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カテゴリー「3. 人生設計と投資」の54件の記事

2019年5月12日 (日)

(786) 加給年金も含めて計算してみると、繰り下げ受給では損することになる。

(786) 加給年金も含めて計算してみると、繰り下げは受給で損することになる。

Img225926
本日(2019年5月11日)の日経新聞に「シニア、年金納付いつまで?」という記事が掲載されていました。
記事のメインは、「保険料は何歳まで払う?」「年金は何歳から受給?」ということでした。

厚生年金の会社員の場合は、通常、65歳から基礎年金と厚生年金を受給します。記事によれば、70歳まで働くとした場合、65歳から70歳までは年金を受け取りながら年金を払います。
Img225955
そして、70歳でリタイアするとしたら、その時から保険料の支払いがなくなります。受給のほうは、5年間に払った保険料分が上乗せ計算されて、増額された年金が死ぬまで支給されます。

以上のことは、それはそれでよいと思います。

今回お話ししたいことは、65歳から70歳まで年金を受け取らずに「繰り下げ」をした場合の損得です。損あるいは得するとしたら、その金額はいくらなのかということも考えてみたいと思います。

まずは、(1) 5年間の繰り下げをした場合の単純な損得を考えます。つぎに (2) 加給年金を含めての損得も計算してみます。

Tuuchi
Caseによって金額が違ってきますので、「(712)年金の繰り下げ受給はかなりヤバい。繰り下げしない方がよい」に掲載した「通知書」の金額で計算することにします(上の図)。

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この図が、(1) 5年間の繰り下げをした場合の単純な損得です。
 1.  65歳になったら、基礎年金も厚生年金も受給する場合(左側)と、
 2.  5年間は基礎年金だけ受給して、厚生年金は繰り下げして受給しない場合(右側)
 を比較します。
 この表では、累積受給額に注目します。

3998
上の図は、1. と 2. で累積受給額を比較してみたものです。
図から読み取れるのは、80歳(直線がクロスしている点)までの受給額では 1. のほうが多く、80歳以降では 2. のほうが多いということがわかります。
80歳以上生きるとしたら、繰り下げ受給のほうが得ということです。
「主な年齢の平均余命」を検索してみると、65歳男の平均余命は17歳程度ですから、平均では82歳まで生きることになります。
以上のデータから、65歳から厚生年金を受給するよりは、70歳まで繰り下げてから受給するほうが、(平均寿命まで生きるとしたら)トータルの年金受給額は多いということになります。

さて、問題は「加給年金」も加味した場合です。「加給年金」は「年金の家族手当」とも言われます。配偶者との年齢差によって受け取る金額が変わってきますので、ここでは配偶者が7歳年下仮定して計算します。

3997
この図は、計算の一覧表です。上方の図で示した(712)の「通知書」では、年額39万9800円となっていますので、この金額で計算しています。

3996
図は、「加給年金」の受給を含めて計算して、5年間の繰り下げをした場合としない場合の比較です。
図から読み取れるのは、両者で累積受給額がほぼ同額になるのは85歳ということです。つまり、85歳以上生きれば得するという計算結果になっています。

上に書いたように、配偶者ぶんの加給年金を受けられる人が平均余命の82歳まで生きるとしたら、繰り下げ受給するとで損してしまうということになります。

ファイナンシャルプランナーなどの多くの人が、「繰り下げ受給が得」というようなことを言っています、配偶者がいる人の場合は「繰り下げ受給が『損』」となるのが一般的です。

以下「蛇足」

余分な計算ことですが、配偶者との年齢差が年金の累積受取額にどのように影響するかもお話ししておきます。

年齢差がゼロの場合は、もともと「加給年金」を受け取れません。(配偶者と同時期に配偶者のほうも年金を受け取れからです)
もし配偶者が20歳年下だとすると、85歳の時点では、加給年金がなくて繰り下げもしない場合の累積受取額は2383万円です。
20歳の年齢差があって繰り下げ受給すると累積受取額は3201万円になります。
その差は818万円(約34%)も多くなります。 あ、ごっつぁんです~(_O_)(ぺこり)(笑)。

[2019年5月12日の追記]

日経マネーの2019年6月号を書店で立ち読みしました。
「特集2 年金の一番得するもらい方」が、とてもよくまとまっている記事だと思います。

内容は以下の通りです。
・年金の一番得するもらい方 現役時代から知っておきたい
・受給開始年齢引き上げはある? 年金の最新動向を押さえよう
・年代&働き方別にもらえる年金額を予測
 ライフスタイルで差がつく 「65歳時点の年金・月額」
・見込み年金額が分かれば的確に人生設計が描ける 「ねんきんネット」 を活用しよう
・年金の繰り上げ ・ 繰り下げのメリットとデメリットを知る
 受給開始は60~70歳の範囲で選択可能
・お得な受給開始タイミングを検証! 生涯受給額&手取り額も要チェック
・働き方を工夫すれば年金は増やせる! 「68歳まで働き受給繰り下げ」 が王道?
・年金受給時期と仕事のバランス お金のプロ3人が語る

2019年1月25日 (金)

(779) 現物投資用不動産(マンション)とREITを比べてみる。

(779) 現物投資用不動産(マンション)とREITを比べてみる。

「(777) 大阪で所有している賃貸マンションの売却シミュレーション」で、「あとで、 REIT を買う場合の想定利率を入力する、もう一つの「←」矢印のこともお話しましょう」と書きました。

当該マンションの売却が終わったら、その資金で REIT を買うつもりでいます。そのため、現物の投資用不動産(マンション)の投資と、REITへの投資とをくらべて考えてみます。

現物不動産とREITは同じように不動産関連の投資ではありますが、証券化されたREITは現物不動産とは大きく異なります。性質が違う投資をどちらが有利とくらべてもあんまり意味がないと思いますから、ここでは価値の増減だけを考えます。

現在(1月18日 )のJ-REITの平均分配金利回りは 4.07% で、いちばん利回りが高い銘柄は6%台後半です。まぁ、利回りが高めの銘柄に平均的に投資すると、6.5%くらいになります。

そこで、平均利回りを6.5%としてREITに投資する場合と、当該マンションを売らずにマンション投資を続けていく場合の資産の増え方を比べてみてみます。

7996_4(A)当該マンション投資は、売却するとしたら1100万円、ローン残高522万円、家賃は現行の6.8万円と設定しておきます。REITに投資できるのは、売却価格の1100万円からローンを返済した618万円です。じっさいには不動産の売却手数料などがかかりますから、手元には600万円以下ですね。でも現実不動産のほうも設備の費用などがかかりますから想定よりも利益は低くなります。

7999_3先に、当該不動産投資を続ける場合の資産の増加をグラフ化します。現時点の資産は600万円くらいで、10年後に1000万円くらいです。

(B)REITの投資は投資信託よりも債券投資に似ています。株の配当金や債権のクーポンのように「分配金」を受け取ります。ですから利回りっていうのは分配金利回りのことです。配当やクーポンや分配金は定期預金のように「単利」ですね。しかし、分配金を再投資すれば、現物不動産の「単利」的な資産増加と違って、「複利」的に資産が増えます。

7997_2そこで、上記の6.5%の利回りを「単利」と「複利」の両方で計算してみます。(黒く塗ってある部分)

7998図のグラフで、上向きになっていく一番上のグラフ線が「複利」計算の場合です。
いちばん下の直線がREITの「単利」計算で、真ん中のグラフ線が当該不動産の場合です。

こうして比べてみると、この先10年間くらいでは、3者ともあんまり違いがないですね。

違いが出てくるとしたら、現物不動産にしてもREITにしても、景気の波の上下でしょう。

ただ、現金化しやすいかどうかということを考えると、だんぜんREITのほうに軍配があがるでしょう。

(778) 大阪の中古マンションは売り時でしょうか?

(778) 大阪の中古マンションは売り時でしょうか?

前項では、私が所有している賃貸マンションについて、売却シミュレーションを作成しました。
今回は、「いまは中古マンションの売り時なのか?」を考えます。

「大阪 中古マンション 市況」というキーワードで、google検索してみました。現状を報告するサイトがいくつもあります。

たとえば、、、

Oosaka(1)「大阪の不動産はバブルなのか?ええ、大阪市のマンションがバブっています」(2018/08/20)
https://iqra-channel.com/osaka-city-mansion-bubble
このサイトでは、「
戸建を含めた大阪の不動産がバブっているのではなく、全体的に見て大阪市のマンションがバブっているといえる」と、グラフ付きで説明しています。

18_2(2) 「市況トレンド 2018 年 7~9 月期の近畿圏市場 - 近畿レインズ」
www.kinkireins.or.jp/rte/shikyo-1/shikyo-zenpen.pdf

こちらのサイトでも、「成約価格は大阪市が12期連続、兵庫県他は11期連続で前年比プラスとなり、大阪市と大阪府北部、神戸市、兵庫県他、和歌山県の平均価格は、7~9期としては2000年以降で最も高い水準となった」と、説明しています。

このようなサイト記事を読むと、大阪圏はバブルのように価格が上昇している地域で、いまが「売り時」であることがわかります。

「大阪のマンションは、いつ売ったらいいの?」「今でしょ」という感じでしょうか。(笑)

上で示したようなグラフを見ると、不動産投資というのは不動産価格が比較的安い時に購入して、賃貸(家賃)収入でコツコツ利益を上げながら、不動産価格が高騰した時に売りぬくことで大きな利益を得る、という投資法であることがよくわかります。

このような不動産投資が可能である対象物件は、おそらくファミリータイプのマンションと、大規模な事業用物件なのだろうとおもいます。
私の場合、大型物件には手が届きませんから、「(688)ワンルームマンション投資はくれぐれも気を付けてください」でお話ししたようにファミリータイプのマンションを対象にするしかないだろうと考えています。http://we-love-200lx.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/688-0105.html

ここでは、「ファミリータイプのマンションは、ワンルームマンションと違って、収益不動産という側面のほかに、実需の不動産という面があります」「つまり、ひとつのファミリーマンションに対して、二つの(金銭的)価値観で評価されるということになります」
「そういうことで、ファミリータイプのマンションは、価格が下がって収益性が高いときに購入して、価格が上がって収益性が下がったときに売ることで、今回私が売却したようにキャピタルゲインを得ることができます」とお話ししました。

ファミリータイプのマンションを投資対象にするのは面白い投資法ではありますが、入居者が居住している賃貸中の物件として売却すると、きょくたんに安くしか売れないというのが、ちょっと難点だと思います。

(777) 大阪で所有している賃貸マンションの売却シミュレーション

(777) 大阪で所有している賃貸マンションの売却シミュレーション

今回は、私が大阪で所有している賃貸マンションの売却を検討しているので、それについてのお話しいたします。
管理を頼んでいる不動産屋さんから、今年の2月28日までに入居者が退去するという連絡が入りました。
そこで、賃貸を続けるのと、売却するのとでどちらが有利かを検討する必要が出てきました。

HP200LXに搭載されている金融電卓の中のTVM (Time Value for Maney )を使うと、ローンの詳しい計算が手軽にできることはご存じのとおりです。さらに、表集計アプリケーションであるLotus123が搭載されていますから、いろいろシミュレーションして結果をグラフ化して検討することができます。

いままでも、「(682)マンション投資で利益がでる(稀な)例」 や、「(684)マンション投資のこと。今は不動産バブルの状態か」
「(688)ワンルームマンション投資はくれぐれも気を付けてください
「(694)不動産投資のご注意と、人生設計の絶対公式についての補足」
などでお話ししていますので、そちらの記事も参考にしてください。

今回は、賃貸を続けるか、売却してしまうか、あるいは資金を REIT に投資するか、などを検討したいので、新しいシミュレーション表を作りました。「20190124.LZH」をダウンロード

その画面を見ながらお話ししましょう。

9999_3画面の上半分左側1/4に、当該マンションに関する数字を記入するようにしてあります。
「想定売却価格」「「現在のローン残高」「購入した時の価格」「確定申告の期末簿価」などです。

そのすぐ下に、「現在の家賃」「管理費」「ローンの返済額」「返済の金利分」「年間の固定資産税」などを記入してあります。

右上のほうには、アパートローンに関する数字を記入してあります。

これらの数字の中で、今回シミュレーションするのに重要な数字は、「←」矢印をつけてある、「売却の想定価格」と「賃貸を続ける場合の家賃収入」です。

住宅ローンを組めば返済金額などはそのまま何十年も続きますし、マンション管理費や固定資産税などもほとんど変わらずにず~っと続きます。

他方、変化する要素のおもなものは、家賃の価格変動と、修繕費などの必要な経費ですね。
今回は、その変動に加えて、いくらぐらいで売却できるかという金額がシミュレーションの対象になります。それで「←」矢印をつけてあるわけです。(あとで、 REIT を買う場合の想定利率を入力する、もう一つの「←」矢印のこともお話しましょう)

あ、そうだ。HP200LXのTVM (Time Value for Maney )と Lotus123 を組み合わせて使うと、簡単にローン返済表を作れることはご存知だと思います。いちおう、次の記事で説明しましょうか。
ローンが絡んだシミュレーション計算をするときに、200LXが作ってくれる返済表をベースにして計算するのが計算しやすいです。今回のシミュレーションも、金融電卓とLotus123が作るローン返済表をベースにして考えています。

そういうことで、画面の下半分は200LXのローン返済表を活用する形で作ってあるわけです。

Aの行は年齢を入力するようにしています。Bの行は西暦です。Cは年間の家賃収入を自動計算、Dは管理費と固定資産税を自動計算、Eはローン返済金額を自動計算。すると、年間の収支が計算できますので、Fの行で自動計算しています。Gの行では(あんまり意味がありませんが)ローン返済のうちの利子分の還付を計算しています)

Hの行で、前年までの収支とその年の収支を累積して計算しています。Iの行では、売却想定価格から毎年1%ずつ売却価格が下がると考えて自動計算しています。後述するように市況によって中古マンションの価格が大きく変動します。経年変化による価格の下落はわずかです。
Jの行の数字は、200LXが作ったローン返済表から手作業でコピーしたローン残高を記入しました。

最終的には、 K の行の数字を得たかったのです。

Kの行の数字は、その年に、ローンを返済してマンションを売却した場合に、手残りがいくらになるかを計算しています。ここでは、税金を考慮していません。

9998_2マンションを売却した場合の手残り(Kの行の数字)をグラフ化してみます。このときの条件は、売却想定価格を1100万円、家賃を7万円、マンション管理費は2.2万円、ローン返済額は8.6万円、固定資産税6.9万円です。

グラフでは、今の時点で売却処分すると600万円程度の手残りになることがわかります。10年後は1040万円くらいです。このマンションを保有している価値としては、平均すると年間で44万円くらいずつ増えていくということです。

9997_2シミュレーションが目的ですから、条件を変えてみます。売却価格を700万円とにします。家賃を6.5万円としてみます。すると現時点で処分した場合は、200万円の手残りで、10年後の価値は600万円です。年間で40万円ずつ価値が増加していく計算です。

賃貸住宅の家賃は価格硬直性がありますから、あまり大きくは変わらないものです。

今回、1100万円で売却処分できるか、あるいは700万円くらいでしか売れないのかで、手残りが大きく変わってくることがよくわかります。いったい、いくらぐらいで売れるものなのでしょうか? 

そもそも、現在は中古マンションの売り時なのでしょうか? それとも売り時ではなく買い時なのでしょうか? 次の項で考察することにします。

2018年11月 6日 (火)

(766) 日本が財政破綻すると、どれくらいのインフレになるのだろうか?

(766) 日本が財政破綻すると、どれくらいのインフレになるのだろうか?

以前、私自身が「日本もそのうちにインフレが来るだろうと以前から考えています。「国家破綻」にまでは至らないだろうとは思いますが、1ドル400円くらいの円安にはなるだろうと考えて、身構えています」と書きました。((758) 『ハイパーインフレの悪夢』とベネズエラの現実

しかし、実は1ドル400円の円安という数字に根拠はありませんでした。また、今まで多くの財政破綻関連の本を読みましたが、どの程度の円安になるか、どの程度のインフレになるかということを、根拠を示して論じている本を見かけたことはありません。

そこで、今回は、断片的・独断的ではありますが、日本の財政破綻によってどれくらいのインフレ・円安になるかを考えてみます。

I. まずは、基本的なところから、日本の財政状況を見てみます。

財務省 Ministry of Finance Japanの「国の支出と収入の内訳は?」を見てみると、

Sainyuu歳出・歳入が98兆円ということですから、支出は約100兆円規模と考えてよいです。一般会計の歳入のうち、「租税及び印紙収入」は約60%の59兆円で、公債が34.5%33.7兆円です。
「租税及び印紙収入」のうち「所得税」は19.5%の約19兆円、「法人税」は12.5%の約12兆円、消費税が18.0%の約17.6兆円、その他の税収が10.6%約10兆円です。

今回、いちばんわかりやすくて計算しやすい「所得税」だけを計算して、それを元にして考えていくことにします。

Saishutu財政破綻を避けるためには、まずはプライマリーバランスがとれることを目標にすればよいでしょう。
「基礎的財政収支」を「租税及び印紙収入」でまかなえばプライマリーバランスがとれるだろうと単純に考えてみます。
具体的な金額でいうと、「租税及び印紙収入」の59兆円が1.26倍に増えて、基礎的財政収支の74.4兆円の規模になれば良いだろうということです。

そういうことで、インフレ・円安によって「租税及び印紙収入」が1.26倍になる状況を目指して計算を進めていきます。
(考えとして飛躍しすぎですが)インフレ・円安によって「所得税」が1.26倍になれば、「法人税」「消費税」「その他」もほぼ同じように1.26倍になると仮定してしまいます。
(もちろん、そんなに単純なはずがないのですが、私の能力では複雑にシミュレーションすることができません)

KyuuyokaikyuII. そこで、現在の所得税がどのように徴収されているかを見てみます。

国税庁のサイトの「給与階級別の税額」の表をそっくりそのまま、200LXのLotus123に入力して、検討することにします。

5998この「給与階級別の税額」では、納税者を「給与階級」で区切って、その階級ごとに構成比や納税額を示しています。

8996階級ごとの納税者数をグラフ化してみると、「年収」が300~400万円の階級に属する人が最多で、19.3(千人)いることがわかります。また、1000~1500万円の階級に5.7(千人)いることもわかります。

7998100万円の幅の中のいくらの金額を、この階級の代表値にしたらよいか検討したところ、100分の15の金額を階級の代表値にすると国の所得税収をうまく計算できることがわかりました。

「年収」が100~200万円の階級では「年収」115万円を代表の値とします。年収が1000~1500万円の階級の代表値は1075万円とします。こうすることで、計算がしやすくなるということです。

5997「年収」から「所得税額」を計算するのは、以前の「(663)200LXのsolverで、年収から手取り額を概算する」でお話したsolver式を使います。

たとえば、1000~1500万円の階級の代表値を1075万円とすると、所得税は97.78万円と計算できます。

7998_2この階級の人数は1995(千人)ですから、計算上のこの階級の所得税収は97.78万円×1995(千人)=19507.1億円計算されます([AI56]のセル)。実際の税収は[AH56]のセルにある20759億円で、ほぼ一致します。

このように各階級ごとに計算して、全部の階級の税収を合計すると右下[AI61]のセルの95272.9億円となります。実際の合計税収は[AH61]のセルにある94506億円です。この2つの数字の一致率は1.00811でほぼ同額となります。

7999どのように一致しているかをグラフ表示してみます。計算した税収の総額と、実際の税収の総額はほぼ一致するものの、図のようにズレが生じています。
どんな要因によるズレなのかはわかりませんが、納税者全体として考えて実際の合計税収にほぼ一致しているので、これで良いことにして先に進みます。

これから本題に入ります。

8996_2III. まずは、現状から2倍のインフレになったと想定してみます。図で示した各階級に属する人たちの収入がそれぞれが2倍になったとして、税収がどのように変わるかをもう一度solver式で計算します。

5996上で示した1075万円の年収が2倍の2150円になった場合の所得税額は414.66円と計算されます。

5995このようにして、2倍になった年収での所得税額を各階級ごとに計算して、その階級に所属する人数を乗じて、それらを合計してみると417511億円となります([AJ81]のセル)。これは、実際の税収の4.41倍の税収と計算されます([AK61]のセル)。

つまり、全給与所得者の年収が2倍になると、国の所得税の総額は4.41倍になるということです。

6996収入が2倍になると所得税の税収が4倍以上にもなるというのはちょっと驚きです。では、給与収入が1.5倍ではどうか? いや1.2倍ではどうか? と、給与収入の増加によって所得税収がどのようになるのかを計算してみてました。


6999_2数字の羅列では理解しにくいので、200LXの関数電卓のList Stat に入力して、グラフ表示してみたのが左の図です。([Forecast]で表示させます)
図のように。各ポイントはきれいな線の上に乗っています。

6998この曲線の式を見てみると、傾きが2.13で切片が1.02のExponential Curve です。式は、「所得税収=8^(給与の増加×2.13)+1.02」です。XとYの相関は1.00ですから、ほぼ完全にこの曲線の上に乗っていることがわかります。

4999ここまで計算してきたところで、この項の最初に提示した設定「インフレ・円安によって「租税及び印紙収入」が1.26倍になる状況」を計算してみます。
所得税収が1.26倍になるための給与増加の割合は1.11倍と予想(Forecast)できます。つまり、現状よりも11%のインフレになれば、とりあえずのプライマリーバランスが取れるだろうということです。

もちろん、現実がこんなに簡単にシミュレーションできるはずありません。
また、給与の増加が直接的に税収の増加に結びつくわけでもありません。
放っておいても社会保障費などはどんどん増加していきますし、国の歳入が増えればそれに伴って歳出も増えていくはずです。

しかし、今回、大雑把な上にも大雑把な計算をしてみたことで、国の財政逼迫が進むにしても、私が考えていたほどには大幅なインフレにならないんじゃないかと思うようになりました。

第一次世界大戦後のドイツや、第二次世界大戦後の日本ではハイパーインフレがおこりました。日本ではその後預金封鎖が起こり、デノミネーションも実施されました。しかし、現在の積み上がった国家債務はそういう状況とはかなり違うと思います。

日本でこれから起こると予想されるインフレは、そういうインフレ・ハイパーインフレとは惹起するメカニズムも違うのではないかと思います。

そのように考えてきて、この項の冒頭に書いた「1ドル400円くらいの円安にはなるだろう」というのは、せいぜい1ドル200円の円安程度にしかならないんじゃないかと考えを改めました。

もしかしたら、1ドル150円程度の円安とそれに伴うインフレくらいで財政破綻が回避されて、積み重なっている巨額の赤字もその後徐々に解消されていくのではないかと考えるようになりました。

(今回計算に使ったwk1シートをアップしておきます)200LXの液晶画面よりも広い画面で計算していますので、計算シートの広がりはパソコンの上のOpenOfficeなどで見てください)

(グラフは200LXでなければ表示できないと思います)3種類のグラフが入っていますので切り替えて表示してみてください)「ZEISH.LZH」をダウンロード

2018年10月25日 (木)

(764) 遺言書作成を弁護士に依頼するのは、ずいぶん高額.

(764) 遺言書作成を弁護士に依頼するのは、ずいぶん高額.

私は週に数回大型本屋さんに行って大量の本を立ち読みしてきます(ジュンク堂さんごめんなさい)(笑)。

71pnきょうは、新書の棚で『いますぐ遺言書を書きなさい』 (マイナビ新書)(発売2018/10/24)(大瀧靖峰著) を見かけたので、ざっと読んできました。

以前に「(602)遺言書作成の手引きは、ほとんどが非現実的だ」(2012年9月25日)というお話をしましたが、上記の本も、私としてはまったくお勧めできない内容でした。
そこで、この本の内容のことと、遺言書をどのように考えたらよいかということについてお話しようと思います。

まずは、上記の本の内容についてです。本の表紙の画像はAmazonから拝借しました。「内容紹介」もAmazonから拝借します。
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遺言は年をとってからゆっくり書けばいい? いやいや、いつ書くの?今でしょ!

「遺言書を書くのなんて、遠い先の話だ」、そう考えていませんか?
そう考えていると、イザ! というときに手遅れになります。

遺言書は家族への最高の贈り物。ラブレターです。
書くのは早ければ早いほどよいのです。

何となくその必要性を感じつつも、書いてこなかった「遺言書」について、その必要性を、弁護士である筆者が受けもった事例を交えつつ解説します。

遺言書によって、親族による骨肉の争いを避け、遺産相続の手間を省き、あなたの思いを大切な人に伝えましょう!
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これを読むと、本のタイトルも本の内容も良いと思います。要するに「なるべく早くに遺言書を書いておくのがよい」ということです。

そのことについては、「そのとおり」「早く遺言書を書いておくのが良いですよ」とお勧めします。
私もまったく賛成です。

でも、私はさらに付け加えたいことがあります。「いますぐ書く遺言書は、完全な遺言書でなくてもよいのです」「数カ月なり数年してから読み返して、さらによい遺言書に書き直す」ことをお勧めしたい。

、、というのは、自分の家族に対しても、財産に対しても、考え方が変わるものだからです。もちろん、考え方が変わるだけじゃなくて、実際に孫が生まれて家族が増えたり、あるいはだれか死亡して家族が減ったりもします。財産自体も増えることもありますし減っていることもあります。

遺言書を書いたことがない方は、「数年で家族や資産や状況がそんなに変わるかなぁ?」「家族や資産に対する『考え方』が変わるものかなぁ?」とお思いになるかと思います。

『変わります!』 自分でびっくりするほど変わるものですよ。
ご自身で遺言書を書いたことがある方なら、「そうそう、大幅に変わるんだよ」と実感すると思います。

「自分は変わらないと思うなぁ」という方は、それはそれで良いのです。それでも遺言書を書いてみることをお勧めします。

「自分は変わる可能性が高いなぁ」と思う方も、やはり、遺言書を書いてみることをお勧めします。

そういうことで、遺言書を書くのは一回だけではないのです。遺言書を書くのが早ければ早いほど、死ぬまでに書き直す回数は多いと思います。(そりゃ、当然でしょう)

私自身は、まだ30年くらい生きると思います。5年に一度ずつ遺言書を書き直すとしたら、6回書き直すという計算になります。

ところで、遺言書は大きく分けて「自筆遺言書」と「公正証書」の2種類の遺言書があります。

上記の本は弁護士さんが書いているため、「公正証書」遺言を勧めています。本の中に遺言書作成の費用が書いてあるかを探してみたら、相続財産が2900万円の例が書いてありました。費用は52万9200円だそうです。もちろんこれは概算で、CASEによって違ってくると但し書きがありました。

私の場合に当てはめれば、たったの2900万円の資産だとしても50万円×6回→300万円の遺言書作成の費用がかかるということなってしまいます。

222450新聞に掲載された「費用の目安」もご紹介しておきましょう。
2017年5月6日の日本経済新聞の記事です。右上の表には、1億円以下なら5万4000円とあります。

記事内容には、「弁護士や司法書士らに手伝ってもらうと少なくとも数万円の費用が上乗せされる」とも書いてあります。

また、「公正証書を作成する当日には、利害関係のない証人2人が立ち会わなければならない」ともあります。「公正証書遺言書」を作る方は参考にしてください。

私自身が作成している遺言書は「自筆遺言書」ですので、こんどはそのことをお話しましょう。

222720民法が改正されることで、2019年1月からは自筆遺言書が書きやすくなります。

新聞記事によると、遺言書関連の改正の要点は、(1)財産目録の部分はパソコンで書いて良い、(2)自筆遺言書を法務局に持参すると法務局で保管してもらえる、(3)法務局では自筆遺言書が法律的に有効かどうかをチェックしてくれる、(4)チェック済みなので、相続が発生したときに「検認」の手続きが不要になる、ということです。

いままでは全文を自筆で書かなければならなかったので、それがけっこう大変でした。民法が改正されるとかなり楽になります。(私の感覚からいうと、労力は全文自筆の半分以下になると思います)

それにしても、自筆遺言書を作るのはけっこうたいへんです。私が作るときは「よいしょ」っていう感じでとりかかって、一日かかりで作成します。とても面倒です。

222527確かに、自筆遺言書を作っておくのが良いのですが、この新聞記事のように、資産の一覧表だけでも作っておくのが良いと思います。

一覧表があれば、万が一、相続が発生したときに遺族はずいぶん楽だと思います。

この新聞記事には、「定期更新が大事」と書いてあります。そうなんです。上に書いたように、資産はかなり変化するものなんです。

「資産の一覧表」を作って余力があれば、エンディングノートも作っておくのが良いと思います。
というのは、家族が死んでから、遺言書がじっさいに効力を発揮するまで数ヶ月かかってしまうからです。
遺言書に書かれた内容が実行されるのは葬式が済んでから数ヶ月後のことです。その数ヶ月の間にするべきことを、エンディングノートに書いておくのが良いはずです。エンディンノートについては「(544)デジタル版「もしもノート」を作った」の記事を参考にしてください。

最後に「遺言書」のことを、もう少し追加して書いておきます。

ネットで検索すれば、「遺言書が法律的に有効かどうか」「遺言書の内容はどのように書くのが良いか」を、低額でチェック・添削してくれる法律家(行政書士など)を見つけることができます。

自分で書いた遺言書を専門家に添削してもらうと、より良い書き方を知ることができます。なによりもありがたいのは、遺言書が法律的に有効であるとチェックしてもらえることです。

自分の自筆遺言書を添削してくれた行政書士にとても感謝しています。

(今回のお話はざっと書いたので、あとで多少訂正すると思います)

2018年9月11日 (火)

(760) ファイナンスを学ぶにはツールが必要。

(760) ファイナンスを学ぶにはツールが必要。

Img_20180910_092246_2最新号(2018年9月15日)の週刊ダイヤモンドの特集は「ファイナンス思考」でした。副題に「PL脳をぶっ壊せ!」とあります。

今回は、「ファイナンスを学ぶにはツールがないと難しいでしょう」ということと、「ツールとしてはHP200LXが最適でしょう」ということをお話します。

Img_20180910_122300この特集の最初の方に、ここで言っている「PL脳」とはどんなことか、「ファイナンス思考」はどういうものか、ということが書いてあります。

「PL脳」とは、「目先の売りあげや利益を最大化することを目的にした短期的ジリ貧の発想」とあります。ほかのことは考えなくていいから、とにかく売上をあげろ」ということのようです。でも、今どきそんな会社があるかなぁ、、

他方の「ファイナンス思考」は、「将来に稼ぐと期待できるお金の総額を最大化しようとする未来志向の発想」だそうです。ま、言いたいことはわかります。

この特集全体のあとのほうに書いてあることはともかく、この見開き2ページは過不足なく、とてもまとまってうまく書かれています。(図の文字が小さくて読みにくくてすみません)

このページのあとに、ストーリー仕立てになった話が続きます。私は、そういうストーリー仕立てはキライです。「お話」になっていることで問題の焦点をぼかしてしまうと思います。ぎゃくに箇条書きになっていて、スバリと本質なことが書いてあれば読む気になりますが、くだらないストーリーはまったく読む気になりません。

Img_20180910_122333_2この特集で、引き続いて書いてあるのは、「世界動かすGAFAの財務」という説明です。GAFAというのは、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンのことです。
「日本企業とは桁違いの財務戦略によって、驚異の成長と競争優位性の確立を果たしてきた」とありますが、そうでしょうか?
業態が違えば、財務戦略は大きく違うはずです。GAFAは基本的には情報産業ですから、トヨタなどの製造業とはまったく違います。

同じ業態の中での財務戦略の違いを論じるなら話としては面白いかもしれませんが、比較の対象がなくてこの業態だけを論じでもどうかなぁ、、、

「最初に注目したいのが、PLの研究開発費だ」とあります。この業態では、自転車操業のように、研究開発費をかけていかなければ進歩・成長がないのです。巨額の研究開発費を続けるのは当然のことで、驚くようなことじゃない。

また、ここでは研究開発費が巨額であることを書いていますが、「額」ではなく、売上や利益に対する研究開発費の「率」を問題にすべきだと思います。

Img_20180910_122351このページは、「PL無視の異次元戦略で世界をのみ込む」「なぜアマゾンは最強なのか」というタイトルになっています、アマゾンは設立されてからしばらくはずっと赤字が続いていたでしょう。
赤字にもかかわらず巨額の投資をしてきた企業です。
このやり方は一種のバクチだったんじゃないですか?
当事者としては勝算があっての戦略だったと思いますが、常識外れの戦略だったと思います。

賭けに勝った企業を見て、あとづけで「すごい」って言っているだけのように思います。

今後、アマゾンがさらに大きくなって、大きくなりすぎてしまえば、戦略を変更していく必要が出てくるはずです。池の中に住む巨大クジラが無限大に大きくなれるわけではないですから。

Img_20180910_122416さて、特集の最後に「超基礎だけ理解」「ファイナンス入門というページがあります。

ここでの解説は、ほんとにサワリだけです。

「本特集はPL脳に陥らないためにファイナンス思考を備える必要性を強調することに主眼を置いている」「ファイナンスの具体的なスキルを全て伝授することは目指していない」とあります。「ここでは、ファイナンスの概念や手法だけをお伝えする」のだそうです。

左側のページでは、「現在価値」について説明しています。
次のページで、「現在価値」の考え方の応用として、「NPV(正味現在価値)」、「IRR(内部収益率)」が説明されています。さらに、読み飛ばしてOKとして、「WACC(加重平均資本コスト)」にも触れています。

それくらいの説明で、今号の「ファイナンス思考」の特集は終わりです。

Img_20180910_141824週刊ダイヤモンドは、約1年前にも「会計&ファイナンス」「超理解」という特集号を出していました。「これからの必須スキル」「まるごと一冊」と表紙に書いてあります。

この号は、会計についてはいろんな企業のケーススタディです。系統的に学習できるわけじゃない。
ファイナンスについても、考え方・概略を紹介しているだけです。

今回の特集を読んでも、約1年前の号を読んでも、こんなに大雑把な解説で理解できる人がいるんだろうか?と思います。

この項の最後に、私がお話したいカンジンなことを書いておきます。

「会計」の学習では、いろんなcaseについて、自分の手を動かして電卓などで計算しないと身につかないです。
概説本を読んで表面的にわかった「気」になっても、すぐに忘れてしまいます。実務での応用もききません。

「ファイナンス」の学習は、「会計」よりもさらにやっかいです。
というのは、「会計」は足し算と引き算の世界なので電卓で間に合うのですが、「ファイナンス」は関数の世界なのです。エクセルなどの表集計とか金融(ファイナンス)電卓などの特殊ツールがないと、学習さえもできないです。まったく応用はききません。

ファイナンスを学習するツールとして、もっとも手軽なのがHP200LXです。エクセルではないですが、LOTUS123という表集計アプリが装備されていますし、(今でも)最強の金融電卓が装備されています。

HP200LXは、ファイナンスの学習に関して、20年前からず~っと最強の学習ツールだと思います。しかも、それが中古で数万円で入手できますから使わない手はありません。

アマチュアの私がファイナンスを学習するのには、200LXはいいおもちゃです。ただ、ファイナンスのプロが実務に使うとなると、、、たぶん、エクセルを使わざるを得ないだろうと思います。

2018年9月 4日 (火)

(759) インフレや国家破綻、大規模災害に対応できる資産フォーメーション。

(759) インフレや国家破綻、大規模災害に対応できる資産フォーメーション。

前項の続きです。

41c4fujwinl_2アマゾンのサイトで見てみると、『国家破産はこわくない』(橘玲著)の内容紹介には、
「2020年以降、日本の国家財政は破綻する──。これはたんなる推測ではなく、財務大臣の諮問機関が2015年10月9日に公表した「我が国の財政に関する長期推計(改訂版)」にはっきり書いてあることです。
財政収支を改善できなかったらどうなるか、経済官庁のなかで内密に議論されていたことがいまや公の場で当り前のように論じられるようになり、その「可能性」を否定する人はもはやいません」とあります。

国の機関が2020年以降に日本の国家財政が破綻すると公表しているとのことですね。
確かに、GDPの何倍かの累積した財政赤字があって、現在も歳入の倍くらいの予算を使っている国ですから、このままでは一直線に財政破綻に進むと思います。
でも、私の考えは、現在のベネズエラのような形で破綻するのではなく、大幅な円安になることで累積した財政赤字が縮小して落ち着いていくのだろうと予想しています。

いっぱんに、財政破綻に至るには、1.大幅な円安、2.大幅なインフレ、3.増税、が起こってくると言われています。国としては、国家予算を縮小せざるをえません、予算の縮小は、おもに社会福祉関連の予算を減少させることになると思います。

以前に、「アマゾンの書評を読むのも読書のうち」というようなことをお話しましたが、今回も『国家破産はこわくない』のレビューを読んでみます。中には秀逸なコメントがありますので引用します。

「2級を目指す者」という方が、本書を要約してくれています。感謝。
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「財政破綻ときくと円が紙くずになりそうなイメージがある「しかし」「ある朝、目覚めたら日本円が紙くずになっていた、などということは絶対にない」

「アベノミクスの楽観、悲観、破滅(1~3)ごとに今後のシナリオを設けてそれぞれどうしておけば良いのかというと」

「第一ステージ:国債価格が下落、金利が上昇する」
「第二ステージ:円安とインフレが進行し、国家債務の膨張が止まらなくなる」
「破滅ステージ:日本政府が国債のデフォルトを宣告、IMFの傘下に入る

「第一ステージでは、普通預金が最強の金融商品」
「第二ステージに入れば、以下の三つの対策」
●国債ベアファンド  (日本国債が下がると、利益を生まれる)
●外貨預金
●物価連動国債ファンド(インフレになるほど、価格が上がる)

「可能性は極めて低いが、「預金封鎖」「新円切り替え」などが起こる破滅ステージでは、以下の対策」
●日本国債ベアETF
●海外銀行の外貨預金
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アマゾンのレビューはありがたいです。

「元国債トレーダー」の「ところてん」という方のレビューも一読に値します。
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「なかなかいい本です」
「著者が言いたいことは「構造問題はいずれ顕在化する」ということに尽きると思います」
「著者が勧めている「普通預金」についても、いくつかの金融危機を現場で経験したものとして納得できるものがあります」
「パニックの時には一番に「流動性が枯渇」するからです。リーマンも山一もこれで潰れました」
「次の危機の際は、「日本国政府」だけでなく「あなた」の流動性が枯渇するとも限りません」

「いずれにしても日本がバブル期並みの5%程度のGDP成長率を達成し構造問題が「解消」でもしない限り、将来のある時点で「構造問題が顕在化」し政府の資金繰りが行き詰まり、大幅な財政支出の削減が必要になる可能性はそれなりに高いと思われます。その場合は、医療費のカット、公務員の給与カット、不要不急の公共事業などのカット、補助金の大幅見直しなどによるドラスティックな支出削減は避けられないと思います」
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・私も、これはそのとおりだと思います。それに加えて「年金などの社会福祉予算のカット」も実施されると思います。

「ちなみに実務に携わったものとして、今一番心配しているのは「南海トラフ地震」です」と書いていますが、私は、自然災害や北朝鮮からのミサイルとかは考えてもしょうがないと思っています。なにがきっかけになるかはわからない。問題なのは、きっかけではなくそれに続いて起こってくるインフレや財政破綻です。

将来起こってくるインフレや財政破綻について、いろんな人がいろんなことを言っていますので、それらを考察してもきりがないですね。いろいろんの案は玉石混交ですし、実際に起こってみないと、どれが正解とも不正解とも言えません。

最後に、私が考える平時および危機対策の資産フォメーションについてまとめておきます。

(1) まったく収入が途絶えたときでも、平時なら1年間くらい生活できるだけの「手がね」は用意しておく。これは、流動性が高い必要があります。普通預金でも定期預金でも良いと思います。(国内で生活することを考えて円預金です)

Yamatati(2) それ以上の金融資産は投資信託にしておく。これは、橘玲や山崎元の著書(左図)にあるように、日本株と世界株のETFなどに50%ずつ投資するのが、まぁ原則だと思います。個人的には「ひふみ投信」のようなアクティブファンドとか、高配当のリートなんかも良いと思います。

(3) 国債価格の下落とか、金利上昇などのインフレサインが出てきたら、海外資産の比率を上げる心づもりをしておく。(金利が2~3%くらいを考えています)

(4) さらに資産に余裕があれば、海外の証券会社・銀行の口座を作って、海外資産の届け出が必要になる5000万円以内で、金融商品を買っておく。(これはバフェットさんのいうようなNYダウのETFとか世界株ETFなどがよいと思います)(そしたら、前項のベネズエラの話のように、5~6年は国外に居住できます)(国家破綻の混乱は、数年で沈静化すると言われています)

私自身は、平時のことも、ハイパーインフレや国家破綻時のことも考えて、なるべく上記のフォーメーションに近づけています。

ついでにいうと、「金の延棒」とか「不動産」のような現物資産は、最低限の保有にとどめるのが良いと考えています。流動性(現金化)に難があることと、海外(あるいは国内の辺境地)に避難するときに足手まといになると考えるからです。

ただ、状況によっては国内の居住用不動産を購入するのも良いかもしれないとも思います。国家破綻時には、外貨資産は高騰していて、不動産価格は暴落しているでしょうから、自給自足用の耕作用地込みの不動産を入手して、隠棲してしまうこともひとつのオプションとして考えています。

(758) 『ハイパーインフレの悪夢』とベネズエラの現実

(758) 『ハイパーインフレの悪夢』とベネズエラの現実

私は、日本もそのうちにインフレが来るだろうと以前から考えています。「国家破綻」にまでは至らないだろうとは思いますが、1ドル400円くらいの円安にはなるだろうと考えて、身構えています。

この項では、最近の新聞記事をネタ元にして、インフレのことをお話しようと思います。

Img_20180829_1450368月29日の日経新聞に「ベネズエラ、通貨29%下落」「デノミから1週間」「国外脱出も深刻」という見出しでベネズエラのことが掲載されました。

すぐ横にはトルコのことが、「トルコ物価高一段と」「リラ急落消費に陰り」とグラフ入りで掲載されていました。

それぞれの国で、インフレになる背景に違いはあるのでしょうが、新聞を読むと、庶民の生活はかなり苦しくなっているようです。

Img_20180902_142055そのようなことを考えているうちに、9月1日の日経新聞に、「通貨安、新興国で『伝染』」「先進国にマネー退避」という記事も掲載されました。

この記事には、新興国の通過下落の比較グラフが載っています。トルコリラもアルゼンチンペソも、一ケ月で価値が30%前後下落しています。

日本でも、私が生まれる以前、第二次世界大戦後に、ハイパーインフレになってデノミが実行されたと聞いています。

しかし、当時の日本のインフレとデノミの中で、庶民の生活がどのように大変だったのかというのは、よくわかりません。私の両親はその時代に生きていたので、よくわかっていたはずですが、そのころのようすを聞いたことはありませんでした。

将来、日本でもきついインフレになるだろうと予想している私としては、そのような事態が起こったときに、それを乗り切れるような対策をとっておきたいと思っています。

実際にハイパーインフレになると生活がどようになるのか?ということでは、現地に行ってみるのがイチバンですが、興味だけでベネズエラに行って見るわけにもいきません。

Img_20180901_122235しかし、ハイパーインフレになったときに、庶民の生活がどうなったのかということを詳しく記載している本があります。

『ハイパーインフレの悪夢』というタイトルの本です。第一次大戦後のドイツでのハイパーインフレについて、非常に詳しく記載しています。

ず~っと読んでいくと、同じような記述があちこちに出てくるので、堂々巡りをしているような内容の本です。まぁ、どんな生活になるかはだいたいわかります。

最近の情報では、ダイヤモンド・オンラインの「経済危機が止まらない南米ベネズエラの水面下で広がる仮想通貨の波」というタイトルの記事が参考になりました。

記事は、「ドミニカ共和国に住み、中南米の新興国を舞台に貿易事業を展開する風間真治さん」という方が発信しています。

この記事で、私がとくに興味を持った内容は、「経済危機がますます加速する、南米ベネズエラでは今、国民たちの海外流出が止まりません」「ベネズエラからドミニカ共和国への入国は、90日未満の滞在ではビザは免除されるものの、移住となると居住権を取得する必要があるので、多くのベネズエラ人がビザ免除で入国して、90日を過ぎた後もそのまま不法滞在していると思われます」「ベネズエラではハイパーインフレ解消の目処は立っておらず、今月に入りついにデノミ(通貨単位の切り下げ)が行なわれ、通貨の価値は10万分の1に切り下げられました。その影響で、銀行口座にボリバル通貨を持っていた人たちは、一瞬にして自分の財産を失うことになったのです」という実情です。

もし、日本でハイパーと言われるくらいのひどいインフレになったとしたら、ここに書かれているベネズエラ人のように、国外脱出が必要になるかもしれません。

でも、国外脱出に至る前に、自分の資産をインフレに耐えられるフォーメーションに組み換えておきたいと思います。

「国家破産」とか「資産防衛」とかのキーワードで検索すると、「国家破産」を扱った本はとてもたくさん出版されていることがわかります。私の手元にあるだけでも10冊くらいはあります。

41c4fujwinl多くの本は不安を煽るような内容が多いのですが、私にとっていちばん参考になったのが、この「国家破産はこわくない」(橘玲著)の本でした。(私の本箱にあるはずなのに、見つからなかったので、図はアマゾンから借用しました)

国家破産とかインフレについて話を進めたいのですが、長くなってしまいますので、次項で続きをお話しようと思います。

2018年7月29日 (日)

(752) 簿記は堅固な「縁の下の力持ち」システム

(752) 簿記は堅固な「縁の下の力持ち」システム

会計の学習を進めていく中で、「簿記」システムのことも理解しておきたいと考えていました。

私の人生の中で、簿記・会計の知識はぽっかり空いた深い穴のようなものです。若い時から何回もその穴の中をのぞいてみようとはしていたのですが、見えないままできています。何冊もの書籍を買いましたし、ビデオ講座のようなものを買ったこともあります。でも、学習できないままできています。自分の挫折の歴史のようなものです。

Books今後も簿記の知識を活用する場はないことはわかっているのですが、今回の一連の簿記・会計の学習の一環として、簿記の全体像をつかんでおきたいと考えました。

何冊も買い込んである古い本の内容を見てみて、比較的わかりやすそうに思えたのが右側の「5週間で身につく経理実務」の本です。

表紙も古いですし、書き方も内容も古い本です。

私は、「簿記」ということばのイメージとして、「出金と入金を仕分け項目にわけて、帳簿に記入しておく仕事」くらいに考えていました。

Hasigaki「はしがき」では、「企業」の「仕入れ」「販売」「人事」などの「活動を金額で計算し、分類し、記録して報告する」と書いてあります。

いまさら本を読むほどのことじゃないだろう、「『弥生会計』に入力すれば済むことなんじゃないの?」と考えていました。

以前にポケットクイッケンのお話をしたときに書いた図のうちの二重線の下の部分だろうくらいにしか考えていませんでした。

-----------------------------------------------
(1)  納税申告用書類              作成

(2)  B/S   P/L  C/S         作成
-----------------------------------------------
(3)  総勘定元帳、補助元帳など      作成
===============================================
(4)   クレジットカード←→銀行口座←→サイフ
     ↓        ↓↑    ↓↑
    買い物や現金の出金・入金       
-----------------------------------------------
(98)200LXでのポケットクイッケン(PQ)

Bokitorihiki本では、「取引というもの」という初歩から説明されています。「取引」はポケットクイッケンでは Transaction ですね。PQのことも思い出しながら読み進めました。

コンピュータを使う簿記・会計の時代以前の本なので、おもに「伝票」を使って整理する方式で説明しています。

おそらく、伝票方式より前には、大福帳のような「帳簿」に記入することで処理していたのだろうと思います。

そして、現在は伝票方式から「パソコン簿記」に変わってしまっているだろうと思います。

ちょうど、アナログの時代→前デジタルの時代→デジタルの時代、の経過の中の「前デジタルの時代」のシステムの解説書ととらえて読み通しました。

Boki_kaikei今の時代の「簿記」の本は、パソコンを使った、もっとスマートなやり方が書いてありますね。

この本は、とっつきが悪くて、しかも自分の知らない世界のことなので、読んでいくのに時間がかかりました。読んでいくだけでも本のタイトルのように「5週間」くらいもかかりました。

読み終わってから考えると、おもてから見えにくい「縁の下の力持ち」の部門で、大きくて堅固なシステムなんだなということがわかりました。

私は、「(金融)手形」というものを見たことも触ったこともありません。でも、簿記のシステムの中では大きな比重を占めていることもわかりました。

簿記・会計の仕事をしている人の気持ち・考え方も少しは理解できるようになれると感じました。

より以前の記事一覧