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カテゴリー「3. 人生設計と投資」の41件の記事

2018年6月13日 (水)

(745)投資(お金がお金を生んでいく)についての基本的な考え方。

(745)投資(お金がお金を生んでいく)についての基本的な考え方。

前項に続いて、「ツール」と「使い方」のない「考え方」だけの話をします。

個人レベルでの「投資」についての考え方です。

「投資」についての基本的なスタンスは、現代投資理論に準拠して行動するのがもっとも合理的でしょう。現代投資理論(MPT)のことはいろんな本が出ていますので調べてみてください。

ちなみにイチバンのお勧めは、『全面改訂 ほったらかし投資術 (朝日新書) 新書』(山崎元著)です。『臆病者のための株入門 (文春新書)』とか『臆病者のための億万長者入門 (文春新書) 』(橘玲著)もおすすめです。現代投資理論っていうは、理論は難しいですがその実用はこれらの本に書いてあるように簡単です。

「現代投資理論」は、1990年にノーベル経済学賞を受けたハリー・マコーウィッツの「ポートフォリオ選択の理論」から始まりました。
私のようにシロウトなのに自分で計算してみたいという奇特な人が参考にできる本は、『道具としてのファイナンス』(石野雄一著)と『ゴミ投資家のためのインターネット投資術入門 (オルタブックス) 』(海外投資を楽しむ会 著)くらいしかありません。
共分散と相関係数が計算できる関数を装備しているEXCELでなければ、lotus123ではとても計算できるものじゃないです。また、ポートフォリオを最適化するには、複数の式を同時に処理できるsolver機能が必要です。200LXで処理できません。

そういうことで、合理的な投資としては山崎元や橘玲の書籍にあるように、ETFかインデックスファンドを買えばよいだけの話になります。

ところが、現代投資理論というリクツに合わないこともあります。代表的なアノマリーは、1.モメンタム効果、2.小型株効果、3.資産株効果などです。

そこで、私の場合は、金融資産をいくつかにわけて、0.MTP理論に基づくETFあるいはインデックスファンド、1.モメンタムを利用した投資法、2.主に小型株に投資する投資信託、3.資産株効果を目的の投資信託、などに投資しています。そのほかに、4.「FANG」とよばれる企業群を主体にしたヘッジファンドにも投資しています。あとオマケに、5.高配当のJ-REITと日本の優待株を少し。

銘柄や配分などの具体的なことについては、また、そのうちにお話することがあるかも知れません。

投資については、いろんな人がいろんなことを言っていますので、どんな考え方を軸にするのがよいのか迷いますね。無難な運用の方法は、MPT理論に沿った投資を軸にするということだと考えています。

(744) 貯蓄・投資・保険、お金についての合理的な考え方。

(744) 貯蓄・投資・保険、お金についての合理的な考え方。

前項があんまり面白くない内容になってしまったので、しばらくは原点に戻って、お金に関する私の考え方についてお話しようと思います。

お話しようと考えていることは、(1)個人レベルの財務分析(過去のお金の分析)、(2)個人レベルのファイナンス(将来のお金の予想)、(3)個人レベルでの投資(お金を増やすこと)、(4)個人レベルでの保険(万が一に備える)、などです。

前項のツマラナサの反省もあって(ごめんなさい)、(1)~(3)の全体を通してのベースになるような、共通する「考え方」を先にお話します。

お金に関してもほかのことに関してもですが、「方法論」を教える・学ぶ・習得するには、その「方法論」だけではなく「ツール」が必要です。このブログで「ツール」というと、、、(笑)、まぁ端的にいえば200LXのことです。そしてその「ツール」に加えて、「使い方」(ノウハウ)も必要ということです。

もう一度言うと、「方法論」にはそれに伴う「道具」と「使い方」がないと、空虚なものになってしまうということです。

前項の記事に関していうと、週刊誌記事の著者は「方法論」を誌上で説明・解説しています。著者の手元には何かの(EXCELなど)ツールがあるんだろうけど、読者の手元にはツールがないし、ツールがあったとしても使い方がわからない。

そういう理由から、記事を読んでも「ふ~ん、そうなのか」という通りいっぺんの一時的な薄っぺらな理解しかできません。読者の実際の生活の中に「考え方」が浸透しない。

(200LXとか金融電卓とか)何らかのツールが手元にあれば、著者の考え方を追認したり、同意も批判もできるんですけど、ツールがなければ実態のない「おとぎの国のお話」みたいなものになってしまう。

それで、ツマンない内容の週刊誌記事になっちゃいます。

さて、前項の反省はここまでで、上の(1)~(4)のうちで、ツールなしで説明できる(4)から先にお話ししましょう。

まず、(4)「個人レベルでの保険の話」です。

20年くらい前のことですが、ソニー生命の人が営業(保険を売りに)に来てくれたことがあります。
その方が、(生命)保険についての考え方を整理して教えてくれました。

1.ビルゲイツのような大金持ちは(生命)保険をかけない。
 そりゃそうです。「万が一」があったとしても、ことさらにお金が必要になるわけではない。
2.ホームレスは(生命)保険をかけない。
 それもそうです。掛け金もないだろうし、「万が一」があったとしても、だからといって困るような家族もいない。
3. (生命)保険を掛ける人は、1.と2.の中間に位置している人。

私は「考えてみればその通りだ」と思って、それまでかけていた(生命)保険を止めました。私に「万が一」があったとしても、困るような家族はいなからです。それ以降は生命保険をかけていません。

ところで、生命保険の還元率は50%以下です。貧乏人の税金といわれる宝くじの還元率も50%ですね。競馬は80%でしたっけ? (生命)保険をかけていて、「万が一」のときに戻るお金は、(確率から言うと)掛け金の半分以下ということですから、手元にほどほどのお金があれば、(生命)保険の掛け金に回すお金をそっくりそのまま預金・投資に回すほうが合理的です。

私にとって生命保険はかける必要がありませんが、損害保険はかける必要があります。
世の中には、めったに起こらないけれど、ことが起こったら甚大な被害をもたらすというような事象があります。
自動車(事故)保険とか火災保険とか海外旅行の保険が、ここでいう「めったに起こらないけれど、起こったら甚大な損害をもたらす」ことに対する保険です。
人が死ぬことは、「めったに起こらないこと」じゃなくて「必ず起こること」ですから、損害保険の対象にはなりません。

ついでにいうと、疾病保険も必要ないですね。日本の国自体が「健康保険」ということで保険をかけてくれていますし、自己負担分が一定額以上の時はその大部分を補填してくれます。個人で加入する「がん保険」などもかける必要ありません。

人生全体の中で、高額なお金を使うのは、「(生命)保険」、「住宅購入」、「自動車購入」、「子供の教育費」といわれています。これらの出費について合理的に考えて生活すれば、金融資産はどんどんふくらみます。「食費」「被服費」はたかが知れてますからね。あと自分自身の内側にある敵は「見栄」だと思います。つまらないミエをはらずに、必要なところに必要なぶんだけお金を使えば、豊かで充実しした人生を送ることがでいると私は考えます。

そして、結果的にそのようになっています。

2018年6月12日 (火)

(743) 週刊ダイヤモンドから「住宅ローンはどう借りるべき?」

(743) 週刊ダイヤモンドから「住宅ローンはどう借りるべき?」

週刊ダイヤモンドの「ファイナンス理論で徹底分析」「あなたの借金との向き合い方」という記事について(740)の項の中で、結局のところ賃貸と購入とで損得はほぼ同じだということをお話しました。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2018/06/740vs-942f.html

Doukariru週刊ダイヤモンドの別のページに、「低金利や共働きなど社会が変化」「住宅ローンはどう借りるべき?」という見開き2ページの記事がありますので、住宅ローンを検討するには、200LXなどの計算機が必須だろうと考えることをお話します。

記事のサブタイトルに「現場の販売員の鼻息は荒い」「言われるままに住宅ローンを組むのは不安がある」「どのように考えれば良いのか。専門家の試算から整理してみよう」と書いてあります。

記事の中で、
「本当に言われるままに借りて大丈夫なのだろうか」
「一つ目のポイントは『老後貧乏』にならないためには、住宅ローンを65歳までに払い終えること」
「二つ目のポイントは60歳時点のローン残高だ」
「三つ目のポイントは『共働き』」
「四つ目のポイントは手取り額減少」とあります。

ここでは、まず「四つ目のポイント」から考えてみます。

記事タイトルのすぐ下に「手取り額は減少傾向」という図が掲載されています。年収に対しての手取り額が年々減少しているというグラフです。例として額面年収700万円のケースと500万円のケースをグラフ化して示しています。なるほど時間的な傾向としては「減少傾向」であることがわかります。

しかし、具体的に読者の現在の年収での現時点の手取り額はいくらになっているのか? もし、年収が100万円多いとしたら手取り額はいくら増えるのか?というような肝心なことがわかりません。そのような生活設計の基本になるようなことを計算しようとしても、そのヒントさえも書いてありません。(200LXをお持ちなら、私が作成した前項(742)のソルバー式で概算できます)

二つ目のポイント」「60歳時点のローン残高」のことを考えてみます。

Yoiloanこの記事の左側のページに、「FPの目で見た『良いローン、悪いローン』」という表が掲載されています。記者はせいいっぱいわかりやすいようように表を作ったのだろうとは思います。
しかし、読者が実際に自分でローン残高を計算しようとしても、どのように計算したらよいかの手がかりが、どこにも書いてありません。
(200LXをお持ちならTVMアプリケーションでイッパツで計算できます)(写真に写っているHP12Cなどの金融電卓をお持ちなら、やはり簡単に計算できます)(一般的にはEXCELを使って計算することになると思います)

しかし、200LXのTVMアプリケーションやHP12Cのような金融電卓を使ったとしても、60歳とか65歳とかの一定時点でのローン状況しか把握できません。年を追ったグラフで確認しないと、実感として理解しにくいと思います。

記事の中では、「老後生活が不安な危うい借り方は避けておきたい」とは書いてありますが、「では具体的にどのように計算したらよいかという方法論を提起していません。これでは啓蒙目的の記事としては片手落ちだと思います。

この記事を読んで、実際に自分で計算して確認しようとする人は皆無だと思います。

そのようなことでは、エクセルを使って人生設計をする手順とか、エクセルの金融関連の計算式の使い方とか、さらにグラフ化してお金の流れを視覚化するとかのもっとわかりやすくて役に立つ記事にするべきだと思います。

※上の写真のHP12Cでは、30歳で3300万円のローンを組んだ場合の60歳時点の残高583.7万円の計算をしたところを示しています。TVMの計算は、金融電卓のHP12Cよりも、200LXのほうがずっと理解しやすいと思います。

(アップロードしてからの後記)

この項は、あんまり面白い話になっていませんね。
お読みくださる方、ごめんなさい。

しばらく考えてから、削除してしまうかもしれません。

2018年6月10日 (日)

(740)賃貸VS購入.本日届いた週刊ダイヤモンドの「ファイナンス理論」のページから

(740)賃貸VS購入.本日届いた週刊ダイヤモンドの「ファイナンス理論」のページから

私は「週刊ダイヤモンド」と「週刊東洋経済」を定期購読しているので、毎週末に両週刊経済紙が届きます。

Man5000きょう届いた「週刊ダイヤモンド」に「ファイナンス理論で徹底分析」「あなたの借金との向き合い方」というタイトルの記事がありました。

この記事の冒頭に、『家賃20万円の賃貸マンションに引っ越そうと考えていたあなたに、不動産会社の営業マンが耳打ちする』『このマンション、販売価格は5000万円です』『固定金利2%で30年の住宅ローンを組むとすると、月々の支払額は約18万円なので』『賃貸よりも購入したほうがお得ですよ』という話が載っています。

ファイナンス理論を解説する記事としては、ずいぶんオソマツな内容だと思いますが、ちょうどよいチャンスなので、「賃貸が得か」「購入が得か」という点から、(738)と同じような lotus123ファイルを使って検討してみます。「TINTAI3.LZH」をダウンロード

6001このキャプチャ画面が、5000万円のマンションを購入した場合の金額を入力した画面です。

住宅ローン金額は 5000万円、金利 2%、30年返済です。毎月の返済額は、週刊ダイヤモンドには約18万円と書いてありますが、実際には18万4800円です。4800円は省略してしまうハシタガネではないと思いますが、、、。

年間のローン支払い額は222万円と計算されます。固定資産税を年間10万円、管理費修繕費を年間24万円と設定しました。(738)(739)と同じように、生活費を250万円、所得を800万円としました。
計算上、毎月のキャッシュフロー294万円のプラスになります(★印の行)。

新築マンションは購入当初の価値の下落が激しいです。(計算上)初年度に853万円、2年目に430万円、3年目に277万円の価値の下落が想定されます。

一方で、ローン返済分は初年度が123万円、2年目が125万円、3年目は128万円で、以後、次第に返済ぶんの金額が増えていきます。

累積額の行(★印)を見ていくと、購入初期はマイナス5682万円から始まって、ローンの返済が進むにつれてマイナスが小さくなります。

600224年目までの金銭的状況の画面です。累積額のところを見てみると、18年目からプラスに転じます。24年目には3130万円のプラスになります。

6003例によってグラフ化してみました。上の行でお話したように購入当初のマイナスは次第に減少していって、17年でほぼゼロになり、18年目からプラスがどんどん積みあがっているのがわかります。46年目には1億4000万円くらいのプラスです。このグラフを見ると、5000万円のマンションを買ってもよいかな、と思います。

7001この画面キャプチャは賃貸の場合です。週刊誌の記事のように、家賃は月間20万円と設定しました。

勤務先からの家賃補助は、ネットで検索すると一般的には、おおよそ1.5万円だそうです。そのため、ここには月額で1.5万円、年額では18万円と設定しました。今回は生命保険を考慮せずゼロとしました。

生活費と所得はマンション購入と同じようにしておきました。

すると、毎月のキャッシュフローはプラス292万円となって、購入の場合のプラス294万円とほとんど同じになっています。

7002賃貸の場合の24年目の累積額は7300万円です。前の画面での購入の時の累積額は3130万円ですから、賃貸派のほうがキャッシュの上ではリッチですね。

7003グラフを見てみると、46年目では1億4000万円くらいになっています。
マンション購入派とほぼ同じです。結果的にほぼ同じ資産額になってしまうのは、賃貸派はえんえんと家賃を払い続けなければならないのに対して、購入派はローンを完済したら住居費がほとんどかからないという違いによると思います。

しかし、それにしても、46年間の全体を通してみると、購入派と賃貸派はほとんどイーブンですね。

どちらが得かということは、結果的に不動産価格が下落しているか、上昇しているかということで違ってくるのだろうと思います。世の中はうまくできているものですね。

2018年6月 7日 (木)

(739)賃貸・購入の損得よりも、通勤・通学時間と自動車費用が問題だ。

(739)賃貸・購入の損得よりも、通勤・通学時間と自動車費用が問題だ。

前項では、賃貸マンションに居住し続けることと、マンションを購入することを比較して考えてみました。

引き続いて、(3) 駅近の5000万円のマンションを購入することと、(4)駅から離れた一戸建ての住宅を購入することを比較して考えてみます。

0030この画面キャプチャが(3) 駅近の5000万円のマンションを購入するとしたシミュレーション画面です。
(1) と同じように5000万円の購入資金の全額を、1.5%、25年返済の住宅ローンで購入したことにしています。売買手数料や登記費用、ローン設定費用などの諸費用は考慮していません。
この条件だと、年間のローン返済額は約240万円(月額約20万円)になります。

毎月・毎年発生する固定資産税とマンションの管理費用は、それぞれ年額で10万円と18万円としました。合計で28万円です。駅近のマンションなので自動車は所有しません。また、生命保険の掛け金を年額5万円としました。

(1) と同じように、税引き後の所得を800万円、年間の生活費を250万円としました。このようにに設定すると1年間のキャッシュフロー(★印)はプラスの277万円となります。

初年度の元金返済ぶんは166万円で、2年目は169万円、3年目は171万円です。

マンションを購入した時点から価値が下落していく目減りぶん(償却額)は、(1) と同じ式で計算してあります。(1) の場合は築15年の中古マンションですでに十分下落していますので、資産価値の下落はゆるやかでした。今回は、新築マンションという設定なので、購入直後から急激に下落します。初年度は853万円の下落、2年目は430万円の下落、3年目で278万円の下落です。

★印をつけた「累積額」はマイナス5410万円から始まります。
画面の最下行に通勤・通学の時間を記入してあります。駅近のマンションで、自宅から駅までは5分で到達するできると仮定して、家族2人の時給計を2000円としたときに、通勤・通学の年間損失額は18万円ということになります。

0031この画面キャプチャは、前の画面から24年後までの収支です。
(前の画面で★印をつけてあった)年間キャッシュフローはずっと277万円のままです。
(同様に★印をつけてあった)累積額は、24年後にはプラス4000万円です。

最下行では、通勤・通学の年間損失額18万円を加味した金額を示しました。24年後には3551万円です。駅から徒歩5分の駅近マンションでも、24年間では450万円くらいの損失額ということになります。

0033シミュレーションをグラフ化しました。
棒グラフは★印をつけてあった「累積額」を示しています。
折れ線グラフは★印をつけてあった年間キャッシュフローです。

棒グラフでは、当初のマイナス5000万円から毎年増加していきます。44年後にはプラスの1億2000万円くらいになっています。
折れ線グラフのほうは、ローン返済が終了する26年目からは、277万円から500万円くらいのプラスに変わります。

0040最期に、(4) 駅までの通勤に30分かかる距離にある 5000万円一戸建ての住宅を購入したケースを考えます。

駅から徒歩数十分の場所という設定です。そのような場所だと、自家用車がないとかなり不自由でしょうから、自動車が必須になると思います。

比較しやすいように、ローンの設定は(3)と同じにします。固定資産税も修繕費もマンションと同じということにします。違うことは自動車を所有することです。自動車は本体の費用として年間30万円かかるとして、ガソリン代・保険・車検費用などを年間20万円としておきます。

所得も年間の生活費も同じです。1年間のキャッシュフロー(★印)は、自動車費用ぶんの50万円少なくなって、プラスの227万円ということになります。

住宅の価値が下落していく目減りぶん(償却額)は、(1)と同じ式で計算しましたが、5000万円の半分が土地費用で、半分が建物費用ということにしました。土地費用ぶんは下落しないとすれば、初年度は427万円の下落、2年目は215万円の下落、3年目で139万円の下落です。戸建ての建物価格は20年でゼロになるといわれていますが、計算が面倒なのでマンションと同じ式で計算しました。

★印をつけた「累積額」はマイナス5033万円から始まります。
画面の下方で通勤・通学の時間を30分(0.5時間)として計算しました。そうすると、通勤・通学の年間損失額は108万円になります。
最下行に、「累積額」から毎年の108万円を引いた金額を表示しています。

0042この画面キャプチャは、前の画面から24年後までの収支です。
(前の画面で★印をつけてあった)年間キャッシュフローはずっと227万円のままです。
(同様に★印をつけてあった)累積額は、24年後にはプラス4214万円です。
 土地分の価値が下落しないと設定したため、ここで駅近のマンションと213万円もの差がついています。

最下行では、通勤・通学の年間損失額108万円を加味した金額を示しました。すると24年後には1514万円になります。駅までの通勤に片道30分かかるとすると、24年間だったら108万円×24年=約2600万円もの損失になります。自動車の費用ぶんの損失は、50万円×24年=約1200万円になります。

0043シミュレーションをグラフ化しました。
棒グラフは★印をつけてあった「累積額」を示しています。
折れ線グラフは★印をつけてあった年間キャッシュフローです。

折れ線グラフのほうは、ローン返済が終了する26年目からは、227万円から467万円のプラスに変わります。
棒グラフでは、当初のマイナス5000万円から毎年増加していきます。44年後にはプラスの1億4000万円くらいになっています。しかし、毎年の通勤での損失を加味すると1億1000万円弱くらいです。最終的には、駅近のマンションのケースと金額面では10%程度しか違わないということになりました。

以上のように金銭的な面でシミュレーションしてきたのですが、実際の長い年月では、生活としてはかなり違ったものになるだろうと思っていますので、最後にそのことをお話しておきます。

現在の私は年金を受け取るほどの歳になりましたが、フルタイムの仕事をしているほかに、週に3回の武道の稽古を続けていますし、ピアノの練習も続けています。

このような趣味を続けられるのは、通勤時間がミニマムで済んでいるためなのです。自宅が駅から3分の距離にあって、隣駅にある職場までは電車で5分です。職場は駅から1分の距離にあります。
そのため、通勤で時間とエネルギーを吸い取られてしまうことがほとんどありません。その時間とエネルギーを趣味に費やすことができます。

もし、住居と職場が駅から離れた場所にあれば、クオリティオブライフはかなり低くなってしまうと想像されます。

そういうことでは、サラリーマンの場合は、家族構成の変化や転勤・通学などの通勤環境の変化に応じて、賃貸の住居を変えていくのもよいと思います。また、定年退職を機会に固定住居を購入するというのも合理的だと思います。

人生の持ち時間は誰にとっても有限です。人生の後半戦になるとなおさら時間が逼迫してくるように感じます。そういう点からも、私の場合は、仕事を続ける限りは駅の近くに住み続けようと考えています。

(738)賃貸・購入の損得は、住宅手当の支給に大きく影響される。

(738)賃貸・購入の損得は、住宅手当の支給に大きく影響される。

このところ一カ月くらい、HP200LXのlotus123を使って、どんな投資方法が有利かというシミュレーションを作って遊んでいました(このことはあとでお話しようと思います)。

それが一段落したころ、ネットのどこかで「賃貸住宅が得か、購入が得か」というような記事を読んだことがきっかけになって、もういちど比較シミュレーションをしてみようと思うようになりました。「TINTAI2.LZH」をダウンロード

ネットで、「賃貸 購入 比較」というキーワードで検索してみると、多くのサイトに得失が解説されています。不動産を販売する会社が運営するサイトが多いですから、ほとんどのサイトでは「購入が得」という方向にバイアスがかかっています。それらのいろいろな説明を読むと「そういう考えがあるか~」と思いますが、物足りなさを感じることも多いです。

現在の私は駅近の賃貸マンションに住んでいるのですが、以前から、いま住んでいるマンション(か同等のマンション)を購入したらどれくらい得(あるいは損)になるか、シミュレーションしてみようと思っていました。
いや、もちろん、私の場合は賃貸のままのほうがダンゼン得になることがわかっています。だからこそ、賃貸住まいを続けているわけです(笑)。

今回、検討してみたのは、
(1) 現在居住している賃貸マンションをもし購入したら、今後、どういうキャッシュフローになるのか?
(2) 現在の賃貸のまま継続したら、どういうキャッシュフローになるのか?
(3) 一般的に、駅近の5000万円のマンションを購入したら、どういうキャッシュフローになるか?
(4) 購入するのが駅から離れている5000万円の一戸建ての住宅なら、どういうキャッシュフローになるか?
ということです。

始めにお話しておきますが、「賃貸が得か、購入が得か?」という議論の結論はわかりきっています。
損得なしのイーブンです。世の中っていうのはうまくできているもので、こういう二者択一ではイーブンなのです。

ちなみに結婚するほうがよい人生を送れるか、独身のほうがよい人生を送れるかというのもイーブンでしょう。どちらもいいこともあるし良くないこともある。
結婚したとして、子供がいるほうが楽しくいい人生を送れるか、子供がいないほうがよいかというのもイーブンでしょう。
そういうことでは、頑張って婚活したり妊活したりするよりも、人生の波とかその人の状況にまかせて、現状でのベストを追求するほうが、よい人生を送れるだろうと私は考えています。

さて本題に戻って、上の(1)~(4)について補足説明をしておきます。

(1) 私が現在居住している賃貸マンションは、駅から徒歩3分程度の距離にある、居住面積が100m2前後の築15年くらいのマンションです。たぶん新築の時は2億円くらいの価値だっただろうと思います。いまの時点で中古で購入するとしたら1億円くらいだろうと考えています。

(2) 私の事務所にはスタインウェイのグランドピアノを2台入れているのですが、住居にもグランドピアノを入れる必要があるため、どうしてもある程度広い面積の部屋が必要です。幸いなことに賃貸住宅は床面積が広ければ広いほど割安になる傾向があります。私の場合は、自分の事務所で法人契約をしているので50%の家賃補助があります。

(3) 駅近のマンションに住むとしたら、住居から駅までは徒歩5分圏に住みたいです。駅近の住居なら自動車を所有する必然性がありません。高額の駐車場料金を払う必要もありません。

(4) 一戸建てを購入するとしたら、首都圏で駅から数分の場所に土地を求めるのは非常に難しいです。必然的に、駅から徒歩数十分の場所になってしまいます。そのような場所だと、自動車を所有する必要があると思います。

以上のようなことを考慮して、まずは、(1)と(2)を検討してみます。

0011この画面キャプチャが、(1) 1億円で築15年のマンションを購入した場合のシミュレーション画面です。
ローンの金額は1億円、金利1.5%で、25年返済と仮定しています。全額ローンで購入としていますが、売買手数料や登記費用、ローン設定費用などの諸費用は考慮していません。
この条件だと、年間のローン返済額は約480万円(月額約40万円)になります。

毎月・毎年発生する、固定資産税とマンションの管理費用はそれぞれ年額で20万円と36万円としました。合計で一年間56万円になります。

私は、実際には生命保険に加入していませんが、ここでは生命保険の掛け金を年額5万円としました。

1年間の税引き後の所得を800万円、年間の生活費を250万円と仮定しました。この800万円は年収ではありません。税引き後の可処分所得です。800万円の所得は、年収だと1100万円くらいに相当すると思います。

以上のように設定すると1年間のキャッシュフロー(★印)はプラスの9万円になります。

さて、年間480万円のローン返済額は、金利ぶんと元金返済に充当されるはずです。計算すると、初年度の元金返済ぶんは332万円で、2年目は337万円、3年目は342万円です。この計算はロータス123ではできませんので、200LX金融電卓のTVMで計算した値を入力してあります。(TVMで計算した数字をロータス123に入力する方法は別項をたてて説明しましょう)

マンションは購入した時点から価値が下落していきます。売却処分しようとすれば、通常は購入したときよりも安い価格でしか売却処分できません。この価値の目減りぶん(償却額)は、
「(618-2)新築マンション価格下落のシミュレーション」の項で、お話した式で下落していくと仮定しました。築15年のマンションでは、すでに相当程度価値は下落していますので、毎年の下落幅は小さいと考えられます。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/618-2-785e.html

★印の年間キャッシュフローに、マンション価値下落の償却額と、ローン返済による元金減少を加えて増減することで、すべてを処分したと仮定した場合の資産の現在価値を計算できます。これを「累積額」として★印をつけておきました。

画面の最下行には、通勤・通学の時間を記入しておきました。通勤・通学に時間がかかるとしたら、金額的にどれくらいの損失に相当するかを、あとで検討してみようと思います。

0012この画面キャプチャは、前の画面から24年後までの収支です。
(前の画面で★印をつけてあった)年間キャッシュフローはずっと約9万円のままです。
(同様に★印をつけてあった)累積額は、24年後にはマイナス1558万円になっています。

0013以上のシミュレーションをグラフ化しました。
棒グラフは★印をつけてあった「累積額」を示しています。
折れ線グラフは★印をつけてあった年間キャッシュフローです。

棒グラフでは、当初のマイナス1億円から毎年変化して行って、44年後にはプラスの6500万円くらいになっています。
折れ線グラフのほうは、ローン返済が終了する26年目からは一挙に年間400万円くらいのプラスになります。

つぎに、(2)現在の賃貸のままだとどうなるのかを検討してみます。

0021画面キャプチャは、(2)賃貸を続けた場合のシミュレーション設定画面です。一ケ月の賃料が18万円なので年間では216万円の家賃を払います。

固定資産税やマンションの管理費用はゼロです。実際には生命保険に加入していませんが、ここでは生命保険の掛け金を年額10万円としました。特筆するべきなのは、事務所からの50%の家賃補助(月額9万円)です。

橘玲著の『黄金の羽根の拾い方』に書いてあるように、マイカンパニーを持っていると法人から役員に対して50%までの家賃補助を出すことができます。

年間の生活費を(1)と同じように250万円、所得を800万円と設定すると、年間のキャッシュフロー(★印)はプラス432万円です。住宅ローンの返済がなければこんなにもお金がかからないのですね。

累積(★印)では、マンションの価値下落(償却額)も算定しませんし、ローンの元金返済充当ぶんもありませんから、プラスのキャッシュフローを積み上げていくだけになります。

002224年後の状態を示すのがこの画面キャプチャです。1億800万円のプラスになっています。
(1)のマイナス1558万円との差は1億2000万円くらいになってしまいます。

これだけ大きな差になってしまう原因としては、1. 法人からの住宅費の補助が大きい要素です。2. ローンの利子を払う必要がないということも大きな要素です。3. 不動産価値の下落を考慮しなくてもいいということも大きな要素です。

0023これが賃貸に住み続けた場合のグラフです。住宅ローンの返済がないので、当初からマイナスがありません。家賃補助があるぶん住居費は少ないです。そのため、右肩上がりのグラフになります。

資産形成ということで考えると、家賃補助を受けられるかぎり、自分では住居を購入しないで賃貸住宅に住み続けるのが良いことがわかります。

さらに考えに入れておかなければならないことがもう一つあります。
日本の国の少子化に伴って、不動産価格の下落幅が今後もさらに大きくなるだろうと予想されていることです。
住宅ローンを完済したあとは不動産は完全に自分のものになりますが、その時の住居の価値は非常に低くなっている可能性が高いです。

「住宅購入が得か賃貸が得か」という問題は、年月が経ってから不動産価格が上昇しているか下降しているかに大きく依存します。不動産価格が上昇していれば、結果的に「賭けに勝った」ということになりますし、不動産価格が落ち込んでいれば「賭けに負けた」ということになります。

端的に言ってしまえば、住宅ローンを組んで居住用不動産を買うということは、大きなレバレッジをかけて将来の不動産価格の上昇に賭けるということです。

居住用の不動産を販売したり、住宅を作ったりしている会社は多いですから、世論としては住宅購入のほうに向かうように仕組まれています。しかし今後とうぶんのあいだは、不動産価格が下落すると予想されていますから、この賭けに勝つのは容易なことではないと思います。

他方、賃貸住宅に住んでいる人は余剰の金融資産を投資に回せますから、長い年月のうちには、金融資産が莫大なものになっている可能性が高いです。金融資産が積みあがっていれば、そのうちの一部のキャッシュで、安くなった不動産を購入できるでしょうから、現状では、居住用不動産を買わないほうが、豊かな老後を送れることになると予想されます。

この項の最後にお話ししておきたいことは、「現実にはそんなに具合よく行かないだろう」と思われるようなことを、条件を変えて試算することができるということです。シミュレーションというのはそういうことです。条件を変えて試算することで将来の予想をすることができます。そして、シミュレーションを繰り返しているうちに、次第にカンが鋭くなっていきます。

ですから、「そんなにうまくいくはずがないよ~」ということが、逆の意味で、シミュレーションを行う意義であるわけです。

2018年5月 1日 (火)

(734)持ち家の「帰属家賃」の推計についての記事

(734)持ち家の「帰属家賃」の推計についての記事

Keizaikyo久しぶりに面白い特集記事を日経新聞で読みました。
日本大学教授の清水千弘先生の「住宅関連統計の課題。家賃指数、実態より下振れ。金融政策判断にゆがみも」という解説記事です。

記事の内容をひとことで言うと、「帰属家賃の推計が正確ではないために国の経済政策の運営までをも誤らせる」という主旨です。説得力のある解説記事でしたので、ナルホドナルホドと納得して読みました。

しかし、私が面白いと思ったのは、重箱の隅をつつくような細かなところです(笑)。
その、私が興味がひかれたことをお話します。

Motiie61(1) 「日本の持ち家率は全国平均で61.7%」なんだそうです。私は年金を受け取る世代になっていますので、私の周囲にいる同年代の人たちは、ほとんどで自宅不動産を所有しています。私のような賃貸住宅に住んでいる人は周囲には見当たりません。

私が賃貸マンションに住んでいることを知り合いに言うと、「いくら家賃を払っても自分のものになるわけじゃないからもったいないじゃないですか」とよく言われます。しかし、私のシミュレーションから賃貸住宅のほうが、経済的にも利便性の面でもずっと合理的という結果が出ています。
ま、このことは後日にでもまた詳しくお話ししましょう。
(どちらが経済的かということは、以前にもお話したことがあります)
(94)200LXで考える個人の住宅戦略:賃貸か購入か。その1
http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2007/06/93200lx_adc2.html

Yatingeraku_2(2) 「筆者らの計測によると建物の資産価値は、戸建て住宅では建築後10年までは年2.47%、10~20年で年1.59%、20年を過ぎると年0.32%ずつ低下していく」「マンションでは年平均3.67%の低下だ」という記述にも興味を惹かれました。

今回は、内容が単純な(2)についてお話しします。

以前に、「(618-2)新築マンション価格下落のシミュレーション」の項で、私が考えるマンションの価格下落の式」をお話しました。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/618-2-785e.html

私は、「ほんとうにざっくりと考えて、4年経過時に3割下落、20年経過時におおよそ半値、30年経過して6割下落」と想定しました。

ネットで「マンションの価格下落」というキーワードで検索してみると、
 1. 『中古で得する』5年間活用法 | SUUMO(スーモ)では、
=============
築15年以前とそれ以降では下落幅が大きく異なる 一般的にマンションの価格は新築から15年ほどの間に大きく下落するが、その後はなだらかな下落曲線を描く。新築から築15年まで約57%ダウンするが、築15年から同30年まではほとんどダウンしない。
https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_chuko/mc_knowhow/s0tks000/
=============
とあり、

 2. 「住まいサ~フィン」(R)では、
=============
中古の定義は築1年以上で、中古扱いになった時点で価格は10%下落する。この10%は事業者側の利益とも考えられ、実物価値は9掛け相当と考えた方がいい。 中古価格は築10年で平均して24%、築20年で40%下落するが、これは現在の新築価格との比較である。
https://www.sumai-surfin.com/price/chuko.php
=============
とあります。

9000これらの数字と式をロータス123に入力すると図のようになります。
(2~4年目のcellはタイトル文字を書くためにわざと空白にしてあります)
新聞記事から、「戸建て」「マンション」の価格を入力してあります。
上に書いた私が想定した式から計算した数字も入力してあります。

SUUMO(スーモ)のサイトのグラフから、5年目、10年目、15年目、20年目の数字を読み取って入力してあります。
また、「住まいサ~フィン」(R)では、1年後に90%、10年後に76%、20年目に60%としてあります。

9006数字の羅列ではよくわかりませんのでグラフ化しました。
3本の線のように見える一番上のグラフは、今回の新聞記事での「持ち家」の価格下落です。
上から2番目のグラフは、今回の新聞記事での「マンション」の価格下落です。
3番目のグラフが、私が想定した「マンション」の価格下落です。
5,10.15.20年目にある「×」のシンボルがSUUMOのサイトの価格です。
「住まいサ~フィン」(R)のシンボルは1,10,20年目にある「▽」です。

グラフ化して見ると、数字の出所によって中古マンションの価格の下落はずいぶん違います。

20年目で見てみると、今回の新聞記事では新築と比べて47.3%に、SUUMOでは36.4%に、「住まいサ~フィン」では60%に下落するとされています。私が想定した式では44.5%です。

投資用あるいは居住用にマンションを買う場合、マンションの価値(売却価格)がどれくらい下落するかは気になるところです。

しかし、専門家が提示している下落幅がこれほどまでに違うんですね。
そういうことでは、シミュレーションのためでは、私の想定でほどほど良いのだろうと思いました。

2018年4月25日 (水)

(732)中古アパートの投資戦略 (週刊東洋経済から)

(732)中古アパートの投資戦略(週刊東洋経済から)

Photo_7前項Photo_8でお話した東洋経済4月12日号に、中古アパート投資の実例が掲載されていました。

44ページの「収益物件の賢い出口戦略」という記事です。

前項でお話しした「かぼちゃの馬車」の記事には具体的な数字が載っていませんでしたが、この記事では、物件の金額などの具体的な数字が掲載されています。それで、以前に作ったロータス123の上でシミュレーションすることができます。

しかし、残念なことに、記事に掲載されている数字の中には税金関係の数字がありません。記事を書いたのが不動産鑑定士なので、詳細な税金の計算をしなかったのだろうと思います。

不動産投資にしてもほかの投資にしても、利益が発生すれば税金を納める必要があります。納税額が少なくてすめば有利な投資ということにになりますが、納税額が多ければ骨折り損のくたびれ儲けになってしまいます。

では、具体的に数字を追ってみてみましょう。

Photo_9図の上段を見てください。

「木造アパート築15年2階建て1K×4室」の数字は、物件価格2500万円、手数料175万円、年間賃料225万円、ローン総額2000万円、金利2.3%、返済年数30年ということです。自己資金は675万円を用意します。必要な資金(購入金額)は2500+175=2675万円です。

1000_3これらの数字をHP200LXのロータス123に入力しました。「TOYOAPRT.LZH」をダウンロード
月賃料は、年賃料225÷12で → 月賃料18.75万円として入力します。
記事では、年間経費は賃料の15%と設定していますので、シミュレーションには毎月の経費を10%、年間の固定資産税を5%として入力しました。

築15年のアパートということなので、購入価格の2500万円のうち、建物部分は500万円の価値、土地分が2000万円の価値と設定しました。10年後に売却するときは築25年の木造アパートということになりますから、建物部分の価値は0円、土地の価値が2000万円と設定しました。

減価償却の金額は所得税率によって変わりますので、キャッシュフローまで含めてシミュレーションするには税率を明らかにしておく必要があります。

とりあえず所得税率が20%、住民税率が10%、合計で税率30%と設定して計算してみます。
(これは課税所得が330万円から695万円の間の税率です。年収ベースだと620万円から1050万円の間くらいです)

では、雑誌に掲載されているシミュレーションと、ロータス123上でのシミュレーションを比べて見てみましょう。

Photo_10図の中段の「収支シミュレーション」を横に見て行くと、(1年目の段です)年間賃料225万円、不動産支出33万円、不動産収支191万円、税引き前CF98万円、ローン残高1952万円、返済額93万円とあります。

1000_4ロータス123のシミュレーションを見てください。上記の数字はほとんど同じですが、初年度の減価償却費は317.9万円と計算されています(セルD12)。これはじつは減価償却に不動産の購入諸経費を含めた数字です。

これによって税金が約50万円還付されます(セルF12)。家賃収入が225万円で、ローン支払いが92.35万円(セルH9)、税金の還付が約50万円なので、初年度のキャッシュフローは約148万円のプラスになります(セルG12)。
新しく物件を購入すると、翌年の税金の還付額が大きいです。還付額が大きいということは、税務会計上の収支がマイナスだということです。儲かっているわけではありません。こんなに税金が還付されるなら、さらに不動産を買い増ししようかと考えがちですですから注意が必要です。

2年目は税金を3.9万円納めることになります(セルF13)。キャッシュフローとしては約95万円のプラスです(セルG14)。
同じように3年目も約95万円のプラス(セルG15)、4年目・5年目・6年目・7年目も約94万円のプラス、8年目・9年目は約93万円のプラスです。

プラスのぶんのお金は、一つの銀行口座を作ってため込むことにしましょうか。その場合の通帳残高が、「累積」(セルH11)の列に表示される数字です。

1年目が約148万円(セルH12)、2年目は約95万円を加えるから約243万円(セルH13)、3年目は約338万円セル(H14)、、、と順調に残高が増えていきます。

当初、自己資金を675万円出しています。通帳残高がその拠出した675万円を超えるのは6年目を過ぎてからです(セルH17)(セルH18)。

減価償却を計上しているということは、税務会計上はマイナスになっているわけですが、ある時点でアパートを売却したら、通常は購入した金額よりも低い価格でしか売却できません。

Photo_11そこで、もう一度雑誌記事に戻って「売却シミュレーション」を見てみます。図の下段の表です。

何年目かにアパートを売却するとして、そのときの損益はどうなるか?ということです。

想定している売却価格は、1年目~5年目までが2250万円、6年目からは2180万円、10年目以降は2120万円となっています。

1000_5私の想定価格(Iの列)は、1年目2441万円(セルI12)、2年目2389万円(セルI13)、3年目2342万円(セルI14)です。9年目は2127万円(セルI20)で、10年目はこの図では見えませんが、2099万円です。

10年目の売却想定価格は、雑誌記事のシミュレーションも私のシミュレーションもほぼ同じ2100万円前後です。(私の計算は、毎年少しずつなだらかに金額が下がるように計算しています)

雑誌記事の下段の表で、いちばん下に「CF累計+売買益(税引き前)」という行があります。

1年目に売却すると、318万円の利益、4年目に売却するなら761万円の利益、、、とあります。
記事には、4年目に売却するなら、「CF累計と売却益の合計は761万円となり、購入時の自己資金675万円を上回る」と書いてあります。

私のシミュレーションでは、「CF累計と売却益の合計」から売却に際しての利益と当初の拠出金を引いた「最終的な利益」をKの列に表示しています。

1年目に売却するとしたら131万円の損失(セルK12)、2年目に売却するとしたら38.3万円の損失(セルK13)、3年目に売却するとしたら約60万円の利益(セルK124)です。

1001_2グラフを見てみると、10年目で累積の通帳残高が1000万円程度になっています。ここでアパートを処分した場合の最終的な利益は700万円くらいです。

アパートの「売却価格」のグラフは14年目で2000万円になっています。このシミュレーションはもともと建物と土地の比率が大きいマンションのために作ってあるので、建物と土地の比率が小さい土地つきアパートでは価格がズレてしまっています。

さて、以上のシミュレーションは、アパートが常に満室であることを想定しています。また、入居・退去時のクリーニングなどの経費や、修繕費・リフォーム代金などは考慮していませんでした。

しかし、私が住んでいる神奈川県のアパートの空室率は30%を超えているのが現状です。一般的には空室率を10%としてシミュレーション計算することが多いようです。

4000空室率を10%として計算するのが良いのでしょうが、モロモロの経費まで勘案して、空室率を20%と仮定して計算してみましょう。
月賃料(セルD3)を20%減にすると、18.75万円から15万円に変わります。
これによって、年間の収入(セルB12)は191.3万円から150.8万円に減少します。

上でお話したのと同じように「最終的な利益」K列を見てみると、
1年目に売却するとしたら159万円の損失(セルK12)、2年目に売却するとしたら95万円の損失(セルK13)、3年目に売却するとしたら約24万円の損失(セルK124)です。4年目以降は利益がでて、9年目で347.5万円の利益になっています。

4001上でお話したのと同じように、グラフを見てみます。10年目で累積の通帳残高が700万円程度になっています。最終的な利益は450万円くらいでしょう。

5000(諸経費まで勘案して)空室率を20%にしてみたのが以上のシミュレーションですが、気になるのは空室率が何%くらいだったら利益が出なくなるか?ということです。セルD3の月賃料を段階的に下げていって、空室率50%にしたのがこの図です。

5001上の同じようにグラフ化して見ると、10年間はアパートをいつ処分してもマイナスです。10年目になってやっとプラスマイナスがゼロになります。

この記事の最後は、「一にも二にも、購入時の堅実なシミュレーションが肝要なのだ」と締めくくられています。

表集計アプリケーションの上でこのようにシミュレーションしてみると、空室率というのは恐しことがわかります。
アパートの空室率が高い神奈川県、千葉県、埼玉県などでは、すでにアパート経営が成り立たなくなっているといわれているのが納得できます。

2017年9月27日 (水)

(714)「めちゃくちゃ『お得』でお勧めの保険」のお得度は?iDeCoと比べてみる。

(714)「めちゃくちゃ『お得』でお勧めの保険」のお得度は?iDeCoと比べてみる。

ダイヤモンドオンラインで『めちゃくちゃ「お得」でお勧めの保険、でも納得がいかない理由』(山崎元)という記事を読みました。http://diamond.jp/articles/-/129134

そんなにお得なんですか? 
家族のために200LXのTVMで計算してみたら、、、お得でした(笑)。

I. この生命保険のことですが、、、

5000_12(1) 毎月5000円払い込みで、5年後に30万9千円の受け取りだそうです。
これを積立預金として考えると、この利率は1.2%ということになります。

5000_897(2) 税金の還付が年間で1.08万円だとすると、一ケ月あたり900円の還付になります。
毎月5000-900=4100円を5年間積み立てる積立預金として計算すると、年の利率は8.97%と計算されます。

これは確かに積立預金としては、利率がめちゃくちゃいい!

この計算は記事のように限界税率30%の場合の計算です。
(下の私の家族のように、限界税率20%ならば6.25%と計算されます。)

※ でも、受け取りの時に税金がとられるんじゃないの?
→ (ネットで検索してみました)
 生命保険満期のときに、利益が50万円までなら雑所得にならないんだそうです。じゃ、この保険の満期受け取りで税金をとられないわけだ。

(注)満期保険金等を一時金で受領した場合には、一時所得になります。
   一時所得の金額は、その満期保険金等以外に他の一時所得がないとすれば、受け取った保険金の総額から既に払い込んだ保険料又は掛金の額を差し引き、更に一時所得の特別控除額50万円を差し引いた金額です。課税の対象になるのは、この金額を更に1/2にした金額です。

II. じゃあ、iDeCo(イデコ)個人型確定拠出年金ではどうかな? 同じように計算してみよう。

私の家族の昨年度の総収入は○○万円でした。
確定申告書で確認すると、課税所得が320万円になっています。
もし、課税所得が330万円を超えると所得税率が20%になりますが、それ以下なので所得税率10%です。

住民税は10%ですので、限界税率は10+10=20%です。
(限界税率っていうのは、10万円収入が増えると、2万円が税金でとられて、8万円が手元に残るということです)

確定拠出年金は、一ケ月あたり2.3万円の掛け金なので、その掛け金の20%が還付されるということです。
つまり、確定拠出年金に2万3000円貯金するけれど、実質的には1万8400円しか出していないということです。

※ 確定拠出年金は60歳になるまで受け取ることができません。また、10年間以上継続する必要があるので、50歳より少し前に始めるのが効率が良いです。

※ 家族はiDeCoでは金融商品を買うのではなく、積立預金にするのが希望です。

276_10毎月2.3万円を10年間無利子で積み立てすると、276万円になります。

276_4351万8400円を10年間積み立てして276万円になるのは、4.35%の利子率ということになります。

220_10もし、1万8400円を0%利子で積み立て預金したら、220万円になります。

276万円と220万円の差は49.2万円です。これが節税ぶんの儲けということになります。

10年後にiDeCoを受け取ることになりますが、退職金としての受け取りになりますので、退職金に対しての税金がかかりるはずです。
10年間での退職金の控除額は調べてみると400万円です。この金額以下なので、iDeCoの積み立て額では受け取り時に税金がかからないということになります。

III 課税所得が330万円以上(~650万円)の場合

276_683上と同じ計算で、掛け金の30%が戻ります。
つまり、確定拠出年金に2.3万円貯金するけれど、実質的には1万6100円しか出さなくてすむということです。

利率としては、6.83%で積立預金をしたのと同じということです。ぐんとお得度が増しますね。

家族には、もうちょっと頑張ってお仕事して、収入を増やすように勧めてみます(笑)。

★ 私の場合は年金を受け取る年齢になっちゃいましたから、上のお得な生命保険もiDeCoも使うことができません。残念っ。

2017年9月17日 (日)

(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい

(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい。

かなりヤバいというのは、「繰り下げ受給」すると得するどころか、損する(一部受給できない)可能性があるということです。ネットで「繰り下げ受給」のことを検索してみても、「繰り下げ受給を選んだら、結果的に年金受給額が多くなって良かった」という話は見かけたことがありません。

ネットの情報でもそうですが、いろんな本や雑誌を読むと、まるでハヤし立てるように、「繰り下げ受給」の良いことばかり書いてあります。私から見ると、「繰り下げ受給が良い」と発言しているのは、実情を知らないファイナンシャルプランナーか、御用社会保険労務士なんじゃないかと思います。

私の個人的な経験では、「かなりヤバい」(一部受給できなくて損する)と思っていますので、そのことをお話します。

私自身は、自分が若いときは、「『年金』って言ったって、どうせほとんどもらえないんだろ!」「(お金を)取られるばっかりだろ!」と思っていました。(今の多くの若い人たちと同じようです)(笑)

さて、「老齢年金」っていうのは、大ざっぱにいうと「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」の2階建てになっています。

そこでまず、「老齢基礎年金」のことをお話しますと、受け取るにしても大きな金額ではない(年額で60~70万円)ので「繰り下げ」しようと考えていました。顧問の社会保険労務士に相談したところ、繰り下げする場合はデメリットのほうが大きいことと言われて、繰り下げせずに受給することにしました。
もらえないものと思っていたのに、わずかでもお小遣いがもらえるのは正直うれしかったです(笑)。

Wazukaそのうちに、「老齢厚生年金」を受給できる年齢になりました。
左の新聞切り抜きに「給与収入があって当面、年金に頼らずに済むのなら、将来の年金額を増やすことを優先してもいい」と書いてあるように、給与が多かったので、65歳の時点では「繰り下げ」することにしました。(これが失敗の元でした)
(この切り抜きには「繰り下げを選ぶ人の比率はわずか1%」とあります)(99%の人は私とは違って正しい選択をしているんですね)

「老齢厚生年金」は受給せずに「繰り下げ」にしていたのですが、徐々に給与収入そのものが減少してきたので、「そろそろ受給するかぁ」と思って、今年の3月に受給の申請を出しました。

しかし、申請してからすでに6カ月以上経過しましたが、社会保険事務所からはなんの音沙汰もありません。もしかしたら危惧していたように、「老齢厚生年金」はもらえないかも知れないと思います。

Kurisage前項(708)でお話した週刊ダイヤモンド「定年後の歩き方 お金・仕事・人脈」に、「年金を少しでも増やすには?」「切り札は不人気?の繰り下げ」と書いてあります。「メリット盛りだくさん」とあります。

Kurisage_2「繰り下げを選んだのは全体の1%に満たない」
「さほど後先を考えない人が多数派のようである」と、いかにも繰り下げを選ぶのが賢いかのように書かれています。

この記事は、おそらく実際のことを知らない人が書いているのだと思います。

Kokoroe日経新聞には、ときどき年金関連の記事が載ることがあります。左図の「働くシニアの年金心得」というタイトルの記事でも、繰り下げ受給が良いと書いてありましたし、

42zougaku「公的年金 丸わかり(4)原則65歳だけど」
「70歳から受給で42%増額」の記事でも繰り下げ受給が良いと書いてあります。

ネットで、「年金 繰り下げ受給」という語で検索してみても、「繰り下げるのが良い」という話は見かけますが、「繰り下げしてよかった」という話は見かけたことがないです。

また、「繰り下げしてからどのように受給申請を出すかという方法についても、いくら検索してもヒットしません。

私の場合、繰り下げしていた老齢厚生年金の受給を受けるために、手探り状態で書類を書いて、社会保険事務所に書類を(郵送で)提出しました。
数週間してから、書類が不備だということで書類一式が返送されてきたので、社会保険事務所に言われるままに訂正して、書類を再提出しました。それっきりです。

再提出してから半年以上経過して、「書類受領」の連絡もありませんし、「支給決定」の連絡もありません。再提出して3カ月くらいしたときに、不安になって電話で問い合わせをしてみたのですが、「3カ月から6カ月かかります」というようなことを言われただけで、きちんとした説明もされませんでした。

今は、お金に困っているわけでもないし、それ以上問い合わせてもラチがあきそうもないので、1年くらい待ってみようかと思っているところです。

結果的に、「繰り下げ受給」という私の選択は失敗だったと思います。

それで、もし、年金受給の繰り下げをしようとする人がいて、ネットで検索した場合に、私の失敗を知ることができるようにと、「私の経験からは、『年金の繰り下げはなるべくしないほうがいいですよ』と、ここに書いておきます。社会保険庁も年金の専門家も信用できません。

Sikyuumore 半年以上、ずっ~と不審・不満に感じていましたが、数日前に左のように、日経新聞に「機構、情報管理に不備」「支給漏れ10万人」の記事が掲載されました。

私の場合、老齢厚生年金のほかに、私立学校共済年金と、国家公務員共済年金の3種類の年金を受給できることになっています。数年前からそれらが「一元化」されたはずですが、やっぱり「実態伴わず」なんですね。

新聞に載ったことで、「やっぱりな~、日本の年金制度(社会保険庁)はイイカゲンなんだ」と改めて思いました。

面倒なことですが、しばらく待ってみてから、時効にならないうちに社会保険事務所に再問い合わせしてみようと思っています。

・ 2018年2月21日の追加

以下をお読みください。繰り下げ需給は損します。
====================
年金は70歳受給開始にすると42%も増えるが、手取りは33%しか増えないhttp://diamond.jp/articles/-/160670?page=3
政治・経済 老後のお金クライシス! 深田晶恵 2018.2.21

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