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カテゴリー「3. 人生設計と投資」の71件の記事

2020年7月26日 (日)

(866)HP200LXでの退職金の税金計算.エクセルでも計算できるか.

(866)HP200LXでの退職金の税金計算.エクセルでも計算できるか.

同業者のクローズドサークルで、個人事業主が得か法人成りのほうが得かという議論がありました。

私の事務所は、総合的に考えると法人で運営するほうがメリットが大きいと考えて、個人事業から法人に切り替えてあります。

「損か得か」という要素の一つに節税のことがあります。「高額の給与分は法人の内部に保有していおいて、退職金として受け取るほうが、納税額が少なくなるので得だ」という話があります。

私は、給与として受け取るほうが有利だと考えて、退職金で受け取ることは想定していません。

「損か得か」ということは、単純に給与として受け取るときの納税額と、退職金として受け取るとき納税額を比較するだけでなく、資産の運用の仕方でも大きく変わってきます。

いずれにしても、退職金として受け取るときの納税額をシミュレーション計算できなくては、損得の比較ができません。

そこで、簡単に計算できるようにLotus123の計算シートを作りました。ダウンロード - taishoku.lzh

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上図のように、「勤続年数」と「退職金支給額」を入力することで、税引き後の受取金額を計算します(赤い文字)。
ついでに受け取り金額は支給額の何%にあたるかも計算しました(青い文字)。

シミュレーション計算をしてみると、税金がかからない(あるいは、税金が極少額の)範囲の金額を退職金として受け取って、それ以上の金額は、毎年の給与として受け取る方式が、もっとも有利だろうと考えるようになりました。

Lotus123のwk1ファイルはWindowsのOpenOfficeに読み込めますので、OpenOfficeで今回の計算ができるかを試してみました。やってみると、高額の退職金では正確に計算できますが、税金がかからない少額の場合はエラーになってしまいます。ダウンロード - taishoop.lzh

OpenOfficeのファイルをエクセルのファイルに変換してみても、計算できることもエラーも同じです。計算式をちょっと手直しすれば機能すると思いますので、時間のあるときにでもエクセルで機能するように修正しておこうと思います。

2020年7月23日 (木)

(865)老齢厚生年金の迷路.やっと出口に到達しました.(これも終章)

(865)老齢厚生年金の迷路.やっと出口に到達しました.(これも終章)

私が若いときには、「どうせ年金なんてほとんどもらえないんだろうから、払い損になるんだろ!」と思いながら、年金を納めていました。若いときには皆さん同じように考えると思います。
70歳になっての感想は、「ああ、『年金』ってこんなに支給されるのか!」と思っています。

しかし、出口(支給額が完全に確定)に至るまでは、いろいろな調整が必要でした。
自分としては、支給額が最大になるように、せいいっぱい計算して対処してきました。

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70歳になると支給額は完全に確定するので、もう、くふうのしようもありません。あとは、給与額を調整して「支給停止額」をゼロにし続ける方法しか残っていません。
  
上の画像は、今年(令和2年)6月1日付の私の「年金額改定通知書」です。基礎年金も厚生年金も「年金停止額」がゼロ円にすることができました。

ところでインターネット上には、どうやったら年金支給額を増額できるかという(自称専門家の)不正確・無責任な情報があふれています。しかし、このようにやって支給額を増額できましたという実例は見かけたことがありません。

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このような本にはかなり詳しく記載されていますが、こんがらがった何本もの糸をたぐっていくかのように、いろいろ計算する必要があります。計算できるエクセル表でもあると良いのですけどね。自分でするなら、私のように表集計とかsolverで計算するしかないと思います。
図では、「70歳までなにもしないと」と書いてあります。逆に言うと、70歳で確定して、それ以降は調整のしようがないということです。

そういうこともあって、私の迷いながらの軌跡のことをお話しようと思います。どなたかの参考になれば幸いです。(この項のいちばん下に、「年金」関係の項目のリストをあげておきますので、興味のある方はご覧になってください)(また、ご質問などありましたらコメントでおたずねください)

さて、

(0) 国民基礎年金・厚生年金ともに、自分で掛け金を調整することはほとんどできません。わずかに付加保険料を納めることで増額することができます。(これはかなりお得な制度です。しかし、idecoとの調整が必要になるのがうっとおしいです)

(1) (生まれた年度によって違うと思いますが、私の生年では)65歳になったときに、支給される老齢年金額がいったん確定します。

(2) そして、70歳になると老齢年金支給額が完全に確定します。

(3) 自分が死ぬと、厚生年金支給額の3/4が遺族厚生年金ということで、配偶者に引き継がれます。(支給全額の3/4ではないようですが、詳しいことは調べてもわかりません)

タイトルのように、私が「老齢厚生年金の迷路」というのは、上の(1)と(2)の間です。65歳から70歳の間に支給額の増額の余地があります。

では、実際に、どれくらい増額できたのか?ということをお話してから、迷路を通過するための「ポイント」についてお話しましょう。

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上の図は、昨年(69歳)の6月1日付の私の「年金額改定通知書」です。赤丸で囲ったように、「支給停止額」が5.6万円発生しています。

写真の記録はないのですが、平成29年の「通知書」では、基礎年金65.5万円、厚生年金113.4万円、合計で179万円だったと思います。

冒頭の図の今年の「通知書」では、基礎年金65.8万円、厚生年金139.3万円、加給年金39万円、合計で244.1万円となっています。

65歳から70歳の5年間では約65万円増額されていることになります。
ということは、90歳まで20年間生きるとしたら、受取額は3588万円から4882万円へと、1302万円も多く受け取ることができるということです。
年額だと65万円、一ヶ月あたりでは5万4千円、倍率でいうと1.36倍多くもらうことになります。
(私の配偶者が若いという特殊な要素も加わってのことです)

次に、その増額のポイントについてお話しましょう。

(A)老齢年金を繰り下げる、(B)加給年金を含めて考える、(C)70歳まで働いて、年金払い込みを増やす、などがポイントです。逆に、マイナスにならないように注意するポイントもあります。(D)給与が多額だと、支給停止額が発生するということです。支給停止額をゼロになるような給与で働く必要があります。

以上の(A)から(D)までのことをもう少し詳しくお話します。

(A)「老齢年金の繰り下げ」のことでは、私は手探り状態で繰り下げしました。でも、しないほうが良かったと後悔しています。このことは、「(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい」でお話しました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/709-0f69.html

インターネットや新聞では、「給与収入があって、当面年金に頼らずに済むのなら、将来の年金額を増やすことを優先してもいい」といわれています。

しかし、実際に繰り下げした人の、「繰り下げ受給を選んだら、結果的に年金受給額が多くなって良かった」という話は見たことも読んだこともありません。

65歳から70歳まで繰り下げするか、あるいはまったく繰り下げしないかの損得を計算してみると、繰り下げの効果がでてくるのは80歳を過ぎてからです。損得はそれくらい拮抗しています。
だったら、わざわざ繰り下げする必然性はないです。もらえるなら状況なら、65歳から普通にもらうほうがよいです。私は繰り下げして失敗しました。

とくに注意が必要なことは、繰り下げ期間中に給与が多額だと、繰り下げ効果がなくなるということです。これについての詳しい計算方法はブラックボックスです。働いて給与所得を得ていながら繰り下げして、「これで年金の受取額が増額される」と期待していても、70歳になって繰り下げ効果がなかったと後悔する可能性が多分にあると思います。

日本は「年金をもらいたければ働くな!」というシステムになっています。「働いて給与を得たら罰として年金を取り上げる」というような構造です。

日本では、年金なんかもらわなくてもじゅうぶんな老後を送れるくらいに多額の資産があるか、あるいは仕事をせずに年金をもらって、動物園の動物のような檻の中で行きていくかを選ぶことになるでしょう。

もし、仕事をして給与を得ながらも年金をフルに受け取ろうと考えるなら、私のように細かく計算するか、あるいはコンサルタント料を払って、専門家に計算してもらうという方法をとるしかないと思います。

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(B)「加給年金」は、年金の繰り下げするともらえません。あとからもらうということもできません。ですから「加給年金」がもらえる状況なら、繰り下げせずに「加給年金」をもらうべきだと思います。

上の図は、一昨年(68歳)の6月1日付の私の「年金額改定通知書」です。赤丸で囲ったように、「支給停止額」が25.8万円も発生しています。「繰り下げ受給は損だ!」と気づいて、繰り下げをやめて「加給年金」を受け取るようにしたのですが、すぐには給与額の調整ができませんでした。
そのために、多額の支給停止が発生しています。

私は、「繰り下げ」を選択したときに「加給年金」の支給のことを真剣に考えていませんでした。それが失敗の元だったと思います。(ネットで検索しても、そういう「注意」は見つけられませんでした)
  
以上のように、最適給与額を計算して、支給給与額を変更して、やっと冒頭の図のように、今年になって「支給停止額」をゼロにすることができたわけです。

(C)65歳から70歳まで仕事をして給与を得ることで、厚生年金を積み増しすることができます。このことは、私のように受け取り年金額の増額に大きく関係します。支給停止額が発生しない範囲で、最大額の給与をもらって勤務を続けるのがよいのです。

むしろ、年金受取額を増やすには、「この方法しかない!」というくらいに重要なポイントです。

(D)給与額が高ければ、そのぶん厚生年金の積み増し額が増えます。
それによって生涯の受取額は増えるのですが、逆に、支給停止が発生して現在の支給額が減額されます。ですから、しっかり計算して自分の最適給与額を算出して仕事をする必要があります。

この「最大限の給与額」については、「(793) 70歳以降、年金カットされない給与の最高額を計算してみる」でLotus123で計算シートを作ったことをお話しました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-5d90c3.html

※法人の役員をしている場合の注意点があります。

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上の図は、「年金、大損していますよ」の本の裏表紙です。
「支給停止」にあとで気づいても1年ももらえない、とあります。
  
法人の役員給与を得ている人が、支給停止額をゼロにしながらも最大限の給与を受け取りたいと考えても、法人の役員給与額は年に一回だけしか変更できません。そういう縛りがあるために、支給停止額がゼロになるような給与支給額を設定するのがかなり難しいことになります。私の場合は支給停止額をゼロにはできませんでした。支給停止額が発生してしまったことはとても悔しいです。情報不足なのか、情報検索能力が低かったのか、、、

(しかしこれにはウラワザがあります)(役員給与のほかに役員賞与を設定して、支給の時期をずらす方法です)(このウラワザはシロウトには難しいと思います)(しかるべき手数料を払って、専門の社会保険労務士に頼むしかないと思います)

★ 迷路の「出口」に達してから、、、

70歳になって最後の支給額が最終確定したら、あとは支給停止が発生しないような給与額を計算して、むだなく年金を受給することになります。

そのことは、「(793) 70歳以降、年金カットされない給与の最高額を計算してみる」でお話しました。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-5d90c3.html

この計算は比較的簡単です。
私の場合、毎年1月が役員給与の改定時期に当たりますので、今年の年末になってから、支給停止額がゼロになる範囲での最高給与額を再計算しようと考えています。

  


----- 過去の記事と要約 -----

(653)Lotus1-2-3で、インフレ下での年金の現在価値を計算する
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/623.html
 84歳以上長生きすれば、繰り下げ受給のほうが受給額が多いということがわかります。
 私の場合、給与額をいくらにするかは、さらに別の複雑なシミュレーションをする必要があるのですが、とりあえずは繰り下げせずに、通常の65歳から年金を受給するほうがお得とわかりました。
 
(654)Lotus1-2-3で、年金を運用した場合の将来価値を計算する。
 http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/654lotus1-2-3-2.html
 もし2%のインフレの追い風があれば、それに加えての運用利率は2%でよいですから、今回の結果からも、繰り下げないほうがお得と思います。
 私の場合、(経験的に)10%近くの利率で運用できると考えていることもあって、繰り下げ受給せずに早めに年金を受給するほうがお得ということになります。
 私は、「繰下げ受給せずに」65歳から年金を受給しようと思います。

(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/709-0f69.html
 かなりヤバいというのは、「繰り下げ受給」すると得するどころか、損する(一部受給できない)可能性があるということです。
 ネットで「繰り下げ受給」のことを検索してみても、「繰り下げ受給を選んだら、結果的に年金受給額が多くなって良かった」という話は見かけたことがありません。
 図の新聞に「給与収入があって当面、年金に頼らずに済むのなら、将来の年金額を増やすことを優先してもいい」と書いてあるように、給与が多かったので、65歳の時点では「繰り下げ」することにしました。(これが失敗の元でした)
(この切り抜きには「繰り下げを選ぶ人の比率はわずか1%」とあります)(99%の人は私とは違って正しい選択をしているんですね)
 結果的に、「繰り下げ受給」という私の選択は失敗だったと思います。

 以下をお読みください。繰り下げ需給は損します。
 ====================
 年金は70歳受給開始にすると42%も増えるが、手取りは33%しか増えな
 政治・経済 老後のお金クライシス! 深田晶恵 2018.2.21
 http://diamond.jp/articles/-/160670?page=3

(724)年金所得控除と給与所得控除を考える.lotus123の@vlooup関数を使う.
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/724lotus123vloo.html
 この計算結果をみると、たしかに年金受給者は優遇されていることがわかります。
 
(742) HP200LXのsolverで年金支給停止額の計算式を作った。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/742-hp200lxsolv.html
今回の給与額の調整をしておいて、翌年度の年金の明細で支給停止額がゼロになっていれば、それ以降は金額の調整をしなくてもよいと思います。
 仕事を続けているかぎり、70歳以上についても同額の給与を支給しようと考えています。

(786) 加給年金も含めて計算してみると、繰り下げ受給では損することになる。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-c0ae3b.html
 記事のメインは、「保険料は何歳まで払う?」「年金は何歳から受給?」ということでした。
 ファイナンシャルプランナーなどの多くの人が、「繰り下げ受給が得」というようなことを言っています、配偶者がいる人の場合は「 繰り下げ受給が『損』」となるのが一般的です。

 2019年5月12日の追記]
 日経マネーの2019年6月号を書店で立ち読みしました。
「特集2 年金の一番得するもらい方」が、とてもよくまとまっている記事だと思います。

 内容は以下の通りです。
・年金の一番得するもらい方 現役時代から知っておきたい
・受給開始年齢引き上げはある? 年金の最新動向を押さえよう
・年代&働き方別にもらえる年金額を予測
 ライフスタイルで差がつく 「65歳時点の年金・月額」
・見込み年金額が分かれば的確に人生設計が描ける 「ねんきんネット」 を活用しよう
・年金の繰り上げ ・ 繰り下げのメリットとデメリットを知る
 受給開始は60~70歳の範囲で選択可能
・お得な受給開始タイミングを検証! 生涯受給額&手取り額も要チェック
・働き方を工夫すれば年金は増やせる! 「68歳まで働き受給繰り下げ」 が王道?
・年金受給時期と仕事のバランス お金のプロ3人が語る

(791) 週刊東洋経済「年金大激震」特集は、あまり参考になりませんでした。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-2608e1.html
 老後の生活にしても年金の支給額にしても、人によって大きく違いますから、平均とか代表例で議論すること自体に、あんまり意味がないと思います。
 
自分自身の年金問題に取り組むには、自分に関連する年金のシステムや金額について、わかっている最大限の情報をもとにして、自分用のライフプランニング表を作る以外にないと思います。
 
個人の年金問題は、自分ごととして取り組まなければ意味がないと思います。代表例について多い少ないと騒いだからって、自分の将来が安泰になるわけではないです。また、老後の生活について、国や制度が何とかしてくれるだろうという他力本願では、精神的・肉体的・金銭的に豊かな老後を迎えられるはずがないです。
 
 「老齢年金」は、込み入った制度的なので、受取額を簡単には計算できません。
 もし、65歳からの受取額をとりあえずの計算できたとしても、(1)繰り上げあるいは繰り下げするかどうかという問題があります。それに絡んで、(2)加給年金を受け取る場合の総合的な損得の問題がでてきます。年金だけで暮らしていくわけじゃないですから、(3)ほかの収入を考慮に入れる必要が出てきます。(4)総合的に、所得税・住民税・社会保険料も加味して検討する必要があります。
 
(793) 70歳以降、年金カットされない給与の最高額を計算してみる。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2019/07/post-5d90c3.html
 私の場合、「これくらいの給与なら支給停止にならないハズ」と計算したのですが、間違っていたため老齢厚生年金の一部が支給停止になっています。とてもくやしいです。

 制度的には、65歳~70歳の間に給与を支給されている場合は、一方で老齢厚生年金を受け取りながら、他方で厚生年金保険料を納入します。しかし、70歳を契機に保険料を納入する必要がなくなります。そして、65~70歳の間に納入した保険料ぶんが加算されて、70歳以降の老齢厚生年金支給額が決まります。

 その計算をしようと思って、200LXのsolverで計算式を作りかけたのですが、年金制度があまりに複雑なので計算式を作ることができませんでした。Lotus123で計算シートを作りました。

 60歳以後も厚生年金に加入すると、65歳まで働いた分が65歳以降の年金に70歳まで働いた分は70歳以降の支給額に反映される。加入期間中は保険料を負担することになるが、働いた分だけ、将来の年金が増えるのである。

2020年7月19日 (日)

(863)ふるさと納税限度額の計算前に、所得を計算する(終章).

(863)ふるさと納税限度額の計算前に、所得を計算する(終章).

(858)ふるさと納税の限度額の概算.lotus123の計算シート.でお話した計算シートを使うことで、ふるさと納税の限度額が計算できるわけですが、そのためには「課税される所得金額」を計算しておく必要があります。

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サラリーマンで収入源が給与所得だけの人は、面倒な計算を自分でする必要はありません。インターネットのふるさと納税サイトで簡単に計算できます。

ところが私のように複数の収入源がある場合には計算がかなり面倒です。とくに老齢年金が支給されている人では複雑です。ちょっとその複雑さのことをお話しておきます。

1. 老齢年金では、65歳未満と65歳以上で、年金所得控除の率と控除額が分かれます。
2. この数字は、その年度によっても増減があります。
3. さらに70歳以降は厚生年金の納入がなくなります。そのため給与の支給金額が増えます。
4. 年度によって、老齢年金支給の金額自体も変ってきます。

そういうことで、老齢年金の計算そのものが、けっこう複雑です。

さらに、
5. 給与所得の方は年齢による違いはないのですが、控除額が変わったりします。

そういうことが重なってきますので、「課税される所得金額」の計算だけでも、ひとすじ縄ではいきません。
ましては、不動産収入が加わったりすると、もっと複雑になります。

私は税理士ではないので精密な計算はできないのですが、それでも納税額のめやすだけでもつけておきたいと思っています。

今回、「課税される所得金額」を計算する自分用の計算シートを作りましたので、そのことをお話します。
私の計算シートは(自分がそうなので)65歳以上の所得控除率と控除額で計算します。
(でも、ついでに作った65歳未満用の計算シートも合体してあります)ダウンロード - full65.lzh

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上の図は、65歳以上で厚生年金の支払いがなくなった状態の金額です。
表の中の金額は参考のために入力した金額です。
直接、私自身の収入金額を入力してあるわけではありません。
単位は万円単位で、すべて1年間の金額です。

給与支給の金額は341万円、(公的)年金支給額は266万円としてあります。ほかに不動産収入を356万円と入力しました。
給与所得控除や年金所得控除を計算して、税金計算の元になる給与所得と年金所得は、それぞれ220.7万円と156万円となります。
不動産所得とは家賃収入のことで、356万円としてあります。不動産の必要経費は管理費などのことで26.5万円としてあります。
この表の外(右側)に株式配当金8.1万円を入力してあります。
社会保険は、健康保険料と厚生年金保険料(70歳以上ゼロ円)の合計です。

これらを合計して、課税所得417.76万円が計算されます。この数字が「ふるさと納税」の限度額の計算に使われます。

所得税41.66万円、住民税41.78万円、最終的な手取り金額の742.46万円も計算しました。

ついでなので、(下の図のように)ほとんど同じ条件の65歳未満の計算シートを作りました。

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こちらでは、課税所得が378.73万円と少ないです。厚生年金保険料の支払いがあることと、老齢年金の控除額が少ないことが原因です。
その結果、所得税33.69万円、住民税37.87万円と、納税額も少ないです。
そうして、最終的な手取り金額も(70歳以上と比べると)644.26万円と少ないです。

2枚の計算シートで最終的な手取り額を比べてみると、70歳未満だと644.26万円なのに、70歳以上では742.46万円となって、約100万円も増えています。これは、約70万円の厚生年金保険料がゼロになって、年金控除額が20万円増えているためです。

それにもかかわらず、ふるさと納税の限度額は、((858)の計算シートで計算して)10万3700円から11万7000円と1万3000円も増えます。

70歳以降も仕事をして収入があると、年齢が1歳違うだけで手取り金額が100万円も増えて、ふるさと納税の限度額も1万円以上大きくなるのですね。
だったら、健康が許すかぎり仕事を続ければいいのにと思いますが、70歳以降も仕事をしている人は20%くらいだそうです。
もったいないと思います。

この項で、「ふるさと納税」の限度額の計算についての話は終わりです。

2020年6月17日 (水)

(846)最終的にどの程度のインフレで納まるだろうか

(846)最終的にどの程度のインフレで納まるだろうか
 
2020年6月12日の日経新聞に、私としては非常に興味深い論文が掲載されていました。
齋藤誠という名古屋大学教授の執筆した「危機時の財政金融政策(中)」「『物価高騰で収束』シナリオも」という論文です。
Img_20200612_210858  
新聞にポイントがまとめられていますので以下に引用します。
=======引用=======
・旺盛な貨幣需要が膨大な国債の受け皿に
・ゼロ金利維持困難なら物価上昇は不可避
・物価2倍でもハイパーインフレとは違う
==================
 
「ポイント」を読んでもすぐには理解しにくいです。
 
そこで、本文から恣意的に引用します。
=======引用=======
・マイルドなインフレが生じるやいなや、ゼロ金利の維持は困難となる。
・短期金利がプラス0.5%を超えれば、これまで統合政府債務の受け皿になっていた旺盛な貨幣需要は急激に縮小する。
・貨幣需要が一瞬に減退しても、統合政府債務の残高は即座に縮小できない。そこで物価水準が上方にジャンプし、名目GDPが瞬時に拡大することで、膨大な統合政府償務が、縮小した貨幣需要の範囲に収まる。
・いったん物価水準がジャンプした後は、マイルドなインフレと数%の金利水準で推移するだろう。
・物価水準はどのくらい上昇するのか。
・紙幣・法定準備の名目GDP比は既に2割を超えるが、短期金利が0.5%を超えると、その比率は超低金利前の1割弱の水準に縮小を迫られる。それを物価上昇で調整する場合、物価水準は一挙に2倍強高騰する必要がある。
・だが注意すべきは、この状況は決してハイパーインフレではないことだ。
・これが税によらない国家債務返済の実像だろう。残念ながら、シナリオがどのようなタイミングで起ぎるのかを予測することは難しい。
・しかしこうした「まさか」の可能性も考慮することは非常に重要だ。ハイパーインフレでもない、財政破綻でもない、しかし相応に大変な物価調整という性格を正しく認識すれば、適切な政策対応も十分に可能だろう。
==================
齋藤先生、日経新聞さま、こまぎれに引用してすみません。(_O_)(ぺこり)
 
本屋さんで経済論壇の棚を見ると、いろんな著者の「日本は財政破綻するぞ」「ハイパーインフレになるぞ!」「円の大幅な通貨切り下げになるぞ」「預金封鎖されるぞ」というような本がたくさん並んでいます。
でも、どの本を手にとって内容を読んでみても、理論的な背景は書いてなくて、たんに「オバケがくるぞ!」「オバケは恐いぞ!」程度の内容がほとんどです。
 
私自身はマクロ経済学のまったくのシロウトなのですが、自分の生活の先行きが心配です。
それで私なりにどれくらいの円安、物価高騰になるのかを計算してみたことがあります。
「(766) 日本が財政破綻すると、どれくらいのインフレになるのだろうか?」
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2018/11/766-aaa7.html
 
ここでお話したのは、
「日本でこれから起こると予想されるインフレは、そういうインフレ・ハイパーインフレとは惹起するメカニズムも違うのではないかと思います」
「そのように考えてきて、この項の冒頭に書いた「1ドル400円くらいの円安にはなるだろう」というのは、せいぜい1ドル200円の円安程度にしかならないんじゃないかと考えを改めました」
「もしかしたら、1ドル150円程度の円安とそれに伴うインフレくらいで財政破綻が回避されて、積み重なっている巨額の赤字もその後徐々に解消されていくのではないかと考えるようになりました」
といようことでした。
 
もっと簡単にいうと、「ハイパーインフレにはならないだろう」「1ドル200円程度の円安で落ち着くだろう」ということです。そしてインフレのことも(1ドル200円に見合う程度の)2倍程度の物価上昇だろう、ということです。
 
今回、この齋藤先生の論文でも、2倍程度の物価上昇と数%程度の金利水準で推移するだろうと書いてあります。
 
私のシロウト推計方法と、専門家の齋藤先生の計算では、方法もレベルもまったく違いますが、「ハイパーインフレにならない」「2倍程度の物価上昇」という結論はだいたい同じです。
 
齋藤先生の論文を読んで、「やっぱりその程度の物価上昇で落ち着くだろうな」「それに対応できる程度の備えをしておけばいいな」とあらためて思いました。

2020年4月27日 (月)

(828)stay home(新型コロナウィルス)で時間があるので遺言書作成

(828)stay home(新型コロナウィルス)で時間があるので遺言書作成
   
以前に、『いますぐ遺言書を書きなさい』 (マイナビ新書)に関連して、遺言書を作っておくのにかなりの費用がかかる、ということをお話したことがあります。「(764) 遺言書作成を弁護士に依頼するのは、ずいぶん高額
そのときに、ネットで検索すれば、リーズナブルな金額で自筆遺言書の添削をしてくれる法律専門家を見つけることができるということもお話しました。
   
私自身は、2000年ころにはじめて自筆遺言書を作成しました。
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 2012年ころに再作成して行政書士に添削してもらいました。
   
その後も、「書き直さなければなぁ、、」と思っていて、2016年にワープロ上では再々作成したのですが、自筆での作成をしないままで中途半端の状態になっていました。
   
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現在は、新型コロナに関連して仕事を午前中だけに制限したため、かなり時間な余裕があります。いつ新型コロナで死ぬかもわからないので(笑)、遺言書を見直しておくことにしました。
   
上記の「(764) 遺言書作成を弁護士に依頼するのは、ずいぶん高額」でもお話しましたが、大型書店で遺言書作成に関しての本を探しても、ほとんどの本は実用的ではありません。
私自身、何種類もの本を買ったはずですが、書庫に見つかりません。たぶん読むこと自体が時間のムダと考えて捨ててしまったのだと思います。
参考になる本は少ないですが、経済週刊誌(週間ダイヤモンドや週刊東洋経済など)の特集記事は参考になると思います。バックナンバーを探して見てください。
   
以前にもお話しましたが、遺言書のほかに「不動産や金融資産の財産リスト」もワープロで作っておくのが良いと思います。
リストが作ってあれば、遺族の手間をはぶくことができます。
   
遺言書というのは、本人が死んだ直後のためではなく、数ヶ月してからの処理のためです。
ですから、本人が死んだ直後の葬儀のことなど書いても意味がありません。
葬儀などの死んだ直後のためには「エンディングノート」を作っておくのが良いと思います。
Img_20200427_175407 どのような形式の葬儀にするか、だれに連絡を取るかなどのことです。
また、病気で意識がなくなったときにどのように扱ってほしいか(尊厳死のこと)なども、「エンディングノート」に書いておきます。
(エンディングノートのことは、上記の「(764) 遺言書作成を弁護士に依頼するのは、ずいぶん高額」から見ることができます) 
   
人生というのは、すべてが思い通りに行きませんね。
想定外のことがつぎつぎに起こります。 
長い人生では悔やむことばかりです。
   
そういうことでは、エンディングノートを作っておいても、そうそう順調には処理できないと思います。
でも、残された遺族がなるべく苦労しなくてすむように、前もって準備しておきたいです。
誰でもがいつかは死ぬのですが、死ぬときは前のめりにかっこよく死にたいと思っています。

2020年3月 9日 (月)

(825)いつ、退職金で金融商品を買うのが良いのか?

(825)いつ、退職金で金融商品を買うのが良いのか?
前項の「(824) 退職金は、一括で投資するか? 分散して投資するか?」で、大きく2種類の投資方法が提示されているとお話しました。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2020/03/post-cf4eb5.html
  
A. いつでもいいから、思いついたときに買う。(山崎元)
B. 1年くらいかけて時間分散して買っていくのがいい(ドル平均法)。
  
しかし、
C. 私は以下のように、別の考えを持っているとお話しました。
 1. 大幅に下落するのを待ち構えて買う。
 2. 何段階かに分散して買う。
 3. 高値になったら売却して現金で保有する。
 という方法です。
  
このことを考える前に、以前のお話を思い出してみます。
  
(818) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する」で、
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-7cae10.html
---------
楽天証券の記事にあるように、「全金融資産1億円に対する期待リターンは年率1.66%」と計算されています。(K12)。
また、「加重合計して求めた全体のリスク値は11.5%だ」と同じ11.5%と計算されています。(J12)
「想定される最大の損失が21.34%である」(L12)と同じ21.34と計算されています。
---------
この楽天証券の記事ある「リターンは年率1.66%」「全体のリスク値は11.5%」「最大損失は21.34%」ということを言い換えると、
「その金融商品の1年間の増加率が1.66%」「その金融商品の標準価格の標準偏差が11.5%」「最大損失額=平均増加率-標準偏差×2」ということです。
逆に最大増加率=平均増加率+標準偏差×2」ということですね。
  
Sigumakukan300x166
さらに別の言葉で言うと、金融商品の標準価格が正規分布すると仮定した場合、標準価格が1σ 区間におさまる確率は約68.27%で、2σ 区間におさまる確率約 95.45%ということを元にしています。
「最大損失」というのは、95%までの確率でおさまる損失のことを言っています。
  
だから、上記の金融商品の最大損失額というのは、1.66-11.5%×2で、最大利益額というのが1.66+11.5%×2ということになっているわけです。
(以下では、「金融商品の価格」を「株価」と言い換えます)
  
そのため、Aの「思いついたときの価格」で投資した場合に、「最大損失額=平均増加率-標準偏差×2」を覚悟しておくべきだということになります。また、「最大増加率=平均増加率+標準偏差×2」の最大利益を期待できるということです。
でも、「なるべく損失を避けたい」「なるべく利益を大きくしたい」と考えるのが人情でしょう。
そういう方法はあるんでしょうか?
  
山崎元氏は正規分布での話をしているんですから、正規分布の上で損失を避けて利益を極大化する方法を考えてみます。
  
2years
この図は米国S&P500株ETFの2年間の株価のグラフです。

理屈の上では株価は95%の確率で2σ区間に入りますから、たまたま2σ区間の外になっている下限のときに買って、2σ区間の外になっている上限のときに売れば、最大の利益を得ることができますね。
  
このグラフでいうと、がくんと下がっているときに買って、上がっているときに売るということです。
  
じゃあ、その上限の2.5%と下限の2.5%になることはどれくらいの頻度であるんでしょうか?
うまく、そのときに買うことができるんでしょうか?

2020年3月 5日 (木)

(824) 退職金は、一括で投資するか? 分散して投資するか?

(824) 退職金は、一括で投資するか? 分散して投資するか?
   
サラリーマンが退職して退職金を受け取ったとき、それをどのように運用したらよいかというのは大きな問題です。
私がもっとも妥当だと思う方法は、山崎元が「DIAMOND ONLINE」で「金融機関のカモになる前に知りたい『退職金を正しく扱う4原』決定版」として説明している方法です。 https://diamond.jp/articles/-/227131
4princip 

内容は、
 ----------
 退職金運用の4原則・決定版
【原則4】配当・分配金にこだわらない
【原則3】お任せ運用にしない
【原則2】金融機関に相談しない
【原則1】使いすぎない
  もちろん、退職金以外のお金の運用に関しても原則は同じだ。
 ----------
ということです。
   
「基本方針はわかった」でも、具体的にどうしたらいいか?ということも、山崎元は「退職金3000万円の将来を予想する」で説明しています。 https://diamond.jp/articles/-/19810
   
3000talks
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(1) 例えば65歳から95歳まで30年間、毎月5万円貯蓄を取り崩すなら、単純計算で1800万円要ります。
・毎月、年金プラス5万円で生活するプランを立ててください。この部分は、安全に運用しましょう。
・銀行に1行1000万円以上のお金は預けないほうがいいので、1000万円を10年満期で利率変動タイプの個人向け国債に、
・800万円は銀行預金にしましょう。
(2) 残った1200万円は、内外共に先進国は低金利なので、株式で運用しましょう。
・TOPIX(東証株価指数)連動の日本株のETF(上場型投信)を600万円、
・先進国株を300万円、新興国株を300万円、いずれもインデックスファンド(海外ETFも可)で買いましょう。
・こちらは、おおむねこの比率で長期運用してください
 ----------
 これもいい提案だと思います。
   
退職金3000万円以外のお金だったらどうでしょう? もし虎の子の1億円だったらどういうふうに運用したらいいでしょうか?
 これはだいたい退職金3000万円と同じやり方がよいと思います。つまり、山崎元が「『全面改定 超簡単お金の運用術』の運用法」で書いているように、https://media.rakuten-sec.net/articles/-/6851

    
Chokantan
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 (1)’ 生活費として1000万円くらいを銀行預金にしておく(一部は国債を買うか)
 (2)’ 残りの9000万円は、国内株式ETFと世界株式ETFに50%ずつ分けて株式で運用する。
  ----------
 くらいが妥当だと思います。
    
 「『全面改定 超簡単お金の運用術』の運用法」をもうちょっと引用しておくと、
  ----------
・当座の生活に必要なお金(たとえば生活費三カ月分程度)を銀行の普通預金に置く。
・残ったお金を、リスクを取ってもいいと思う「リスク運用マネー」と、元本割れを想定せずに済む「無リスク運用マネー」に分割する。
・この場合、「リスク運用マネー」は「無リスク運用マネーよりも平均すると5%利回りが高いが、最悪の場合、一年で3分の1が失われる可能性がある」と考えて、好きな金額を割り当てる。
・「リスク運用マネー」は、「TOPIX連動型上場投資信託」と「SMTグローバル株式インデックス・オープン」に、半々に投資する。
  ----------
ということです。
   
実は、ここまでが今回のお話の「前置き」なんです。
今回、問題にしたいのは、国内株式ETFと海外株式ETFを「いつ買ったらいいのか?」という問題です。
   
ネットで検索すると、2つの考え方があることがわかります。
   
A. いつでもいいから、思いついたときに買う。(山崎元)
 その理由は、
 1. 購入チャンスをねらって、いても適当な買い場を見つけることができない。
 2. 買わないでいる機会損失がある。
 ということです。さっさと投資するのが良いと言っています。
   
B. 別の人は、1年くらいかけて時間分散して買っていくのがいい(ドル平均法)と主張しています。
 その理由は、
 1. 高値掴みを避けることができる、ということです。
 2. その間に考えることができるということもあるかもしれない。
    
私は別の考えを持っています。
 1. 大幅に下落するのを待ち構えて買う。
 2. 何段階かに分散して買う。
 3. 高値になったら売却して現金で保有する。
 という方法です。
 国内株式ETFと海外株式ETFへの分散は、前者0%後者100%でよいと考えています。
 また、後者は世界株ではなく米国株S&PのETFが良いと思っています。
    
 次項で、ちょっとシミュレーションしてみます。

2020年2月11日 (火)

(820) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する。その3

(820) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する。その3
前項の続きです。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-300c17.html
今回は、各金融商品のリスクとリターンを実際に計算してみます。
計算しようとしている金融商品は、先進国株式インデックス、新興国株式インデックス、国内株式インデックス、先進国債券インデックスの4種類です。
Emaxis
eMasis 金融商品としては「ETF」を買いたいところなのですが、今回のデータは「eMaxisのインデックス投信」のデータを利用します。
データは、3年間、5年間、10年間などの採集する期間によって、リスクとリターンの値は変わります。また、毎日の終値か、週末の終値か、月末の終値かなどによっても値が変わってきます。
今回は、計算のしやすさを考えて、最近3年間(2017年1月1日~2019年12月31日)の週の終値を使うことにします。
225
225 例としてeMaxisの日経225インデックス投信の画面を見ていますが、このような画面からコピーアンドペーストで数字をLotus123に入力していきます。
4398
4398 200LXのLotus123にデータを持ってきた画面です。実際の作業は、Yahoo!ファイナンス→OpenOffice→Lotus123(Windows版)→200LXという経路でファイル変換しています。
各投信の週の終値(基準価格)と増減値だけを残して不要なデータは削除しました。また、データは古い順にソートしてあります。
4397
4397 余談ですが、日経225インデックスの週ごとのリターンを表示してみました。これでデータがどのように広がっているかを感じることができます。この図を見ると、3年前はデータのばらつきが少ないですが、2年前はばらつきが結構あって波乱の年だったような気がします。最近の1年間はまたデータのばらつきが収束してきています。
分散とか標準偏差は数字として計算しますが、この図のように可視化することでイメージを掴んでおいてから計算を始めるのが、間違いを避けるのに良いと思います。
4396
4396 図の上段は週の終値で計算した各投信の期待リターンとリスク(標準偏差)です。
前項で計算していたのは、年単位の期待リターンとリスクですので、図の下段のように週から年に換算しました。
この数字を使って、ポートフォリオの評価をすることにします。
2399
2399 図の上半分で、6種類の金融商品のリスクと期待リターンの数字を入力しました(黒い部分)。
つまり、国内債券・預金→リスク[0]リターン[0]、先進国債券・預金→リスク[5.58]リターン[1.9]、先進国株式インデックス→リスク[15.4]リターン[11]、新興国株式インデックス→リスク[17.1]リターン[9.9]、国内株式インデックス→リスク[15.4]リターン[49.9]としました。株式個別銘柄はリスク[30]リターン[8]くらいが妥当かと考えました。
債権の場合は、リスクもリターンも数字が小さいのは当然のことだと思います。
3種類の株式インデックス投信では、リスクもリターンもあんまり変わりがないですね。先進国株式インデックスが11%というのはさすがです。この先進国株式インデックスの内容には米国株が2/3以上含まれていると記憶しています。
2398
2398 全体で2億円のポートフォリオで1億円ずつ各金融商品に分けた場合のリスクとリターンの計算結果(黒い部分)です。
先進国株投信、新興国株投信、日経225投信に分けたのですが、どのように分けてもリスクとリターンはあまり変わりません。
2396
2396 図示してみても、ポートフォリオ間の数字に大きな違いがないので、画面の中央部分に点が集中しています。
楽天証券の「ホンネの投資教室」の著者の山崎元は、著書などで「先進国株インデックス投信」と「国内株インデックス投信」を50%ずつ買うようにと書いていますが、上の3種類の株式インデックス投信のリスクとリターンの数字を見ると、どのインデックス投信を買っても、あるいは、どのような比率で買ってもあまり違いがないように思えます。それで「先進国株インデックス投信」と「国内株インデックス投信」を50%ずつ買うようにと書いているのだろうと思います。

(819) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する。その2

(819) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する。その2
前項で、一つのポートフォリオの「全体のリスク」「期待リターン」「想定される最大の損失」が計算できました。
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2020/02/post-7cae10.html
こんどは、いくつかのポートフォリオで、それぞれ、全体のリスクと期待リターンを計算してみることにします。
3395_20200211153701
前項では、各金融商品のリスクとリターンを、楽天証券のサイトにある(山崎元が想定した)値を入力しました。
つまり、国内債券・預金→リスク[0]リターン[0]、先進国債券・預金→リスク[0]リターン[0]、外国株式ETF→リスク[20]リターン[4.8]、毎月分配→リスク[10]リターン[-1]、国内株式アクテイブ→リスク[20]リターン[4]、株式個別銘柄→リスク[35]リターン[5]、という数字でした。
今回は、リスクとリターンの数字を図の上半分に示すように変更しました。
つまり、国内債券・預金→リスク[0]リターン[0]、先進国債券・預金→リスク[10]リターン[0]、先進国株式インデックス→リスク[20]リターン[6]、新興国株式インデックス→リスク[25]リターン[3]、国内株式インデックス→リスク[20]リターン[4]、株式個別銘柄→リスク[35]リターン[5]、という数字です。
図の下半分は、列ごとに一つのポートフォリオを設定・表示しました。そして、各ポートフォリオはひとつの金融商品だけにしました。
つまり、列Hのポートフォリオ1は、国内債券・預金のみ、列Iのポートフォリオ2は先進国株式インデックス、列Jのポートフォリオ3は国内株式インデックス、列Kのポートフォリオ4は新興国株式インデックス、列Lのポートフォリオ5は国内個別株式、というようにしました。それぞれ2000万円にしました。
このように入力しておいて、XYグラフを描いてみます。Y軸はリターン(列99)で、X軸がリスク(列98)にしました。
3396_20200211153701
このような形に表示されます。折れ線グラフの左端は「国内債券・預金」です。グラフ中央の上の点は「先進国株式インデックス」、中央の下の点は「国内株式インデックス」、その右側が「新興国株式インデックス」、右端が「株式個別銘柄」です。
この図を見ると、現代投資理論の「最小分散フロンティア」の図を思い出します。
ウィキペディアの「現代ポートフォリオ理論」にある「最小分散フロンティア」の図を借用しました)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%AA%E3%82%AA%E7%90%86%E8%AB%96
Frontier_20200211153701
最小分散フロンティアの図にもっと似るように、ポートフォリオの内容を変更しました。
2000万円を1000万円ずつ2銘柄に分たポートフォリオも追加しました。
(「最小分散フロンティア 」は各銘柄間の関連係数を計算しています。今回のお話は各銘柄は独立していますので、似ているのは形だけで内容はぜんぜん違います)(リスクとリターンが二次元的に表示されるので理解しやすいというだけのことです)
3398_20200211153801
グラフの点と点の中間にもう一つの点を表示させたわけです。
3397_20200211153801
このように表示させたことで、ますます「最小分散フロンティア」の図に似てきて、各ポートフォリオの有利不利がよくわかります。
現代ポートフォリオ理論では、リスクが最小でリターンが最大になるポートフォリオを探すのですが、ここで私が設定した各銘柄のリスクとリターンも二次元的に表示することで直感的な理解を助けます。
つぎに、金融商品の過去の 値動きデータから、実際のリスクとリターンを計算してみたいと思います。

2020年2月10日 (月)

(818) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する。

(818) HP200LXで、投資のリスクとリターンを把握する。
今までも株式などの投資のことをときどきお話しています。
今回は、HP200LXのLotus123で、「個人のポートフォリオ」を評価するというお話です。
話の内容は、「ホンネの投資教室」(山崎元)というで楽天証券のサイトの内容を元にしています。
『そのアドバイス料、妥当?個人のポートフォリオ見直し例と経済価値』という記事です。
https://media.rakuten-sec.net/articles/-/25339
先に楽天証券のサイトをお読みになるほうが、楽に理解していただけると思います。
記事は、「具体的な(架空のものだが)お金の運用の相談例に対するアドバイスの価値を考えてみる」という内容です。
3399

楽天証券の記事の前半にある「相談者のポートフォリオのざっくりした把握」を、200LXのLotus123でやってみます。
まずは、「第1段階」。楽天の記事の金融商品とリターンの数字をLotus123に入力します。
Kitai-return
記事には「期待リターンは、内外の株式を新興国も含めて5%、内外の債券を0%と考えてみる」とあります。この数字です。
次に、各金融商品のリスクも入力します。
Risk
楽天の記事では、「全体のリスクは11.5%だ」とあります。
Tousiru
相談者のポートフォリオの保有金融資産は、金額の単位を「百万円」にして、「★保有金額」の列に入力しました。
3399 
冒頭のLotus123の図の「計算結果」(列12)をもう一度見ていただくと、楽天証券の記事にあるように、「全金融資産1億円に対する期待リターンは年率1.66%」と計算されています。(K12)。
また、「加重合計して求めた全体のリスク値は11.5%だ」と同じ11.5%と計算されています。(J12)
「想定される最大の損失が21.34%である」(L12)と同じ21.34と計算されています。
入力した数字と計算結果が「ホンネの投資教室」に合致していますので、この集計表の計算のやり方で良いことが確認できたものとします。
上記の集計表の計算方法が正しいなら、こんどは自分のポートフォリオの金額を入力することで、自分のポートフォリオの「全体のリスク」「期待リターン」「想定される最大の損失」が簡単に計算できるはずです。

そして、ポートフォリオの金融資産の配分をいろいろ変えてみることで、リスクを最小にしてリターンを最大にするポートフォリオを
さがすことができるはずです。
 
次の項でさらに遊んでみることにします。

より以前の記事一覧