F2]を押すことで「可処分所得」「住民税」「所得税」などが計算されます。(この式では、一般のsolver式のような「逆算」はできません)
 
今回のsolver式は、この「個人事業」の式と、以前の「平成29年度」の式を組み合わせて使うことを想定して作ってありますので、まずは今回の式の説明をしてから、次の項で応用問題として個人事業の法人化のシミュレーションをお話しましょう。

さらに業務委託のための法人を設立して家族が役員給与を受け取るシミュレーションのこともお話ししていくつもりです。
 
では、実際に数字を入力していきます。
 
2000 [第一例]一年間の売り上げが2000万円の個人事業を考えてみます。
・2000と入力して[F3]を押します。
人件費、材料費、光熱費などの経費が1000万円かかったとします。
・1000と入力して[F4]を押します。
家族に専従者給与として300万円支払うとします。
・300と入力して[F5]を押します。
青色申告の控除が65万円、基礎控除が38万円と仮定します。
・65と入力して[F6]、38と入力して[F7]を押します。
最期に計算のために[F2](可処分所得)を押します。
・可処分所得が563.65万円、所得税は76.65万円、住民税は59.70万円と計算されます。
住民税は課税所得の10%と計算するようにしていますので、この場合の課税所得は597万円です。
所得税は累進性ですから課税所得によって課税率が変わってきます。
 
7000 [第二例]売り上げが7000万円の個人事業を考えます。
・7000と入力して[F3]を押します。
人件費、材料費、光熱費などの経費が4000万円かかったとします。
・4000と入力して[F4]を押します。
家族に専従者給与として800万円支払うとします。
・800と入力して[F5]を押します。
青色申告の控除が65万円、基礎控除が38万円と仮定します。
・65と入力して[F6]、38と入力して[F7]を押します。
最期に計算のために[F2](可処分所得)を押します。
・可処分所得が1431.1万円、所得税は559.2万円、住民税は209.7万円と計算されます。
 
これらの例から、所得税+住民税の納税額は、前者では136.35万円で、後者では768.9万円とわかります。
(社会保険と厚生年金、あるいは国民保険と国民年金の金額は税金と同じような性質の出費ですが、複雑になるので今回はとりあげません)

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