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2020年7月23日 (木)

(865)老齢厚生年金の迷路.やっと出口に到達しました.(これも終章)

(865)老齢厚生年金の迷路.やっと出口に到達しました.(これも終章)

私が若いときには、「どうせ年金なんてほとんどもらえないんだろうから、払い損になるんだろ!」と思いながら、年金を納めていました。若いときには皆さん同じように考えると思います。
70歳になっての感想は、「ああ、『年金』ってこんなに支給されるのか!」と思っています。

しかし、出口(支給額が完全に確定)に至るまでは、いろいろな調整が必要でした。
自分としては、支給額が最大になるように、せいいっぱい計算して対処してきました。

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70歳になると支給額は完全に確定するので、もう、くふうのしようもありません。あとは、給与額を調整して「支給停止額」をゼロにし続ける方法しか残っていません。
  
上の画像は、今年(令和2年)6月1日付の私の「年金額改定通知書」です。基礎年金も厚生年金も「年金停止額」がゼロ円にすることができました。

ところでインターネット上には、どうやったら年金支給額を増額できるかという(自称専門家の)不正確・無責任な情報があふれています。しかし、このようにやって支給額を増額できましたという実例は見かけたことがありません。

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このような本にはかなり詳しく記載されていますが、こんがらがった何本もの糸をたぐっていくかのように、いろいろ計算する必要があります。計算できるエクセル表でもあると良いのですけどね。自分でするなら、私のように表集計とかsolverで計算するしかないと思います。
図では、「70歳までなにもしないと」と書いてあります。逆に言うと、70歳で確定して、それ以降は調整のしようがないということです。

そういうこともあって、私の迷いながらの軌跡のことをお話しようと思います。どなたかの参考になれば幸いです。(この項のいちばん下に、「年金」関係の項目のリストをあげておきますので、興味のある方はご覧になってください)(また、ご質問などありましたらコメントでおたずねください)

さて、

(0) 国民基礎年金・厚生年金ともに、自分で掛け金を調整することはほとんどできません。わずかに付加保険料を納めることで増額することができます。(これはかなりお得な制度です。しかし、idecoとの調整が必要になるのがうっとおしいです)

(1) (生まれた年度によって違うと思いますが、私の生年では)65歳になったときに、支給される老齢年金額がいったん確定します。

(2) そして、70歳になると老齢年金支給額が完全に確定します。

(3) 自分が死ぬと、厚生年金支給額の3/4が遺族厚生年金ということで、配偶者に引き継がれます。(支給全額の3/4ではないようですが、詳しいことは調べてもわかりません)

タイトルのように、私が「老齢厚生年金の迷路」というのは、上の(1)と(2)の間です。65歳から70歳の間に支給額の増額の余地があります。

では、実際に、どれくらい増額できたのか?ということをお話してから、迷路を通過するための「ポイント」についてお話しましょう。

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上の図は、昨年(69歳)の6月1日付の私の「年金額改定通知書」です。赤丸で囲ったように、「支給停止額」が5.6万円発生しています。

写真の記録はないのですが、平成29年の「通知書」では、基礎年金65.5万円、厚生年金113.4万円、合計で179万円だったと思います。

冒頭の図の今年の「通知書」では、基礎年金65.8万円、厚生年金139.3万円、加給年金39万円、合計で244.1万円となっています。

65歳から70歳の5年間では約65万円増額されていることになります。
ということは、90歳まで20年間生きるとしたら、受取額は3588万円から4882万円へと、1302万円も多く受け取ることができるということです。
年額だと65万円、一ヶ月あたりでは5万4千円、倍率でいうと1.36倍多くもらうことになります。
(私の配偶者が若いという特殊な要素も加わってのことです)

次に、その増額のポイントについてお話しましょう。

(A)老齢年金を繰り下げる、(B)加給年金を含めて考える、(C)70歳まで働いて、年金払い込みを増やす、などがポイントです。逆に、マイナスにならないように注意するポイントもあります。(D)給与が多額だと、支給停止額が発生するということです。支給停止額をゼロになるような給与で働く必要があります。

以上の(A)から(D)までのことをもう少し詳しくお話します。

(A)「老齢年金の繰り下げ」のことでは、私は手探り状態で繰り下げしました。でも、しないほうが良かったと後悔しています。このことは、「(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい」でお話しました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/709-0f69.html

インターネットや新聞では、「給与収入があって、当面年金に頼らずに済むのなら、将来の年金額を増やすことを優先してもいい」といわれています。

しかし、実際に繰り下げした人の、「繰り下げ受給を選んだら、結果的に年金受給額が多くなって良かった」という話は見たことも読んだこともありません。

65歳から70歳まで繰り下げするか、あるいはまったく繰り下げしないかの損得を計算してみると、繰り下げの効果がでてくるのは80歳を過ぎてからです。損得はそれくらい拮抗しています。
だったら、わざわざ繰り下げする必然性はないです。もらえるなら状況なら、65歳から普通にもらうほうがよいです。私は繰り下げして失敗しました。

とくに注意が必要なことは、繰り下げ期間中に給与が多額だと、繰り下げ効果がなくなるということです。これについての詳しい計算方法はブラックボックスです。働いて給与所得を得ていながら繰り下げして、「これで年金の受取額が増額される」と期待していても、70歳になって繰り下げ効果がなかったと後悔する可能性が多分にあると思います。

日本は「年金をもらいたければ働くな!」というシステムになっています。「働いて給与を得たら罰として年金を取り上げる」というような構造です。

日本では、年金なんかもらわなくてもじゅうぶんな老後を送れるくらいに多額の資産があるか、あるいは仕事をせずに年金をもらって、動物園の動物のような檻の中で行きていくかを選ぶことになるでしょう。

もし、仕事をして給与を得ながらも年金をフルに受け取ろうと考えるなら、私のように細かく計算するか、あるいはコンサルタント料を払って、専門家に計算してもらうという方法をとるしかないと思います。

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(B)「加給年金」は、年金の繰り下げするともらえません。あとからもらうということもできません。ですから「加給年金」がもらえる状況なら、繰り下げせずに「加給年金」をもらうべきだと思います。

上の図は、一昨年(68歳)の6月1日付の私の「年金額改定通知書」です。赤丸で囲ったように、「支給停止額」が25.8万円も発生しています。「繰り下げ受給は損だ!」と気づいて、繰り下げをやめて「加給年金」を受け取るようにしたのですが、すぐには給与額の調整ができませんでした。
そのために、多額の支給停止が発生しています。

私は、「繰り下げ」を選択したときに「加給年金」の支給のことを真剣に考えていませんでした。それが失敗の元だったと思います。(ネットで検索しても、そういう「注意」は見つけられませんでした)
  
以上のように、最適給与額を計算して、支給給与額を変更して、やっと冒頭の図のように、今年になって「支給停止額」をゼロにすることができたわけです。

(C)65歳から70歳まで仕事をして給与を得ることで、厚生年金を積み増しすることができます。このことは、私のように受け取り年金額の増額に大きく関係します。支給停止額が発生しない範囲で、最大額の給与をもらって勤務を続けるのがよいのです。

むしろ、年金受取額を増やすには、「この方法しかない!」というくらいに重要なポイントです。

(D)給与額が高ければ、そのぶん厚生年金の積み増し額が増えます。
それによって生涯の受取額は増えるのですが、逆に、支給停止が発生して現在の支給額が減額されます。ですから、しっかり計算して自分の最適給与額を算出して仕事をする必要があります。

この「最大限の給与額」については、「(793) 70歳以降、年金カットされない給与の最高額を計算してみる」でLotus123で計算シートを作ったことをお話しました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-5d90c3.html

※法人の役員をしている場合の注意点があります。

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上の図は、「年金、大損していますよ」の本の裏表紙です。
「支給停止」にあとで気づいても1年ももらえない、とあります。
  
法人の役員給与を得ている人が、支給停止額をゼロにしながらも最大限の給与を受け取りたいと考えても、法人の役員給与額は年に一回だけしか変更できません。そういう縛りがあるために、支給停止額がゼロになるような給与支給額を設定するのがかなり難しいことになります。私の場合は支給停止額をゼロにはできませんでした。支給停止額が発生してしまったことはとても悔しいです。情報不足なのか、情報検索能力が低かったのか、、、

(しかしこれにはウラワザがあります)(役員給与のほかに役員賞与を設定して、支給の時期をずらす方法です)(このウラワザはシロウトには難しいと思います)(しかるべき手数料を払って、専門の社会保険労務士に頼むしかないと思います)

★ 迷路の「出口」に達してから、、、

70歳になって最後の支給額が最終確定したら、あとは支給停止が発生しないような給与額を計算して、むだなく年金を受給することになります。

そのことは、「(793) 70歳以降、年金カットされない給与の最高額を計算してみる」でお話しました。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-5d90c3.html

この計算は比較的簡単です。
私の場合、毎年1月が役員給与の改定時期に当たりますので、今年の年末になってから、支給停止額がゼロになる範囲での最高給与額を再計算しようと考えています。

  


----- 過去の記事と要約 -----

(653)Lotus1-2-3で、インフレ下での年金の現在価値を計算する
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/623.html
 84歳以上長生きすれば、繰り下げ受給のほうが受給額が多いということがわかります。
 私の場合、給与額をいくらにするかは、さらに別の複雑なシミュレーションをする必要があるのですが、とりあえずは繰り下げせずに、通常の65歳から年金を受給するほうがお得とわかりました。
 
(654)Lotus1-2-3で、年金を運用した場合の将来価値を計算する。
 http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/654lotus1-2-3-2.html
 もし2%のインフレの追い風があれば、それに加えての運用利率は2%でよいですから、今回の結果からも、繰り下げないほうがお得と思います。
 私の場合、(経験的に)10%近くの利率で運用できると考えていることもあって、繰り下げ受給せずに早めに年金を受給するほうがお得ということになります。
 私は、「繰下げ受給せずに」65歳から年金を受給しようと思います。

(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/709-0f69.html
 かなりヤバいというのは、「繰り下げ受給」すると得するどころか、損する(一部受給できない)可能性があるということです。
 ネットで「繰り下げ受給」のことを検索してみても、「繰り下げ受給を選んだら、結果的に年金受給額が多くなって良かった」という話は見かけたことがありません。
 図の新聞に「給与収入があって当面、年金に頼らずに済むのなら、将来の年金額を増やすことを優先してもいい」と書いてあるように、給与が多かったので、65歳の時点では「繰り下げ」することにしました。(これが失敗の元でした)
(この切り抜きには「繰り下げを選ぶ人の比率はわずか1%」とあります)(99%の人は私とは違って正しい選択をしているんですね)
 結果的に、「繰り下げ受給」という私の選択は失敗だったと思います。

 以下をお読みください。繰り下げ需給は損します。
 ====================
 年金は70歳受給開始にすると42%も増えるが、手取りは33%しか増えな
 政治・経済 老後のお金クライシス! 深田晶恵 2018.2.21
 http://diamond.jp/articles/-/160670?page=3

(724)年金所得控除と給与所得控除を考える.lotus123の@vlooup関数を使う.
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/724lotus123vloo.html
 この計算結果をみると、たしかに年金受給者は優遇されていることがわかります。
 
(742) HP200LXのsolverで年金支給停止額の計算式を作った。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/742-hp200lxsolv.html
今回の給与額の調整をしておいて、翌年度の年金の明細で支給停止額がゼロになっていれば、それ以降は金額の調整をしなくてもよいと思います。
 仕事を続けているかぎり、70歳以上についても同額の給与を支給しようと考えています。

(786) 加給年金も含めて計算してみると、繰り下げ受給では損することになる。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-c0ae3b.html
 記事のメインは、「保険料は何歳まで払う?」「年金は何歳から受給?」ということでした。
 ファイナンシャルプランナーなどの多くの人が、「繰り下げ受給が得」というようなことを言っています、配偶者がいる人の場合は「 繰り下げ受給が『損』」となるのが一般的です。

 2019年5月12日の追記]
 日経マネーの2019年6月号を書店で立ち読みしました。
「特集2 年金の一番得するもらい方」が、とてもよくまとまっている記事だと思います。

 内容は以下の通りです。
・年金の一番得するもらい方 現役時代から知っておきたい
・受給開始年齢引き上げはある? 年金の最新動向を押さえよう
・年代&働き方別にもらえる年金額を予測
 ライフスタイルで差がつく 「65歳時点の年金・月額」
・見込み年金額が分かれば的確に人生設計が描ける 「ねんきんネット」 を活用しよう
・年金の繰り上げ ・ 繰り下げのメリットとデメリットを知る
 受給開始は60~70歳の範囲で選択可能
・お得な受給開始タイミングを検証! 生涯受給額&手取り額も要チェック
・働き方を工夫すれば年金は増やせる! 「68歳まで働き受給繰り下げ」 が王道?
・年金受給時期と仕事のバランス お金のプロ3人が語る

(791) 週刊東洋経済「年金大激震」特集は、あまり参考になりませんでした。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-2608e1.html
 老後の生活にしても年金の支給額にしても、人によって大きく違いますから、平均とか代表例で議論すること自体に、あんまり意味がないと思います。
 
自分自身の年金問題に取り組むには、自分に関連する年金のシステムや金額について、わかっている最大限の情報をもとにして、自分用のライフプランニング表を作る以外にないと思います。
 
個人の年金問題は、自分ごととして取り組まなければ意味がないと思います。代表例について多い少ないと騒いだからって、自分の将来が安泰になるわけではないです。また、老後の生活について、国や制度が何とかしてくれるだろうという他力本願では、精神的・肉体的・金銭的に豊かな老後を迎えられるはずがないです。
 
 「老齢年金」は、込み入った制度的なので、受取額を簡単には計算できません。
 もし、65歳からの受取額をとりあえずの計算できたとしても、(1)繰り上げあるいは繰り下げするかどうかという問題があります。それに絡んで、(2)加給年金を受け取る場合の総合的な損得の問題がでてきます。年金だけで暮らしていくわけじゃないですから、(3)ほかの収入を考慮に入れる必要が出てきます。(4)総合的に、所得税・住民税・社会保険料も加味して検討する必要があります。
 
(793) 70歳以降、年金カットされない給与の最高額を計算してみる。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-5d90c3.html
 私の場合、「これくらいの給与なら支給停止にならないハズ」と計算したのですが、間違っていたため老齢厚生年金の一部が支給停止になっています。とてもくやしいです。

 制度的には、65歳~70歳の間に給与を支給されている場合は、一方で老齢厚生年金を受け取りながら、他方で厚生年金保険料を納入します。しかし、70歳を契機に保険料を納入する必要がなくなります。そして、65~70歳の間に納入した保険料ぶんが加算されて、70歳以降の老齢厚生年金支給額が決まります。

 その計算をしようと思って、200LXのsolverで計算式を作りかけたのですが、年金制度があまりに複雑なので計算式を作ることができませんでした。Lotus123で計算シートを作りました。

 60歳以後も厚生年金に加入すると、65歳まで働いた分が65歳以降の年金に70歳まで働いた分は70歳以降の支給額に反映される。加入期間中は保険料を負担することになるが、働いた分だけ、将来の年金が増えるのである。

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