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2020年8月 2日 (日)

(868)とても面白い本『戦国大名の経済学』川戸貴史著.講談社新書.

(868)とても面白い本『戦国大名の経済学』川戸貴史著.講談社新書.

今回は書評です。久しぶりにマトモに読みました。

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私はほとんど毎日、神奈川県で何番目かに大きな藤沢ジュンク堂書店に立ち読みに生きます。毎日の散歩のようなものです。

書店では、マンガと学習参考書の棚以外はほとんど見て回ります。中でも新刊の新書のコーナーはかならずチェックしています。

数週間前にこの『戦国大名の経済学 (講談社現代新書) (日本語) 新書 2020/6/17 』が目にとまりました。
いつのもように、「はしがき」と目次に目を通してから、本文のめぼしいところをざっと読みました。
「こんなことをテーマにした本は見かけたことはないぞ」「面白そうだな」と思って、購入してきました。

本の内容は、Amazonの紹介文には、
「戦国大名は平時から、自領内での経済力の増大に、つねに意を注がなければなりませんでした」「お金がなければ戦争など、できうるべくもなかったのです。」「専門家が書いたものとして1冊の新書全体でこの問題を扱ったものは、現在、ほぼ皆無に近い状態です」
とあります。(詳しくはAmazonのサイトを読んでください
https://www.amazon.co.jp/%E6%88%A6%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E5%90%8D%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%B7%9D%E6%88%B8%E8%B2%B4%E5%8F%B2-ebook/dp/B089SV33CX/ref=sr_1_1?dchild=1&qid=1596341110&s=books&sr=1-1&text=%E5%B7%9D%E6%88%B8+%E8%B2%B4%E5%8F%B2

そうなんですよね。私は戦国時代の武将たちの話を、現代の視点で読みます。
現代と同じようにお金(経済力)がなければ、統治も戦争もできなかったはずです。
その経済的な基盤はどうなっていたのか?そのことに触れた書籍ははじめて目にしました。
エポックメイキングな本だと思います。

私は、本を読んで面白いところは、書き出して200LXに保存しています。
----- その一部 -----
044 人間一人あたりは身請け10万~70万円. 身請けがなかった人々は、下人(奴隷) として売買に供されたか、あるいは拉致してきた者が自ら使役(しえき)したのだろう

058 大内氏は平安時代後期に周防国(すおう)に土着(どちゃく)し、在庁官人となった.その後、鎌倉時代にかけて、この国衛を代表する存在にのし上がった.1360年代に周防・長門の守護(しゅご). 両国に地頭( じとう).

063 北条氏は16世紀、五代およそ100年にわたって、南関東と伊豆国 .

075 段銭・棟別銭は大名独自の財源
077 年貢以外の課税は、田には段銭、畠には懸銭、用地には棟別銭.

088 戦国大名とは、領国の「経営」を行う組織でもあった.

096 安土城.石垣の人件費だけで2000万円天主の柱だけで2500万円.建築技術者の人件費23憶4000万円.築城の労働者6~7億円.総経費は100億円.当時の日本の経済規模は、現代の1%にも満たない.

171 15世紀から、西欧各国が地球規模のネットワー ク構築を希求し始めて, 16世紀に入って、世界は人的ネットワークが地球を一周する時代に入った.史上初めて「グローバル化」の時代を迎えた.

212 12世紀後半(平安末期) に中国から持ち込まれた銭が普及したことで、中世に貨弊が定着した.その秩序は15世紀半ばまでおおむね安定していた.

249 信長の撰銭令のあとで、市場動向におされて、米が貨弊として使用されるようになった.

253 検地と石高制年貢を安定的に徴収するシステムを構築し、運営することが、政権維持には何よりも重要だった.
システムを安定させるために最も重要なことは、納入する側からみて適切な負担かどうかが可視化されていること、つまり公平であることだった.

257 すでに1570年代後半には織田氏の領国で石高制が採用されていた.
この政策は、確実に後の豊臣政権に引き継がれた. 豊臣政権下では、年貢徴収のみならず、軍役などのさまざまな役負担の基準がすべて石高に統一された.これが江戸幕府にも承継されることになった.
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戦国の武将は、「人間狩りをするな」という命令をしょっちゅう出していますよね。
逆にいうと、戦争のときに捕まって奴隷にされたり、売り飛ばされた人たちが多くいたということですね。ある面では悲惨な時代でした。

江戸時代は何百年も安定が続いた時代でした。しかし、江戸時代以前に地方で何百年も安定が続いた時代もあったことがわかります。

戦国時代の日本の経済規模は、現代の1%にも満たないのに、よくもあちこちに巨大な城を建てたものだと思います。それだけの経済的な背景があったのですね。民衆が過酷に搾取されていたのでしょうか。

江戸時代の石高制は、貨幣(銭)が欠乏した戦国時代に始まったととのことです。どうしてしっかり貨幣経済を構築しなかったのか、そういう考えがなかったのか興味深いことです。

私は200LXを持ち歩いていて、(個人的な)経済状態を計算・把握に努めています。
そういう私の性質からみて、非常に面白い本でした。

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