無料ブログはココログ

カテゴリー「2. 読書と知的生産」の146件の記事

2018年8月20日 (月)

(757) 「お手軽勉強法」は役に立たない.『「超」独学法』

(757) 「お手軽勉強法」は役に立たない.『「超」独学法』

野口悠紀雄先生は『「超」独学法』の本で、「音楽、スポーツ、音楽、美術、踊り、演劇など」の「実技の類も(独学が)難しい」と書いています。
また、つい最近、居合道の段位審査での不正な金銭授受のことがニュースになったことがありましたので、実技系の武道のことを前項でお話しました。

今回は、『「超」独学法』にある「お手軽啓発書はなにの役にも立たない」(142ページ)ということに関連したお話をします。

『「超」独学法』には、「人々が「お手軽勉強法」を求めるのは、「苦しい勉強をできるだけ早く済ませて、結果だけ欲しい」と考えるからだろう」(本書142ページ)、「とくに『手軽に勉強できる』ことを売り物にするものが、そうだ」「考えてみれば明らかなように、手っ取り早く学べることは、すぐだめになる。お手軽啓発書はなにの役にも立たない」(本書142ページ)、とあります。

1002018私が、簿記・会計・ファイナンスの学習をすすめているときに、週刊ダイヤモンドでこの「決算書」の特集号が発売されました。「おお、よい時期によい特集号がでたな」と思って読んだのですが、ほとんど理解が進みませんでした。

どうして役に立たないか?と考えると、野口先生が言うような「お手軽勉強法」だからなのです。

この「決算書100本ノック!」の表紙を読んでみてください「最新」「超楽チン理解」と書いてあります。表紙に「楽ちん」とうたっているんですね。この特集号を読んでも、野口悠紀雄先生が「手っ取り早く学べること」は「すぐだめになる」と書いているように、読む端から忘れていきます。

1002017_2昨年度のも見てみましょう。「会社の数字がわかる反復練習」という副題です。小さな文字で「PL、BS、CF基本のキを楽チン理解」「演習とクイズで楽しくマスター」「銀行、証券 特殊な財務も優しく解説」などと書かれています。

なぜ、これらの「決算書」特集を読んでも理解が進まないのかを考えてみます。

いったん「決算書」から離れて、学生(受験)時代のことを思い出してみます。

Chartc学生時代は、数学の計算問題を延々と繰り返しました。100本ノックどころじゃなくて、1000本、1万本と数え切れないほどのたくさんの計算問題をこなしました。

数学(算数)ができる子どもと、できない子どもがいましたが、その差はどこででていたんでしょうか?
あるいは、理数系が得意な子どもと、文化系が得意(実は数学が不得意)な子どもの差は何だったんでしょうか?

小学校・中学校・学習塾の先生たちはよくわかっていると思います。計算問題を飽きずに繰り返し繰り返し解くことができた子どもと、「ああ、わかった!」というだけで、大量の問題数をこなすことができなかった子どもの差だったのだろうと思います。

ちょっと賢い子どもは、初歩の数学(算数)の問題ならすぐ理解できます。そこで繰り返すのをやめてしまうと数学(算数)が身につかないのです。結果的に、バカみたいに計算問題を繰り返し繰り返し解くことができた子どもが、数学(算数)がデキル子どもになったんです。

そういうことでは、週刊ダイヤモンドの「決算書」特集も子どもの算数勉強と同じです。たしかに特集を読めば表面的な理解はできます。しかし、自分で問題を解くというエクササイズがないのです。もし、「決算書」をマスターする気なら、大量の同質の「計算問題」を繰り返す必要があるはずです。じゅうぶんな時間をかけて、たくさんの問題をこなす必要があるのです。

週刊ダイヤモンドでは、「100本ノック」と表示していますが、この「100本」は同質のものが100本でなはく、それぞれ違ったものを違った解釈で100種類並べたにすぎません。こんなもの、いくら読んでも決算書はマスターできないです。

決算書をマスターした人が、理解のバリエーションを増やす目的で読めば、それなりに役に立つかも知れませんけど。

2018年8月19日 (日)

(755) 『「超」独学法』.やはり野口悠紀雄は面白い。

(755) 『「超」独学法』.やはり野口悠紀雄は面白い。

前々項で、平凡社新書『バッハ』(「音楽の父」の素顔と生涯)のことをお話したときに、ジュンク堂の新書の棚でたまたま『バッハ』(「音楽の父」の素顔と生涯)(平凡社新書)を見つけてしまったので、、」と書きました。
Dokugaku今回も、新書の棚で『「超」独学法』を見かけたので購入してしまいました。

私の住居は、大型書店(藤沢ジュンク堂と藤沢有隣堂)から徒歩1~2分の場所にあります。というよりも、大型書店の近くに住みたいがために現在のマンションを住居に選んでいます。週に数回は大型書店を訪問して、一回に10冊くらの本を立ち読みしてきます。本を買うのは、内容をざっと読んで読む価値のある本だけにしています。

というのは、自宅と事務所の書架スペースは合わせれば数千冊分あるのですが、どうしても本が多くなってしまいがちだからです。保存スペースの関係上、なるべく買わずに立ち読みだけで済ませる必要があります。読まなくなった本や雑誌は適宜処分しなければなりません。

「本を買わないで読むだけなら図書館を使えばいいじゃないか」という考えもあると思います。しかし、図書館の場合は、続きを読みたいからとか詳しく読みたいからといっても、そのまま本を持ち帰えることができません。また、本に書き込みをしたりページの端を折ったりすることができません。

私にとってそれ以上に問題なのは図書館の開館時間です。書店の場合は夜まで営業していますが、図書館は職員の勤務時間しか開館していないのが不便です。そういうことで、図書館ではなく、もっぱら大型書店を利用することになってしまいます。

さて、『「超」独学法』の内容のことですが、野口悠紀雄先生の本はやっぱり面白いです。ページの端を折ったり書き込みしたりしながら読みました。

Cover表紙の帯には、「『学び直し』がとんでもなく『面白く』なる!」「どんなジャンルも独学できる最先端かつ最強の勉強メソッドを全公開」とあります。これが出版社の考えるこの本のキャッチですね。

副題に「AI時代の新しい働き方へ」とあります。こちらが野口先生のキャッチです。

Hyousiura表紙カバーの内側・外側トビラには、「独学こそ最も効率的な勉強法である」「独学を継続するために必要なのは、次の4つ」「(1)はっきりした目的を持つ、(2)強いインセンティブを持つ、(3)勉強の楽しさを活用する、(4)時間を確保する」とあります。これが出版社が考えるこの本の要約でしょう。(本書131ページ)

この本を通読して、最終的に読書カードにひとこと書くとしたら、このように書くのが標準的でしょう。でも、担当編集者は著者のメッセージを適切に把握しているのでしょうか。

『本を読む本』が教えるように、以上のようなことを念頭に置きながらこの本を読んでいきます。※(『本を読む本』のことは、末尾に付け足しで書きました)

すると、著者が主張していることは、本のキャッチとは微妙に違うことがわかります。

著者ははしがきで、「主たる読者として想定しているのは、学校教育を終えて仕事に携わっている方々」と書いています。
そういう人たちに向かって、「独学は無限の可能性を持っている」「独学で勉強することが容易になった」と呼びかけています。(本書3ページ「はじめに」)

「新しい勉強の時代が到来」し「勉強の必要性が高ま」ったというのは、学校で学んだことや、社会に出てそれまで身につけた経験と知識だけではやっていけなくなったということでしょう。会社に就職してから定年退職まで、今までと同じ調子でやっていけるような時代ではなくなったということでしょう。

また、「独学で勉強することが容易になった」のは、スマホとかインタネットが使えるようになったからです。そういう便利なツールが出現しているんだよということだと思います。

一方で、なんでもかんでも独学が良いというわけでもないことも書いています。

「独学が容易な分野と困難な分野」がある。「法、経、商、文は、独学がやりやすい分野」であり、「医学は独学では習得できない。工学もかなり難しい」と書いています。また、「音楽、スポーツ、音楽、美術、踊り、演劇など」の「実技の類も難しい」と書いています。(本書119ページ)

そのほかに、「人々が「お手軽勉強法」を求めるのは、「苦しい勉強をできるだけ早く済ませて、結果だけ欲しい」と考えるからだろう」「実は、勉強の最も強いインセンティブは、好奇心である。面白いから、楽しいから勉強するのだ」「知識が増えれば、好奇心はさらに増す」とあります。(本書142ページ)

そうですね。本を読んだり、お勉強をしたりするのは、純粋な知的好奇心からも面白いですものね。

ちょっとした注意として、「『自己啓発書』と言われているもののほとんどは、役に立たない。とくに『手軽に勉強できる』ことを売り物にするものが、そうだ」「考えてみれば明らかなように、手っ取り早く学べることは、すぐだめになる。お手軽啓発書はなにの役にも立たない」(本書142ページ)
と書いています。ちょっと耳に痛い言葉です。

この本全体としては面白いことが書いてあるのですが、残念ながら私にはあんまり向いていません。
私自身が、「はしがき」にあるような「主たる読者」の対象から外れてしまっているからです。

142ページにあるように、「勉強は楽しい」「実は、勉強の最も強いインセンティブは、好奇心である。面白いから、楽しいから勉強するのだ。知識が増えれば、好奇心はさらに増す」というのは確かだと思います。

しかし私の場合、生きていくのに必要十分な資産を蓄積し終わって、勉強して能力を上げて収入を増やす必要がなくなりました。これからバリバリ仕事をしていくという状況ではありません。

むしろ、私にとっての大きな課題は、勉強し続けていなければ、単なるボケ老人になってしまうことです。

==========  『』について ==========

『本を読む本』は、以下の項でお話したことがあります。

(129)読書術について
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/128_18b7.html

(131)速読法批判
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/130_0d29.html

(132)各種の読書法の本
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2007/11/131_9c03.html

(254)発売中の週刊東洋経済「最強の読書術」は面白い(0)総論
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/2540_bb7e.html

2018年1月21日 (日)

(728)『広辞苑』第七版が出版された。編集者こそが辞書を引け。

(728)『広辞苑』第七版が出版された。編集者こそが辞書を引け。

Hyousi今月の12日に『広辞苑』第七版が出版されるというのを、雑誌『図書』を読んで知りました。まことにめでたいです。

そういうわけで、今月号の『図書』は新版『広辞苑』の特集でした。

Jishotukuri興味深く今月号の『図書』を読んだのですが、巻頭記事の「<座談会>辞書作りと研究と文化と--『広辞苑』第七版改定によせて」の鼎談の内容はダメですね。

どんなところがダメなのか、についてお話します。

対談の小見出しを列挙すると、「『広辞苑』に入れる言葉」「学問の進展と科学の言葉」「言葉は若い人が学びなさい」「片仮名語と漢語」「辞書を引く楽しみ、つくる楽しみ」「辞書づくりと文化」となっています。
鼎談者は、木田章義(国語学)、斎藤靖二(地球科学)、増田ユリヤ(ジャーナリスト)です。

「辞書を引く楽しみ、つくる楽しみ」まで読み読んだところで、「なんじゃこりゃ」と思いました。

-------------
斎藤 「辞書というものの強みは、(中略)、ぱっと開いて必要なものを見るんだけれども、周りにいっぱい項目があって、その項目を見ていくと、「へぇ~」と思うような知らない言葉がいっぱいある」「そういうところが、紙に印刷されて一冊に綴じられている辞書の一番の強みじゃないかと思うんです」(後略)

斎藤 「そういうものをついでに読むと面白いのに、今はそういう時代じゃなくなっている」「『広辞苑』も電子辞書では必要な項目だけ読んでおしまいになっちゃう」「だから、冊子の『広辞苑』とは、やはり違うかなという感じがします」

増田 「一覧性があるということですね。ぱっと見ると、まったく違ういろんなジャンルの項目が目に入って、それを前後に見ながら調べられるのがよさだということですね」
-------------

そういうのを「一覧性」とは言いませんっ!

「一覧性」というのは、同質のものを並べると、個々に見るよりも理解が深まるときに使う言葉で、異質のものが並んでいるときに使う言葉ではないのです。

「一覧性」という言葉では辞書に載っていなので、「一覧」という言葉の語義を見てみると、
--------------- 広辞苑 --------------------
いち‐らん【一覧】
  (2)一覧表。全体が一目で分るようにしたもの。
--------------- 大辞林 --------------------
いち_らん【一覧】
  (2)全体の概略が簡単にわかるようにまとめたもの。一覧表。「学校―」
--------------- 国語大辞典 ----------------
いち‐らん【一覧】
    2 内容が一目で分かるように、簡明に記したもの。便覧。
-------------------------------------------
というように載っています。

「ひとめでわかる」というようなときに「一覧性」という言葉を使いますが、「異質なものが並んでいる」「(一目ではなく)より詳しく読む」というようなときには使わない言葉です。

Img_20180107_230006「ことばは自由」に使ってもらっちゃ困ります。自分勝手な意味で使ってはいけません。

私の家族から、「じゃあ、そういうときはどんな言葉で表現するの?」と聞かれました。
日本語ではそういうことを表現する言葉はないと思いますね。
しいて言えば「俯瞰性」とでも言うでしょうか。

「俯瞰」という言葉を辞書で引いてみると、
--------------- 広辞苑 --------------------
ふ‐かん【俯瞰】
  高い所から見おろすこと。全体を上から見ること。
--------------- 大辞林 --------------------
ふ_かん【俯瞰】[0]
  (名)スル 高い所から見下ろすこと。鳥瞰。
--------------- 国語大辞典 ----------------
ふ‐かん【俯瞰】
    高い所から広い範囲を見おろしながめること。鳥瞰。「俯瞰撮影」「俗界を俯瞰する」
-------------------------------------------
と載っています。

「一覧」という言葉の使い方のことですが、「一覧表」という言葉を考えればよくわかります。縦横のマス目の中に整然と項目を記入したものです。エクセルなどの表に価格と品名を記入した商品一覧などを考えれば良いです。

多数の商品を「一覧表」に並べて見ることで、ひとつひとつの商品を検討していくのと違ったことがわかってくることがあります。商品全体の傾向がつかめるとか、ほかの商品と性質を比べることで、新しい視点を得ることができます。

そういうときに「一覧」という言葉を使いますが、辞書の中の一つの語義を読んでいるうちに、横にある言葉の語義にも目が行って読んでしまうという状況では「一覧性」とはいいません。

増田さんが「一覧性があるということですね」といったあとで、斎藤先生は「そうだと思うんですが、今の教育は効率を考えちゃうから、必要十分なことだけを伝えていこうとする」と話柄を変えています。

「一覧性」の言葉の使い方が正しければ、国語学者として「そうですね」と相槌を打つのでしょうが、「そうだと思うんですが、」とあいまいに答えています。

Panf座談会といっても、活字に残ってしまいますから、国語学者の斎藤先生や「図書」の編集者は、出来上がった原稿の手直しをしておくべきでしょう。

とくにこの座談会が、日本語の基準となるべく作られた辞書に関することだからです。

国語学者とか、編集者こそ、しっかり国語辞典を引いて正確な言葉遣いに注意するべきでしょう。

それができていないなら、「広辞苑」も、岩波「図書」の編集者たちも、国語学者もエセと言わざるを得ません。

ジャーナリストの増田ユリヤは、まぁ、その程度の人なんでしょうから、罪はないと思います。

2016年12月13日 (火)

(701) 最新号の週刊東洋経済の特集は「情報」関連でした。

(701) 最新号の週刊東洋経済の特集は「情報」関連でした。

P1070219 現代の情報関連分野の巨人である、佐藤優と池上彰の特集でした。

特集の中で面白いと感じたことを書いておきます。

 

 

P1070227 池上彰の「新聞の読み方&保存法」が面白かったです。私の場合、システマチックではないですが、ほぼ同じようなやり方です。

以前に「資料の整理は難しい問題。I.新聞」ということでお話したことがあります。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/i_a713.html

私がやっている方法は、私のオリジナルではないですから、なにかの本を読んでその方法を採用したのだと思います。でも、何十年も前のことなので情報源は忘れました(笑)。

私がほかの人たちと違うのは、気が向いたときに記事のタイトルを200LXのノートテイカーに記入しておくということくらいです。200LXに情報が入っていれば、200LX上での検索で瞬時に情報源が見つかります。

このことは、「資料の整理は難しい問題。II.検索」でお話しました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2006/05/ii_6c21.html

P1070233 「日経メディカルのニュース判断を信じられるか」のコラムは面白かったです。
「あらかじめ発表内容を"ご説明"しておくと、記事の扱いが格段に良くなる」とあります。

(699)でお話した、『熟語本位英和中辞典』が日経新聞に取りあげられていたのも、そういう事情だと思います。通常のビジネスマンが興味を引くような記事じゃないですもの。なんかウラがあるのだろうと思います。

P1070240 佐藤優がつかってる各種ガジェットの写真が掲載されてます。
記事を書くのにポメラを使っているんですね。なかなか面白い。

P1070242

 佐藤優の「タブレット活用術」も紹介されています。新聞とか雑誌とかをタブレット上で読むというようなことが書いてあります。

私の場合、パソコンとかタブレット上で読むのはどうも苦手です。新聞・雑誌・書籍の形で読むほうがずっとアタマに入ります。

タブレット上で読むのは、自炊(自分でPDF化)した小説類と、ダウンロードした週刊誌の記事(pdf)くらいです。

2016年5月 9日 (月)

(668)電子書籍で読むことと、紙の本で読むこと。

(668)電子書籍で読むことと、紙の本で読むこと。

P1060558数カ月前から、個人情報管理について、とくにスケジュール管理について、まとまった話を年齢の若い友人にしています。

「人に話をするのだから、この際、自分でも個人情報管理のことを全般的に復習しておこう」と考えて、梅棹忠夫先生の『知的生産の技術』や、野口悠紀雄先生の『「超」整理法』を読み返しました。

『知的生産の技術』は、今まで何回となく読み返していて、今回が10回目くらいの通読になると思います。
どうせ何回も読み返すのだからいつでもどこでも読めるようにと、本を裁断しPDFにしてタブレット端末に入れてあります。
P1060548_2
当初、タブレット端末に入っている電子書籍の形で読み始めたのですが、どうも内容がアタマに入りにくいと感じました。
読んでいても、本の内容がクリアにアタマに入ってこないで、ベールに包まれたような感じでぼんやりとしか把握できません。
なんだか、自分の頭が悪くなったみたいな感じがしていました。

「電子書籍じゃあ読みにくいなぁ、、」と感じて、早々に紙の本に切り替えて読み進めました。
紙の本で読むと、とくに頭が悪くなったようには感じませんでした。

『知的生産の技術』に続いて、『「超」整理法』→『続「超」整理法・時間編』→『「超」整理法3』と読み進めました。

ところで、精読するときの私の本の読み方は、太い芯の鉛筆とか赤鉛筆で文を線で囲ったり、傍線を引いたりしながら読み進めます。書き込みもけっこうします。そして、通読し終わってから、重要なところを200LXに書き抜いたり、自分の考えを付け加えて書き込んだりしています。(「読書ノート」ということです)

こういう読み方は、『知的生産の技術』の107ページから112ページに書いてある方法と同じです。(いや、『知的生産の技術』に影響されて、このような読み方になったような気がします)(でも、50年も昔のことなので定かではありません)

ところが、電子書籍の形で本を読む場合は、紙の本と違って、傍線を引いたり、文を線で囲ったり、書き込みをしたりするのがとても難しくなります。そのために本の内容がアタマに入りにくいのだろうと思います。

もうひとつ、電子書籍で読みにくいことがあります。パラパラとページをめくることができないのです。
紙の本の場合、一度通読したあとで、ランダムアクセスのように重要なところだけを飛ばし読みすることができます。
電子書籍の場合は、ランダムアクセスではなくシーケンシャルアクセス的に、連続してでしか読むことができません。

それで、マンガとか小説のように、シーケンシャルアクセス的に読んでいく内容なら、電子書籍がけっこう適しているのだと思います。

他方、内容が構造的になっている本の場合は、必ずしてもシーケンシャル的に読むとは限りません。内容の立体構造のようなものをアタマの中に構築しながら、本を読んでいくことが多いように思います。

今回、『知的生産の技術』を読み返したことで、電子書籍の得意分野と、紙の本の得意分野を再認識しました。

P1060543_2ところで、数日前に日経新聞に、「デジタル教科書20年度に」という記事が載っていました。
上での考察したように、小説のようなものは電子書籍でも読めますが、教科書のような内容が構造的な本は電子書籍に適していないと思います。

そういうことでは、教科書がデジタル化されると、低学力化に拍車がかかるのではないかと心配になります。

2012年6月 7日 (木)

(590)仕事に生かす数字脳(週刊東洋経済)

Img_0814 (590)仕事に生かす数字脳(週刊東洋経済)

いつも、「200LXを使って遊べることはないかなぁ」と思っているのですが、週刊東洋経済の最新号で、「エクセルで『相関』と『回帰分析』にチャレンジ!」というコラムを見かけました。今回はそれをネタにした話です。

200LXでは、簡単に回帰分析ができるので、そのことをお話ししようと思います。

200LXで単回帰分析(最小自乗法)の計算をするには、2通りの方法があります。ひとつは、(1)金融電卓のstatを使う方法で、もうひとつは、(2)lotus1-2-3を使う方法です。

Img_0817 まずは、(1)の方法についてお話ししましょう。200LXには、統計計算用の金融電卓が含まれていますから、おそらく、エクセルを使うよりも簡単に計算できると思います。

雑誌に載っている数字を、statに入力しておきましたので、お試しになる方はデータをダウンロードしてください。「STAT.STA」をダウンロード

0000 左図は、データをstatに入力した(あるいはstaファイルを読み込んだ)状態です。

 

0001 その状態で、F8(Frcast)を押すと、相関(Correlation)が-0.85、直線の傾き(Slope)が-0.41、切片(Intercept)が639.46と計算されます。

Img_0823 上図の最下行に、Forecast model ---- LINEAR と表示されていますが、デフォルトでは、y=B+Mxが選択されているためです。(図は、200LXのマニュアルです)

 

 

0002 つまり、この直線は、y=-0.41x+639.46 という直線ということです。

 

Img_0830 雑誌記事と同じ値になっていることが、わかります。

 

 

 

 

0004 同じ計算は、(2)lotus1-2-3 でもできます。1-2-3で計算する場合は、/D(データ処理)の中の Regression のコマンドを使います。
(1-2-3では、データのポイントとグラフを、同時に表示することはできません)

Img_0819 左図は、1-2-3での計算の仕方が載っている100LXマニュアルの該当部分です。

 

 

 

 

100/200LXは文字キーのほかに、専用の数字キーがありますから、数字の計算は得意です。

この程度の計算でしたら、パソコンで表集計アプリケーションを使うよりも、200LXのほうがお手軽で便利だろうと思います。

2012年2月 8日 (水)

(585)会計HACKS! 面白いけど、計算合わない

(585)会計HACKS! 面白いけど、計算合わない

Img_3500 別の会計本を買うつもりだったのですが、面白そうな内容だったので、この本を買って読みました。

私の場合、いくら本を読んでも、なかなか会計のことが理解できません。

「簿記」とか「会計」っていうのは、私のアタマに向いていないんだろうと思います。

それと、簿記にしても、たぶん手書きで帳簿付けをしないと、本を読むだけではカラダに浸透しないんだろうと思います。

身近な家計簿とか、自社の帳簿をつけるのが、理解の早道だと思うのですが、普段からパソコンを使っていると、学習のためだけに手書き帳簿をつける気に、なかなかなりません。

以前から、そう思っていたのですが、この本を見かけたので、思わず購入してしまいました。

Amazonの「内容紹介」には、
------------------------
バランスシートをベースにした「ハック家計簿」を元に、会計知識を学びつつ、楽しくかつ実践的に資産を築くノウハウを紹介します。
企業と個人の経済活動を会計的見地から考えるとどうなるのか?個人が損しないで生きるための術が見えてくる企画です。
------------------------
と書いてあります。

本書の目次は、
1. B/S家計簿ハック!
2. 家計資産ハック!
3. 出費コントロールハック!
4. レコーディング家計ハック!
5. 投資ハック!
6. 企業分析ハック!
7. 四季報ハック!
8. 「超」家計思考ハック!
となっています。

全体を通して読んでみて、内容的にはかなり希薄です。前半は、家計簿をつける話はでてきますが、具体性に欠けるので、この本を読んだからといって、「ハック家計簿」をつけられるわけではありません。

Amazon のレビューでも

====== 引用 ======

残高ルール、おさつルール、気まぐれルールは何となくわかったが、 いざ、ハック家計簿に記入しようとすると、現金までしかかけない。
 ・クレジットカードで買って、まだ引き落とされていないものはどこに?
 ・銀行欄は定期預金と普通預金の合計額なの?別に書いてはいけないの?
 ・資産と負債の「その他」欄には何を書くの?
 ・自分の家を今売るといくらかなんてどうしたらわかるの?売る気もないのに査定とか頼めるの??
 ・レシートは溜めまくって山になっているけれど、いつ捨てたらいいの?
 ・レシートを必要、不必要に分ける、と言われても、必要なものしか買っていないと思う。(例に挙げられている無駄遣いリストには全く縁がなかった)

などなど、私には珍しく三色ボールペンまで使ってがんばって読んだのだが、 当たり前のように説明されていないあまたの事柄にいちいちつまずいてしまう。
読み物的内容の部分(地球と芸術、ラテマネーやオポチュニティコストなど)には感銘を受け、共感もしたが、 結局、めあてのハック家計簿は完成できず、会計苦手感がますます募ってしまった。残念。

====== 引用ここまで ======

と書かれてしまっています。

Img_3493 とはいえ、「ハック家計簿PDFを無料プレゼント」の読者特典が提供されていますので、PDFをプリントアウトしてハック家計簿をつけられそうな気はします。

ですが、実際にはなにかの具合が悪くて、PDFをダウンロードできないようになっています。羊頭狗肉だな。いや、狗肉もない。

本の内容全体としては、畳の上の水練みたいなもので、「なるほど、なるほど」と思うところは、何か所かありました。まぁ、参考にはなりました。

=================================

ところが困ったのが、この項のタイトルにも書いた「計算合わない」ってことなんです。

で、こんどは、その話をします。

Img_3486 173ページに「いろいろ複利計算シート」の紹介が載っています。

積立貯金の計算です。この本でも、計算サイトで計算しても、毎月の積立金額は74613円と計算されます。

0001 しかし、200LXのTVMで計算すると、同じように計算しても、75347円になってしまいます。Img_3484 (HP12Cで計算してももちろん同じ金額←当然ですが(笑))

なぜ、計算結果が違っちゃうのかなぁ、、、

 

 

Img_3488 別の計算でも、結果が違っちゃうものがあります。174ページの計算では1622万円になると書いてあるのに、

0003 200LXのTVMで計算すると、1657万円になります。

インターネットのサイトでの計算が違うのか、200LXでの計算が違うのか、それとも、なにかの前提条件(計算式とか)が違っているのだろうか?

ほかの場所の計算例では、本の計算結果と200LXの計算結果が合致していますので、著者が確かめ算をしてないんだろうと思います。

私は、つい、「200LXが正しい」って考えちゃいます、、、  ←親バカの心境です(笑)。

2012年2月 3日 (金)

(584)200LX上でのスクウェア・ブロック技法

(584)200LX上でのスクウェア・ブロック技法

前項(583)で、「紙に書いたものは検索することができない、ということがことが、私にとっては大きな問題」と書きました。

前々項(582)で紹介した本の著者がいうように、linearに項目ごとにまとめるのよりも、ブロックの形で表示するほうが、検討しやすいですし、アタマにも入りやすいと思います。

もし、200LX上で、マンダラート技法のようなことができれば、検索することができますから、データを有効に活用できると思います。

このような目的に使えるアプリケーションが3種類ありますので、そのことをお話しましょう。

0001 (1) ひとつめは、guelさんが作った、「mandala」というアプリケーションです。
200LXの画面全体に9つのブロックが表示されます。
ひとつのブロックに表示される文字数も適切で、見やすく表示されます。

ある一つのブロックを選ぶと、そのブロックを中心にした下位の9ブロックを表示させることができます。階層は8階層まで可能です。

「manala」は、私の好きなアプリケーションではあるのですが、私にとっての操作性はあまりよくありません。本格的に使うには、exkeyなどで操作性を変更する必要があります。

このアプリケーションが発表されたとき、どこかから苦情がでたようです。そのため、作者が発表を取りやめたと記憶しています。

0003 (2) 「mandala」が9ブロック表示していることが問題だったようで、guelさんは、3×4ブロックの「tree」「leaf」というアプリケーションを発表しました。

こちらのほうは、ブロックが小さいために、「mandala」よりも見にくくなってしまいました。

「leaf」の階層は5階層まで可能になっています。

「mandala」も「leaf」も、ブロックの内部を書いたり修正したりするときは、自動的にシスマネのMEMOが開いて、MEMOをエディターとして使うようになっています。

0002 (3) ふぃあさんのTODOです。これも私の好きなアプリケーションです。

本来は、TODO(しなければならないことがらを管理)のために作成されたのですが、いろんな用途に使えるアプリケーションです。画面構成も美しいですし、非常に多機能です。
こちらは階層表示ではなく、2次元配置です。

0004 TODOは、たくさんのブロック(カード)を表示することもできますし、少数のブロックだけを表示することもできます。ブロック(カード)の大きさも可変です。

(図は、3×3のブロックにして、(582)の写真をまねて入力してみました)(思ったよりも多くの文字数を表示できます)(やっぱりTODOはきれいです)

この「TODO」は、いまでも、ふぃあさんのサイトからダウンロードできると思います。
一度お試しになれば、そのすばらしさのとりこになるかもしれません(^_^)。

0000私自身は、(1)~(3)とも、頻回に使っているわけではありません。しかし、どれもすばらしいアプリケーションなので、moreexmに登録したまま、削除できないでいます。

ときどき、今回のように、起動して遊びます(^_^)。

2012年2月 2日 (木)

(583)「創造性を高めるメモ学入門」でのマンダラート技法

(583)「創造性を高めるメモ学入門」でのマンダラート技法

P1040849  前項でお話しした「マンダラート技法」というのは、「創造性を高めるメモ学入門」(今泉浩晃著)で紹介・説明されている方法です。

 今回、前項「(582)日本人はなぜ株で損するのか?で紹介されているSBL」http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/582sbl-e771.htmlを書くために読み返してみました。

 この本は、著者の強い思い込みが、至るところに書いてあります。非常に読みにくい本です。著者の独善と偏見、強い思い込みの考え方が、ページを繰るたびに目に入ってくるので、不快の念を抱きながら再読しました。(読んで不愉快になるので、二度と読みたくなかった本です)

 本は、非常に読みにくいのですが、この本で提唱されているマンダラート技法そのものは、けっこう面白い方法論です。

P1040865  この技法を使うのために、著者は、「マンダラート手帳」というものを売り出しています。(左写真)

 ここで、簡単にマンダラート手帳のリフィルの使い方(記入の仕方)について、お話ししておきましょう。

 1. 1枚のリフィルで、1種類のテーマを扱います。
 2. テーマを真ん中のスペースに記入します。
 3. 中央のマス目の下から始めて、「テーマ」に関係することがらを、残りの8つのスペースに記入します。

 この方法論を採用することで、考えがまとまったり、アイディアが湧いてきたりするとのことです。

 私が、実際に、マンダラート手帳を手にしたときには、書き込めるスペースが小さいために、「使いものにならないなぁ、、、」と感じました。
 人によっては、このリフィルの大きさでも、案を練ったり、考え方をまとめたりできるのかも知れません。

 このマンダラート手帳の価格は、けっこう高かったと思います。

 私もちょっとだけ使ってみたのですが、書き込めるスペースが小さいために、愛用するという状況にはなりませんでした。

 それと、デジタルなテキストファイルと違って、書いたものを検索することができない、ということがことが私にとっては大きな問題でした。

 紙ベースの個人情報システムだと、情報が多くなればなるほど「紙」がたまっていきます。

 しかし、せっかく情報を蓄積したとしても、、検索ができないのですから、その情報を有効に活用できないように思います。

2011年6月27日 (月)

(546)あまり考えもせず本を買ってくるのも良くないなぁ(反省文)

(546)あまり考えもせず本を買ってくるのも良くないなぁ(反省文)

今回は、失敗の話です。

以前、(243)Amazonの書評を読むのも読書法といえるかも知れない
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2008/05/243amazon_7109.html
 で、「Amazonの書評」が本選びとか読書の助けになることをお話ししたことがあります。

(266)週刊東洋経済「最強の読書」(7)書評ブログ
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/2667_b809.html
 で、読むべき本を探す方法についてお話ししました。

 簡単にまとめると、(1)新聞の書評がたよりになる、(2)新聞の新刊広告もたよりになる、(3)Amazonのお勧め図書も参考になる、(4)本屋さんの店頭で本を選ぶのがメインの方法だ、ということです。

 その後、「週刊ダイヤモンド」だけじゃなくて、「週刊東洋経済」も定期購読するようになったので、(5)週刊誌の書評も本を選ぶ参考にしています。

 以上のほかに、(6)出版社のPR雑誌も本を選ぶ参考にしています。

 私が大型本屋さんでもらってくるPR雑誌は、岩波書店「図書」、新潮社「波」、筑摩書房「ちくま」、平凡社「百科」、講談社「本」、ダイヤモンド社「Kei」などです。本屋さんで無料配布される日はほぼ決まっていますので、200LXのアポイントに配布日をrepeatで記入してあります(笑)。

 さて、今回の失敗のことです。私は、週に1~2回、大型本屋さんに行きます。先日、面白そうな新刊本を見かけたのですが、立ち読みする時間がなかったために、内容をじゅうぶん把握せずに数冊の本を買ってしまいました。

Img_0222  読んでみて、「買って損した。読んで損した」と思ったのは、「本物の医師になれる人、なれない人」(小林公夫著)PHP新書です。

 読後、不愉快だったので、Amazonのカスタマーレビューにアップしておきました。(アップ内容「homono8.txt」をダウンロード  )  もう一冊、「面白いかなぁ」と思って買って、つまらなかったのが、「名投資家の金言」(泉正人)PHPビジネス新書です。(あ、2冊ともPHPだ!)

Img_0221_2  この本は、「個別銘柄の株を買ってお金持ちになりましょう」という姿勢で書かれています。本の最初に、「目標はできるだけ高く設定し、さらにその上を目指し続ける」とあります。「まず、年収の10倍を目標にすべき」と書いてあります。

「分散投資じゃなくて、焦点を絞って投資する」というのが、この本での基本的な考えかたです。私は、普通の人にとって、この考えはかなり危険だと思っています。

でも、まぁ、内容的には、面白くないところばかりでもありませんでした。

とくに共感を覚えたのは、「数字は世界共通語だ」という言葉です。この本では、「数字の見方、決算書の読み方を理解しておく必要」があると書かれています。

でも、私は200LXのことを思い浮かべて、「うんうん、表集計ソフトを持ち歩く必要があるな」と、著者の主張とぜんぜん違うことを考えてました(笑)。

読後の印象としては、このことがいちばん印象的でした。

より以前の記事一覧