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2018年9月22日 (土)

(763) 200LXを使って『道具としてのファイナンス』の「第1章 投資に関する理論」を読む

(763) 200LXを使って『道具としてのファイナンス』の「第1章 投資に関する理論」を読む

Img_20180607_001735_2 前々項でお話した『道具としてのファイナンス』(石野雄一著)のことです。

この本の「はじめに」には、「この本にはほとんど数式はありません。なぜって、難しい計算はEXCELにまかせているからです」「この本は、ファイナンスの専門家でもない普通のビジネスパーソンのために書きました」とあります。

本としては、シロウト向けの本であって、EXCELを使って計算するとあります。ここでは200LXの金融電卓と Lotus123 を使って読んでいくことをお話します。
Lotus123は20年以上前の表計算アプリですから、機能的には現在のEXCEL機能的と比べると貧弱です。そのぶん、シンプルでお手軽に使えるという利点があります。そういう制約のもとで200LXを使っていきます。

まず、『道具としてのファイナンス』の目次を見てみます。
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序章 ファイナンスの武者修行
第1章 投資に関する理論
第2章 証券投資に関する理論
第3章 企業価値評価
第4章 企業の最適資本構成と配当政策
第5章 資本市場に関する理論
第6章 デリバティブの理論と実践的知識
第7章 ブラック=ショールズ・モデル
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「序章」は飛ばして、200LXを使いながら「第一章」を読んでいきます。

第一章は、
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1-1 将来価値とは、
1-2 現在価値とは
1-3 将来もらえる年金の値段を計算してみよう
1-4 正味現在価値による投資判断
1-5 正味現在価値(NPV)以外の指標による投資判断
1-6 資本支出予算
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という項立てになっています。

1-1から1-3までは、前項(762)の「住宅ローンの計算」でお話した TVM (お金の時間的価値)アプリケーションで計算できます。

30ページの「あなたは5年後の100万円の現在価値を86.3万円と計算しました。このときの割引率は3%です。今度は86.3万円を年率3%で運用した場合の5年後の将来価値を求めてみましょう」という例を200LXで計算してみます。

9999200LXのTVM(Time Value of Money)では、5年後の価値(将来価値)(Future value)に100と入力します。利率(I%YR)は3%と入力します。年に1回の計算をするということで、P/YRに1と入力してから、Nに5を入力します。

9998現在価値を計算したい場合、[F8]のPresent Valueを押すことで、-86.26とイッパツで計算されます。数字にプラスとかマイナスの記号がつくのは、マイナスは自分の懐から出ていくお金、プラスは入ってくるお金と区別のためです。

9997逆に、現在の86.3万円が将来いくらになるか?は、FVにゼロを入力しておいてから、PVに86.3を入力します。

9996その後、[F10]を押すことで、-100.50の値を得ます。3%の利率のときに86.3万円が5年後に100.05万円になるということです。

200LXのTVMを使うと、お金の現在価値と将来価値を行ったり来たり計算できます。TVMを使うことでお金のタイムトラベルの感覚が身についてきます。
前項でお話したように、「お金の時間的価値」を身につけるということが、ファイナンスの考え方の中の最重要なことだと私は考えています。

999233ページに、「5年間にわたって、年末に100万円ずつもらえる年金型投資表人の現在価値は、割引率を3%とすれば」とEXCELで計算する例があります。
PMTに100と入力してから[F8](現在価値)を押せば、即座に-457.97万円と計算できます。

35ページに、「次に、毎年もらえる金額が違う年金型投資商品を考えてみましょう。このような場合は、さすがに公式はなく、キャッシュフローごとに現在価値を算出してそれを合計するしかありません」「1年目に100万円、2年目に200万円~5年目に500万円もらえる年金型投資商品の現在価値」という例があります。

9995200LXの場合は、金融電卓のうちの Cash Flow を使います。
年に1回の計算をするということでP/YRに1と入力して、利率は3%としておきます。Initial Flow はゼロとしておいて、100~500を入力してから、[F5](Net Present Value)を押すことで、1346.85万円という数字を得ます。

この Cash Flow 計算のことは、200LXのユーザーズ・マニュアルでは「途中の入出金が等額でない福利計算」(15-1)となっています。
一方、TVMは「途中の入出金が等額の複利計算(均等払い複利計算)と利率の換算」(14-1)となっています。

前項で、住宅ローンの計算のことをお話しましたが、ユーザーズ・マニュアル的にいうと、入出金が等額(均等払い)の複利計算」ということです。200LXは「金融電卓」なので、さすがにお金の計算は得意です。

1-4項の「正味現在価値による投資判断」は、200LXの Cash Flow の計算のことです。
38ページに、すぐ上図で計算した「年金型投資商品」を、1200万円で購入するという「プロジェクト」という例が出ています。1346.85万円の現在価値の投資商品を、1200万円の現在価値で購入すると儲けは146.85万円と書いてあります。

9994200LXの Cash Flow で計算したのがこの図です。Initial Flow に-1200を入力しておいてから、[F5](Net Present Value)を押して146.85万円という数字を得ます。

44ページに、「あるプロジェクト」ということで、初期投資1000万円で、1年目の資金回収が150万円、2年目以降が200、250、300、300万円、割引率5%という例がでています。200LXの Cash Flow では、22.09万円と簡単に計算できます。

999345ページには、内部収益率の話がでています。EXCELではゴールシーク機能を使って5.711%と計算するそうです。200LXの Cash Flow では、年利(I%YR)をゼロとしておいて、[F4](IRR%YR)を押すことで5.71%と計算できます。

1-6(資本支出予算)は、以上のことの応用問題です。
「正味現在価値 vs. 内部収益率、すごいのはどっち?」の話から、「資本制約がある場合」に話が進んでいます。EXCELのSOLVER機能を使って、制約(条件)がある場合の計算をしています。EXCELのSOLVERは多次元の方程式が解けますが、200LXのsolverでは1次方程式しか解けません。こういう機能はさすがに20年間の進歩だと思います。

章の最後に、「キャッシュフロー予測の注意点」として、「埋没するコスト」「機会コスト」「資金調達コスト」などの話が出てきます。企業で投資判断をする場合には、収益計算だけでなく、いろいろな配慮が必要なのだと思います。

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